●本日はお忙しいところを取材に応じていただき、ありがとうございます。さっそくですが、桜井先生が写真家になろうとしたきっかけからうかがいたいのですが、先生は最初から自然風景の写真に興味を持っておられたのですか?
高校の時から写真を撮っておりまして、当時はモノクロ写真が主流だったんですが、写真コンテストがたくさんあったんです。私が応募すると入選しまして、それで、これはプロカメラマンとしてやっていけるんじゃないかと間違えまして(笑)、高校2年の時からプロカメラマンを目指していたんです。お祭りとかポートレートとか、何でも撮っていました。人物を中心としたスナップが多かったですね。
自然風景の写真を撮りだしたのは、15年ほど前からなんです。最初は旅行をしながら、きれいだなと思った色彩や光のある風景を撮っていました。それから自然環境の破壊が気になりだしまして、このきれいな風景を残しておきたいと思って撮りだしたんです。
●先生は、日本各地の四季の風景を撮影してこられたことと思いますが、桜井先生にとって、冬という季節の魅力は、どういった点にあると考えておられますか?
同じところで春夏秋冬を撮っていると、その土地その土地に四季折々の風景があり、それぞれ異なった表情があります。ですから、冬にもまた違った風景があります。
冬というのは寒いと思っている方が多いようですね。確かに雪が降っていると寒いのですが、かえってその土地の生活感には暖かみが感じられる季節なんです。その土地、その土地の人とのふれあいで、たとえば北国などでは冬は人の優しさが最も感じられる季節なんです。
●桜井先生にとって、印象に残っている冬の土地はありますか?
何といっても北海道の知床です。流氷のくる頃の知床近辺の冬は好きですね。それから最近では富士山かな。見ながら育ちましたから。冬は空気が澄んでいるのできれいなんです。米沢や美ヶ原もいいですね。 |