●夏の風景写真や祭りの写真についてアドバイスをいただければと思います。
夏は昼間は暑いですから、撮影するなら朝早くか夕方がいいんじゃないでしょうか。高原ですと夏は霧が出るので、被写体として面白いですよ。それから私はよく雨上がりにカメラを持って出かけます。水滴がきれいなんですよ。涼しげな川や海もいいですね。
祭りの写真は大変です。私が「よさこい祭り」を撮るときには、まず被写体として、いい踊り手を見つけます。それを陽の高いうちから暗くなるまで、ずっと追いかけて撮り続けるんです。シャツを2枚も3枚も持っていって、途中で着替えます。それぐらいエネルギーを使います。シャッタースピードを変えたり、逆光を狙ったり、色々試してみます。少しでも人とは違う写真を撮るように工夫しています。
皆さんも決まった被写体を決まった角度からだけで狙うのではなく、ファインダーごしに様々なものを、様々な角度から覗いてみて下さい。祭りはエネルギッシュでスピーディですから、すぐにシャッターをきりたくなりがちです。でも、そこで一工夫してみてほしい。祭りでなければ撮れない写真というのはたくさんあると思います。
それと、AFから絞りやシャッタースピードをプラスとマイナスに、少しずつ変えたものを必ず撮っておくようにするといいと思います。きっと自分でも驚くような発見があると思いますよ。
●大山先生の「よさこい祭り」の写真を拝見していると、祭りを撮っているというよりも、人を撮っているように見えますが。
そうです、私は祭りという場の「人」を撮っているんです。実際、祭りに参加している女性というのは本当に美しいんですよ。
●大山先生の今後の活動予定を教えていただけますか。
「うさぎ追いしかの山」はこれからも撮り続けていきたいですし、また写真集にまとめる計画もあります。川の写真もたくさん撮っているんです。セーヌ川も撮っていますし、京都も、隅田川も撮っています。これもまとめたいですね。
●最後に、大山先生からカメラのキタムラに望まれること、今後に期待されることをお聞かせねがいますか。
日本中にたくさんのお店を出されながら、社員の教育もしっかりされているので感心しています。カメラ機材を販売されるお店に望みたいことは、社員教育をしっかりやってほしいということです。
機材を買っても使い方がわからないという消費者は多い。もちろん写真教室を開くことも大事なことだと思うのですが、お店の方が適切なアドバイスをしてあげることも、写真文化の発展のためには大切なことです。これからも、社員教育をしっかりと続けていってほしいと思います。
●ありがとうございました。 |