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12年を費やして1冊の写真集を
作ったこともあります。
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■写真集と写真展では、作品は同じでも見せ方は違います。 |
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●竹内先生の場合、写真展と写真集に意識的に違いを置かれているといことはありますか?
写真集や写真展に発表する作品は当然最高の作品を選びますから、作品そのものは同じものを使用します。しかし、見せ方が違います。写真集の場合は一冊の本として残りますから、当然そのことを意識します。私は写真集をすべてハードカバーの上製本で出版していますが、これも残したいからなんです。これに対して、写真展の場合はショーですから、壁面に展開することによって、様々な見え方ができるように工夫しています。
●先生が最初に出版された写真集について、お話しいただけますか?
私の一番最初の写真集は、1975年に三重県にある「海の博物館」から出していただいた『海はいのち』というキャンペーン写真集です。モノクロの60ページ程度の薄い本で、今は絶版になっているんですが、好評をいただきまして、今でも見たいとおっしゃる方がいらっしゃいます。
当時から私は環境問題に着目し、それをテーマとして活動しておりました。その時に海を環境汚染から守ろうという「海の博物館」からの提案があり、それで私の撮っていた写真をまとめ、写真集として出版したのがこの本です。
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秋は空気が済み、日照時間が短いので月の姿が目立つようになる。月は面白い被写体なのでぜひ撮って欲しい。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF1200mm F5.6L +1.4倍テレコンバーター シャッタースピード:1/10秒 AE -2/3補正 フィルム:PKR 三脚使用 |
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大雪山山腹の秋。原生林であるために、多様の樹種が繁茂している。その組み合わせを撮ってやる。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/5秒 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道上富良野町 |
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■絶版になった写真集の中には、
私自身が名残惜しいものもあるんです。 |
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●今まで出版された写真集の中で、先生ご自身が特に印象に残っている写真集があったら、教えてください。
『花祭』『天地聲聞』『櫻』『雪月花』『天地風韻』などですね。この中で最も古いものは『花祭』です。これは1983年に出版されたモノクロの写真集なのですが、この取材に12、3年かかりました。これは愛知県の奥三河地方に何百年と続いた古い民俗芸能を撮り続けたものなのです。この祭りは、だいたい正月の3日から5日の間に二十数カ所の集落で集中して行われ、夕方からはじまり、一晩徹夜で踊る祭りです。明け方まで踊り狂うんです。その間ずっと私もつきあいました。ですから、その3日間は、私もほとんど眠りませんでした。それを12年以上かけて撮り続け、やっと本にしたんです。
『花祭』はドキュメンタリーの写真集ですが、『天地聲聞』は私の最初の風景写真集です。1985年に出版されました。これはすべて35ミリで撮った、はじめての風景写真集です。その当時は風景写真は大型カメラで撮るというのが写真界の常識でしたから、35ミリでも風景写真が撮れることを示したかったのです。おかげさまでご好評をいただき、版を重ねて、10年後の95年には復刻新版が出版されました。
この復刻新版では、作品を少し変えようかとも思ったのですが、結局10年前のものとまったく同じ作品のままにしています。ただ巻末にコメントを付けています。これは、この写真集を見た読者の方々から、10年の間に問い合わせをいただいたので、それにお答えできるようにと考えたものです。
『櫻』という写真集は、私が現在までに出版している3冊の、桜をテーマにした写真集のベースになった写真集です。「日本人の原風景」が私のテーマの一つですが、その代表的な素材が桜です。桜は最も美しい時が一年に一日しかありません。その一日を求めて、全国を7、8年をかけてまわり、一冊にまとめたものです。
『雪月花』は今は絶版になっていますが、通常のものよりも精度の高い印刷を使用しました。印刷というのは精度が高ければいいかというと、そうではなく、あまりに精度が高いと、写真の仕上がりが力のないものになってしまうのです。様々な精度の印刷を試した末、最も再現力の良いものを選びました。私の気に入った印刷仕上がりの写真集で、今でも名残惜しい写真集です。
『天地風韻』は去年出版した写真集です。『天地聲聞』からはじまる私の天地シリーズの最新版であり、これまでの集大成です。『雪月花』ほどではないのですが、これも精度の高い印刷を使用しています。 |
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山腹に霧が立ち上っていた。秋の低いライティングをうけて、輝いていたのでややアンダー気味の露出で、際立たせた。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/50秒 AE マイナス2/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道鹿追町 |
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秋風が湖面を撫でていった。静寂だった湖面に波紋が起きて、秋の光がきらきらと輝いていた。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/50秒 AE +2/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:新潟県妙高高原町 |
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低い山の山腹はすっかり紅葉して、秋の彩りとなっていた。高山は新雪が降り注ぎ、次第に冬化粧へ移行していく。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:SMCペンタックス645 80-160mm F4.5 絞り:f22 AE +2/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:北海道置戸町 |
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防風林として植えられたカラマツもすっかり葉を落として、裸木となっていた。
夕暮れの太陽を生かして、シルエットに描写した。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:SMCペンタックス645 300mm F4 絞り:f22 AE +2/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:北海道置戸町 |
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月を撮るのは夕方から明方の薄暗い状態がベストである。露出を幾分マイナスに補正すると、宵闇の風景となる。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/10秒 AE マイナス2/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道浦河町 |
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