冬は被写体を前にしたときの 緊張感が高まる季節。
●田中先生にとって、冬場の撮影の魅力は何ですか? 冬の場合は、雪・氷を代表として閑散とした木立など、その季節の雰囲気を、おのずと醸し出してくれる被写体が多く、季節のイメージを作品にしやすいんです。一方、夏の場合は、雲や海と言った被写体が中心となりますが、これらは一年中見られるもので、夏特有、というものではありませんからね。こちらで変化を持たせないと、なかなかその季節のイメージが伝わりにくいんです。 また、気温が劇的に下がると、その時にしか撮れない作品ができやすいんです。春や秋ですと、桜であれ紅葉であれ、ある程度、開花時期を読んで狙った撮影をすることもできますが、冬は、たとえば冬山など特にそうですが、天候が変わりやすく、それは難しい。その一方で、思いがけないシャッターチャンスに出会えることも、また多いんです。そういう意味では、被写体を前にしたときの緊張感が高まる季節ですね。