特集
田中達也先生が撮影した
「日本の冬」

「雪にはさまざまな色がある」とおっしゃる田中先生の作品には、
ときにはおだやかな、ときには厳しい冬の様々な表情が、
見事に捉えられています。
ここでは、そうした先生の作品を少しだけ拝借し、
ミニギャラリーを設けて紹介させていただくことにしました。
先生の貴重なコメントと併せて、冬の撮影の参考にしてください。
降雪シーンは背景に溶け込みやすいため、写っていても分かりにくい光景だ。この作品は横なぐりの吹雪の様子をシンプルなバックに反映させた。絞りを開け気味にして1/60秒で捉えた。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF70〜200mm F2.8L 絞り:f4 AE フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛知県稲武町
樹氷する木立ちをアップで捉える。枝の配列や隙間のバランスに注意しながら画面全体を整えていく。左右上下と微調整するフレーミングはいくら寒くてもおろそかにできない詰めの作業である。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF70〜200mm F2.8L 絞り:f8 AE+1/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛知県稲武町
氷の作る造形は一つとして同じものがない。これは沢の水が落下しながらできたもので、マクロレンズでクローズアップした。クリスタルな透明感を表現するためにマイナス補正している。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF100mm F2.8 マクロ 絞り:f8 AE -2/3 補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:長野県茅野市
田んぼに降り立った白鳥が餌をついばみながら長旅の疲れを癒している。それぞれの仕草や動作を観察して、周辺との組合せから構図を決定することが自然な雰囲気を捉えるコツである。
■カメラ:EOS-1 レンズ:EF500mm 4.5L 絞り:f4.5 AE +1/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:新潟県笹神村
木立ちと交錯するのはそれらの影である。幹の根元には丸い雪解け模様がある。直線や円形といった素材のパターンを生かして構図を描いた。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF35〜350mm F3.5 -5.6L 絞り:f16 AE +2/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:長野県王滝村
枯れ木立ちの上空を染める夕焼けが刻々と変幻する。いつがシャッターチャンスか、決めるのは撮影者自身である。レンズの選択や色の変化を予測する駆け引きがたまらない。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF70〜200mm F2.8L 絞り:f8 AE +1/3補正 
フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛知県長久手町
静まり返った池を覆うように現れた鉛色の雲。バックには美しい夕焼け空が広がっている。動きのある雲と湖面への夕焼けの映り込み。さらに周囲の山陰など、すべてを注意深く配列しないと風景としての一体感が失われてしまう。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF20〜35mm F2.8L 絞り:f8 AE
+1/2補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛知県名古屋市
降雪で霞む遠景に荒涼とした雪の原野が広がる。そして数本の枯れ木立ちが殺伐とした光景を印象づける。ややアンダー気味に露出設定することで出会いの印象を表現した。
■カメラ:EOS-1 レンズ:EF20〜35mm F2.8L 絞り:f9 AE -1/3補正 
フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:長野県茅野市横岳
氷点下15度を下回る厳しい冷え込みに川が凍った。日の出を前にして流れが氷を砕いていく。ひび割れ、溢れ出る水面に朝焼けが映った。
■カメラ:EOS-1N レンズ:EF70〜200mm F2.8L 絞り:f14 AE フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:長野県王滝村
冬枯れの林と朝焼け。空模様だけで季節を表現するには限界がある。そのため地上の景色を生かすことが大切で相乗効果が期待できる。
■カメラ:EOS-1 レンズ:EF28〜80mm F2.8-4L 絞り:f8 AE+1/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛知県豊田市
もどる もくじ

当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。