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■日本人の心を求めて、日本の滝を歩いてまわりたい。 |
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日本の写真文化、風景写真の先端を歩いている、竹内先生の「今」の活動を教えてください。
今、私が力を入れて撮っているのは滝です。現在「日本千滝」の写真集の企画を進めていまして、これは日本の名の知られた千の滝をまとめた写真集で、何人かの写真家との共同作品になる予定です。しかし私はこの企画とは別に、自分の足で日本の千滝をまわって歩こうと思っています。もし千滝をまわることができれば、日本の滝に対して、自分なりの評価が出せるのではないかと考えているのです。
千滝をまわり終わったところで、私個人で滝の写真集を出そうと思っているのですが、今のところは四百二十の滝をまわり終えて、あと六百ほどですね。滝はどれも山の中にありますから、滝を撮るためにはそこまで上らなければならないので大変なんです(笑)。
●先生は日本の滝のどのようなところに魅力を感じているのですか?
日本の滝は水がきれいなのです。日本人は昔から滝に打たれて身を清めたりしてきましたが、そんな発想は水がきれいでないと出てきません。外国の滝は泥のように濁っているものが多いんです。
また桜と富士山と滝というのは日本人の自然を通した心象風景の象徴なのですが、日本の滝の風景というのは感情を通い合わせるのに、ほどよい大きさの景観なのです。たとえばナイアガラのように滝の規模があまりに大きいと、私の場合は大きすぎてその景観を眺めていても何の感情も湧いてこないのです。日本人が滝と対話できるのは、ほどよい大きさのおかげで、だからこそ日本人の心象風景の象徴となったのだと思います。その日本の滝を見ていくことで日本人の心がわかるのではと思うのです。 |
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静岡県の名瀑、「白糸の滝」と紅葉風景。このような被写体は、落ち着いて撮ることができるので、なるべく大判のカメラを使って丁寧に写し取りたい。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:SMCペンタックス645 80-160mm F4.5 絞り:f16 AE-1/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:静岡県白糸の滝 |
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豊かな実りを付けた稲の穂。紅葉の葉のクローズアップのように、こんな部分だけで、秋を表現することが出来る。
■カメラ:キャノンEOS-1 レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/60 絞り:AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:新潟県高柳町 |
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■私のタスマニアの写真は、
私が思い描く人類の未来の写真なんです。 |
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●今度は先生の未来、今後の活動予定や抱負を教えてください。
以前から私は日本人の原風景を探ることをテーマとした写真活動を続けてきました。その一環として、他の国々の風景と比較しながら探っていこうと考え、日本と同じように、歴史のあるヨーロッパも撮り続けてきました。今後も日本とヨーロッパを比較しながら撮り続けていこうと思っています。
この原風景を探る写真活動というのは、私にとっては過去にさかのぼってゆく旅なのです。日本人が、あるいはヨーロッパの民族が長い歴史の中でどのような環境を生み出してきたのか、そのことを探っているのです。
これに対し、私が未来を旅している場所があります。それがタスマニアです。タスマニアの風景から私は人間の未来が想像できるように思うのです。私の言う未来とは、現在の豊かな自然環境がこの先も続き、そこに生きる人間もまた、自然の恵みを受けて豊かになってゆく、そうした理想的な世界像なのです。
そうした私の思い描く未来の風景とよく似た景観がタスマニアにはあって、私の撮るタスマニアの写真はすべて未来の写真だと思っています。そのタスマニアの写真も撮り続けていきたいですね。 |
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ヨシやススキの穂は秋を象徴する風物。これは北上川河口の秋の風景。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:ハイスピードAFアポテレ300mm F2.8G Sモード シャッタースピード:1/125 絞り:AE+2/3補正 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:宮城県北上町 |
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