自由な発想で風景を切り撮る
自然風景写真家 ベルンハルドM・シュミッド氏 |
はるか彼方の地平線までまっすぐに続く道、なだらかな丘の斜面を曲がりくねりながらつづく道。風景写真の中でも、道という被写体はどことなくロマンチックなイメージがあるように思います。日本を活動の拠点にして15年になるドイツ人写真家のベルンハルドM・シュミッド氏は、世界各地の道を撮りつづけ、日本で「道のむこう」という写真集を出版されました。今回は、日本を愛し、世界中で自分の求める被写体を探し続ける、写真家のシュミッド氏にお話をうかがいました。
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〈中国:雲南〉 |
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道のある風景にはドラマがあります。それが日本人に共感を呼んだのだと思います。
シュミッド氏はもともとドイツの大学では物理学を学んでいました。その研究の関係から、最初はほんの一年だけの気軽な気持ちで来日したそうです。しかし気がついてみたら15年が経っていました。日本で暮らすことになったきっかけは、日本人の友人に自分の撮った写真を見せたところ、大変気に入ってくれてフォトエージェンシーを紹介してくれたことでした。今では日本での評判がドイツにも伝わり、ドイツにも事務所を置いて、一年のうち3ヵ月位はドイツで仕事をするなど、世界をまたにかけて活動している写真家です。
そんなシュミッド氏は、子供の頃から好奇心が強く、様々なものに興味を抱き、それらを記録する手段として写真を撮るようになったそうです。その強い好奇心は、やがて異国への興味へと変わり、様々なものを見てみたいという願望になったようです。そして、世界各地を見てまわるうちに、「道のある風景」というテーマを見つけます。
「風景の中の道にはドラマがあると思います。なぜならば道には過去の出来事を想い起こさせてくれたり、新しい出会いや夢を予感させてもくれますから」。
こうして『道のむこう』という写真集を出版することになります。出版したのは、やはり日本でした。
「日本人は人生や物事を道に置き換えることが多いということを後から聞きました。そういうところも日本人の方々に共感を得られたのではないでしょうか。そういったことからだと思うのですが、企業のポスターに私の写真が採用されたりしています」。
シュミッド氏はこの写真集で、日本を拠点とした活動に、より自信を深めたようです。 |
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〈オーストラリア:タスマニア〉 |
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