Vol.42 2002 AUTUMN

季節の終焉である秋の輝きを自己表現としてとらえる。
 
カメラのキタムラ「第11回 全国秋の彩フォトコンテスト」
(上)【十和田湖の秋】十和田湖の観湖台からの風景である。岸辺の紅葉と水面との対比が、たまらなく美しい地域である。PLフィルターを使って、湖と葉の表面反射を除去して撮っている。
■カメラ:キヤノンEOS-1 レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/30 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:青森県十和田湖


(左)【里の秋】昔、村の人々は一生懸命に干し柿を作った。干し柿は、農家の大切なおやつであった。いまはその柿を食べる人も、作る人も少なくなって田園の脇に残されている風景。
■カメラ:キヤノンEOS-1 レンズ:EF28-70mm F2.8L シャッタースピード:1/60 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:福井県越前町
―――応募される方々への作品づくりに対して、アドバイスをいただけたらと思います。
 以前にも申し上げていますが、秋というのは紅葉だけではないんです。さまざまな秋の色・形があります。日本人の心の中にある「わび」「さび」というのもあると思いますし、いろいろな切り口があるはずです。
 たとえば「歳時記」の中の秋などを参考にされてはいかがでしょうか。そこには、長い歴史を積み重ねてきた日本の伝統や日本人の考え方が読みとれると思います。
 昔は季節のイメージを季語に置き換え、俳句や歌などに表現をしてきました。「歳時記」の季語から刺激を受けて、それを写真という表現手法にしてみるのも面白いと思います。今のカメラ技術やフィルム性能があれば、かなり幅広い表現が可能だと思います。そのような発想から作品づくりをおこなえば、昔の人は風景だけでなく、人間の感覚として秋をどのようにとらえられていたのか、ということがわかると思いますし、ひと味違った作品ができるのではないでしょうか。

―――お忙しいところをありがとうございました。
(右)【北上川河口】秋も終わりの頃になって、川岸のアシが枯れていく。夏期には青々として緑溢れる風景だったが、季節の移行とともに枯れ野の風景となり、秋の風情が感じられる。
■カメラ:ミノルタα-7 
レンズ:ハイスピードAFアポテレ300mm F2.8G 
シャッタースピード:1/60 AE+1/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:宮城県北上町
 
(右)【初冬の水田】秋の余韻を残している田園にも、容赦なく冬将軍が降りてくる。水田の脇の残り柿と、雪景色を撮ってみた。雪の撮影の場合は+1絞り程度の露出補正が必要になる。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:80-200mm F2.8G シャッタースピード:1/60 AE+1 補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:栃木県那須町
(左)【茸の秋】森のなかで見つけた茸。これは食べられないだろうが、写真に撮って観察してみると面白い。茸はとてもフォトジェニックな被写体である。
■カメラ:キヤノンEOS-1 レンズ:EF180mm F3.5 マクロ シャッタースピード:1/30 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:栃木県塩原町
 
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