Vol.42 2002 AUTUMN

季節の終焉である秋の輝きを自己表現としてとらえる。
 
自然の中からインスピレーションを受けることができる。
秋の輝きは、人間の生命の終焉と同じ。最後の燃焼が紅葉へとつながる。
―――今年も「全国秋の彩フォトコンテスト」の季節になりました。改めて先生から、春と秋の魅力の違いについておうかがいしたいのですが。
 春というのは、寒い冬の季節から開放され人間の気持ちが未来へと向かっている。それに対し、秋というのはさまざまな生命が光り輝いていた夏が終わり、やがて来る静寂の冬へ向かうことから、人間の気持ちも終焉に向かい、春に比べ一つの季節の終わりという重苦しさや淋しさ・悲しさが満ちています。そのような気持ちを理解し、表現することをできるのが日本人の特徴の一つではないでしょうか。
 それ故に、秋の輝きは樹々に残された最後のエネルギーの燃焼が、あのような素晴らしい紅葉へと結びついていると思います。
 長年の暮らしの中で、日本人は四季の変化、特に春の桜・秋の紅葉といったはっきりとした対象をとらえることができています。このことは自然に対して非常に恵まれた民族だと思います。
 昔から樹を大切にして、樹の文化を育んできた歴史があるからこそ、自然を前にすると自然の中からインスピレーションを受けることができるのではと考えています。

(上)【静寂の時】紅葉真っ盛りの広葉樹の上に、カラスがとまっていた。それも一つのアクセントと考えてフレーミングしたもの。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/60 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道上富良野町
(中)【静寂の時】紅葉真っ盛りの広葉樹の上に、カラスがとまっていた。それも一つのアクセントと考えてフレーミングしたもの。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/60 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道上富良野町
(下)【静寂の時】紅葉真っ盛りの広葉樹の上に、カラスがとまっていた。それも一つのアクセントと考えてフレーミングしたもの。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:EF70-200mm F2.8L シャッタースピード:1/60 AE フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:北海道上富良野町
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