友だちから借りた初めての一眼レフカメラで、
北海道の大自然を撮影。
――独学で写真を勉強されて、プロの写真家になられたとお聞きしております。
写真との出会いはどのようなことだったのでしょうか?


 音楽学校を卒業してからエレクトーン教室の講師をしていたのですが、1991年にそこの同僚の女性4人で夏の北海道に旅行する機会がありました。その時、スナップ写真が趣味で写真講座にも通っていた他の友人が、私にキヤノンのズームレンズ付き一眼レフカメラを貸してくれたのです。さらに、ネガフィルムではなくリバーサルフィルム5本を渡されました。旅行にはいつもコンパクトタイプの小さなカメラを持って行っていたのですが、一眼レフカメラで撮影したのは、この北海道旅行が初めてでした。
 そして、北海道を訪れたのも初めてでしたので、ラベンダー畑など雄大な景色に感動していました。その景色の中から自分がいいと思ったところを、ズームレンズで寄ったり引いたりしながらシャッターを切ることが楽しくて、フィルム5本全て撮切りました。帰ってきてから現像はマウント仕上げにしてもらい、友達のアドバイスに従って、ハンディビュワーを買って1枚1枚見返しては楽しんでいました。


【冬の楽園】放射冷却で冷え込む早朝の多摩川。川霧が沸き上がる正面から太陽が昇ると、ここが東京とは思えない幻想的な光景になります。オレンジに染まる川は多くの野鳥たちが羽を休める楽園です。
■カメラ:ペンタックス645N レンズ:FA150-300mm(F5.6)×1.4 シャッタースピード:1/10 絞り:f22 フィルム:フジクローム ベルビア UVフィルター 三脚使用 撮影地:東京都多摩川

多くの趣味の中からひとつに絞ろうと思い、
楽しかった北海道を思い出して写真を趣味にすることにしました。
――写真を始めたのは1996年からとプロフィールにも記載がありますが、
北海道旅行の直後から始められたわけではないのですか?

【風格を湛え】ひと際目立つその姿は風格たっぷり。薄っすらと雪をまとった樹は、指でGood!としているようにも見えました。超ワイドレンズで下から見上げ、高さと形の面白さを強調しています。
■カメラ:ペンタックス645N レンズ:FA35mm(F3.5) シャッタースピード:0.7秒 絞り:f16 フィルム:フジクローム ベルビア UVフィルター 三脚使用 撮影地:長野県高ボッチ

 


 当時の私は多趣味でしたので、いろいろなことに熱中していました。しかし、ずっと続けられるひとつの趣味に絞りたくなりました。そこで思ったのが楽しかった北海道旅行のことでした。写真のことは忘れていたわけではなく、たまに思い出しては北海道の写真を見ていました。以前から旅行や自然が大好きでしたので、写真を本格的にやろうと思い、35mm一眼レフカメラ・レンズと三脚を買い揃えました。まだ当時は音楽教室の仕事をしていましたが、自分で休みを調整できたので、長い休みを取っては遠方まで撮影に行っていました

――撮影していた被写体は当時から自然風景だったのでしょうか?

 私は写真を撮り始めてから今に至るまで、自然風景のみを撮ってきました。日本各地の四季の移り変りの美しさに感動しながら撮影しています。
 音楽の仕事をしている時から、発表会やコンクールなどがすごく好きでした。それは自己発表することが楽しかったのです。カメラを買ってすぐにフォトコンテストにも応募したのですが見事に落選でした(笑)。
 そこで、もっと写真のことを知らないといけないと思い、独学ではありましたが勉強を始めることにしました。

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