思い出をづくり研究所 フォトライフ四季出張編
PCC賛助企業カメラのキタムラは「思い出づくり研究所」を発足、さまざまな思い出の残し方について調べています。 東日本大震災以降、被災地では海水や泥水で汚れた写真を洗って持ち主に戻す運動が活発になっているそうです。 PCCはその活動に興味を持ち、「写真救済プロジェクト」として取り組んでいる富士フイルムの担当者の方々へお話をうかがいました。
さまざまなサンプルを並べ、検証
被害を受けた岩手県山田町
(『フォトライフ四季Vol.77』より)
さまざまなサンプルを並べ、検証
銀塩プリントやインクジェットプリント、インスタント写真などが表と裏がくっついているもの、表同士がくっついているものなど。水に浸す時間も、1時間単位から数日間まで、約60パターンを試したといいます。
この頃、被災地では自衛隊やボランティアが瓦礫の下から写真を拾い集め、自治体やボランティアが汚れた写真を洗浄する活動が報道などで紹介され、写真救出の重要さ、写真の大切さが広まっていきました。
被災地での活動(七ヶ浜町・サッカースタジアムで)
翌日から週末を中心に富士フイルム社員が現地訪問。8月末までに東北地方延べ約80カ所の避難所・自治体を訪れ、40カ所以上で洗浄のレクチャーをしました。6月末からの1ヶ月間は、被災地の写真を預かり、富士フイルムグループ社員・OB、その家族のボランティアで写真洗浄をしました。OBや多くの社員から「なにかできることはないか」と声が上がっていたこともあり、会社をあげて洗浄ボランティアに取り組んでいます。
このプロジェクトにPCCも賛同し、取材時にはPCC事務局・野田が、富士フイルムで技術を担当している前嶋さん指導のもと、実際に写真を洗ってみました。
富士フイルムの取り組みは、こちらで紹介しています
実際に被災地をたずね、写真の洗い方について研究を重ねてきた担当者の方から話を聞くと、写真メーカーが「写真プリントを残すこと、救い出すこと」に思い入れを持って取り組んでいることがわかり、その思いに胸をうたれました。
写真に対する皆さんの純粋な思いを知り、銀塩プリントそのもののつくりについても教えていただきとても濃密な時間を過ごすことができました。
根本的に、写真を「洗う」という行為はなかなか思いつかなかったので新鮮! 実際に洗ってみて、その効果を実感できました。
(野田)
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