種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.03.25【Vol.004】
写真を撮影する上で重要なものにピントがあります。
作品として見せる上でその写真にピントがあっていなければ、意図的にピントを外した場合以外、作品としてなかなか成立しません。ブレとピンボケは別物ですが、写真の失敗の約70~80パーセントはそれらブレ、ボケによるものだそうです。
露出や構図という問題以前に撮影時一番注意してほしい要素です。
最近では、AFが飛躍的に進歩して、ピンボケの率はすくなくなりました。
ただ、カメラは被写体にピントを自動的に合わせてくれますが、どこにピントを合わすかは人間が指示しないといけません。自分が最も見せたい部分にピントを合わし、かつ写真を見た人の焦点をそこに持って行かせるポイントです。
絞り値はF2.8
絞り値はF16
写真を少し勉強されると、「被写界深度」という言葉を耳にすることがあります。レンズの絞り値を変化させることで、ピントを合わせた位置から前や後ろをぼかしたり、全体的にピントを合わせたりするアレです。
ですが実際は、ピントが全体に合ったり、ぼやけたりするわけではなく、あくまでも、ピントが合っているように見える範囲が変わるだけです。
「被写界深度」の説明はここまでにしますが、この「被写界深度」に関連して、一つ覚えておいてほしいことがあります。
それは、ピントが合っている位置から手前側は、ピントの合っているように見える範囲が後ろ側より狭いということです。よく、「奥に合いやすく、手前に合いにくい」という言い方をします。
ピントの来ていないボヤけた部分「ボケ」を作る要素(ボケの量)は、一つはレンズの焦点距離や絞りによって大きく左右されるのですが、ただ、ピントを合わせた部分より、かなり前方(カメラに近い位置)に何かが入っていれば、そして、近ければ近いほど被写体はボケて写ります。花の撮影などで大きな前ボケがある写真を御覧になったことがあるかもしれません。
もちろん、レンズや絞り値の条件でピントの合っているように見える範囲が変わって見えますが、一つ言えるのは、自身の撮影位置によってもそれらを変更することが出来るのではということです。
単順に機械的な要因のみで操作せずに、一度いろいろな角度から被写体にアプローチして、ピントの合う範囲を確かめながら撮影してみると、また違った発見があるかもしれません。
「種清豊のフォトコラム」のコーナーは、毎週発行される無料メールマガジン「キタムラフォトライフ」と連動しています。
メールマガジンの受信登録は、こちらのページでどうぞ。
おトクにお買い物ができるクーポン付きで、好評配信中です。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。