種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.03.18【Vol.003】
今回はカメラの基本についてお話ししてみたいと思います。
一眼レフカメラで撮影していると実際にファインダーで見えていた被写体の範囲と、出来上がった写真の大きさ(写った広さ)がほんの少し違ったなんてことありませんか。見えていた範囲よりも少し広めに写ったなんてことがよくあります。特に一眼レフカメラを初めて手にした人はカメラが壊れてるのかなとか、撮影方法にまだ慣れていないからと思う方も多いようです。実際は故障でも操作の不慣れでもなく、カメラそのものの仕様なのです。デジタル、フィルムの一眼レフカメラともに必ず遭遇する不思議なのですが、これはカメラのファインダーの構造(仕様)によるもので、「視野率」と言われます。
実際に写った範囲
ファインダーからの視野
ファインダーをのぞくと、周囲は黒い枠になっています。そしてその枠内に被写体が映っています。黒い枠のことを視野枠といいますが、この視野枠で囲われた部分(視野、撮影しようとする像)とフィルム、センサーに写る範囲(実画面といいます)が一致すれば、見えている範囲と写る範囲が同じになるはずであり、そのほうが撮影者にとっては理想です。
このことを視野率100パーセントというのですが、それぞれお持ちのカメラの説明書やカタログにはこの視野率が書かれています。もしお持ちのカメラの視野率が100パーセントではなく、約93パーセントなどであれば、ファインダーで見えている範囲と実際に撮影された写真の大きさは少し違ってきます。先に述べたように、見えていた範囲よりも少し広く写ってしまうことになります。実はカメラの価格はこういった点でも大きく反映されます。当然視野率約100パーセントのファインダー(光学)のほうが有利ですので、カメラのクラスとしては少し上位機種になり、よって価格も上がります。
以上に書いたことは、主にフィルムカメラにおける大きな懸念材料でした。確かにデジタル一眼レフでも視野率の問題はフィルムカメラと同じなのですが、実のところ、デジタルカメラの場合、ライブビューを使ったり、電子ファインダー(簡単に言うと、ファインダー像がライブビューで表示された電子画像と一緒のものです)を搭載したカメラであれば、たとえ上位機種を手に入れなくても、手軽に視野率の問題を解決することが出来ます。ライブビューや、電子ファインダーの場合そのほとんどが、視野率100パーセントですので、厳密に撮影範囲を定めたいときなどに大変便利です。
ただ、電子ファインダーを備えたカメラなら問題はほぼ解消されるわけですが、ライブビューとの併用で撮影する場合には、常にライブビューで撮影するわけにもいきません。やはり、手持ちのカメラの特徴(この場合視野率)を踏まえたうえで、おおよそ出来上がりを見越したフレーミングが出来るような撮影者側での多少の努力も不可欠でしょう(文章で言うのは簡単ですが、僕自身、実際は結構苦労しています・・・)。
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