種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.12.16【Vol.042】
ホワイトバランスは光源が発している光を適切に補正することで、白いものを白く見せるための機能、ということを以前書きました。太陽光モードなどにセットし、白熱電球の元で撮影すれば肉眼で見えたように温かみのある、オレンジっぽい仕上がりになりますが、オートWBや電球モードにすると赤味が消えてきます。赤(R)に対して青(C)を加えることで色のカブリを打ち消すわけですが、特に商品撮影などにおいてWB機能を使った色の補正は重要です。
オートWB
電球モード
フィルムの時代にはレンズの前に適切なフィルターをつけることで色補正、カラーバランスを変更していたわけですが、デジタルになりカメラ側で簡単にそれらを変更することが出来るようになったわけです。
大変便利なデジタルカメラのWB機能ですが、最近のデジタルカメラのオートWB機能もかなり正確になっています。通常撮影するにあたってはオートWBでもかなり良好な結果が得られるようになりました。本来WBは色を適切に補正するための機能として備わっているので、実際写真を写したときに見た目に正しい色が出ていればOKです。それがオートWBか太陽光モードなのかはその場の光源で変化してくるのですが、その補正効果を利用してわざと印象的な色味を持たせることにも利用できます。
有名なものに「夕日」のシーンであえて日陰、曇りモードにセットすることでより画面に赤味を持たせたりすることがあります。また、オートWBで画面がほんのわずかに青みがかった場合太陽光モードにすることもあります(その逆もあり得ます)。もちろん撮影時ではなく、RAWで撮影しておいて後の現像処理などによりいろいろと試すことでイメージをつかむこともできます。もともと現像ソフトに備わっている太陽光、電球モードなどのプリセットの他にWB微調整という機能もあるので、カメラ側より細かな設定ができる点も有利です。
日陰モード
オートWB
作品に対するイメージを決めることでどの方向にWBを設定していくか、同時に本来の色はどうであったかということを考えていくと写真の持つ色に対する表現の幅についても広げることができるでしょう。