種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.12.23【Vol.043】
コンパクトサイズで軽量なミラーレス一眼。一眼レフカメラのようにカメラ上部のでっぱりが無くスッキリとしたデザインで、幅広い年齢層、女性のユーザにも広く受け入れられています。ミラーレスという名前から想像できるように一眼レフのような「ミラー」を持たないことで大幅なコンパクト化がなされています。また、フランジバック(レンズ取り付け面、マウント部から撮像素子表面までの距離)が短縮されることにより、同時にレンズもコンパクト化されています。一眼レフ同様にシステム化がなされているので、写真撮影においては一眼レフと同等に扱えながら、機材はレンズ、ボディーを複数揃えても一眼レフよりコンパクトに抑えられるのが大きな魅力です。
特徴としては、一眼レフのようにペンタプリズムを持っていませんので、ファインダーでのぞく代わりに背面液晶で被写体を確認します。また電子ビューファインダー内蔵のもの、外付け電子ビューファインダーを使うことでファインダーをのぞくスタイルでも撮影可能です。撮像素子に届いた光をそのまま電気信号に変えて映像化したものを確認することになるので、一眼レフでネックだった視野率の問題もほぼ解消されていることも大きな特徴でしょう。測距は一眼レフ並みとまでは行きませんが、コントラストAFならではの高精度のピントが期待できます。最近では様々なカメラメーカーにおいて現在では背面液晶をタッチするだけでピントを合わせたり、シャッターをきったりすることができるようになっています。
一方でファインダーを持たない点、カメラのホールディングが甘くなったり、水平が出しにくいという点も挙げられます。そういった点は手ブレ補正機構で補ったり、電子水準器による確認に頼ることになります。小型軽量でいつでも手軽に撮影を楽しめるという大きなメリットを最大限に発揮するためにも、細かな撮影の基本は抑えておきたいものです。
ミラーレス一眼カメラは今後数年のうちにますますそのラインナップが拡張され、レンズも増えると予測されています。どこまでカメラが進化していくのか、一眼レフとの住み分けがどうなされていくのか、興味が注がれます。