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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.02.10【Vol.050】

シャッターの種類の話

カメラの機構の中で露光をつかさどるものに絞りとシャッターがあります。デジタルカメラではISO感度をカメラ内で変更することができるのでそれもまたカメラの機構として位置づけることができるかもしれません。その機構の中で、撮像素子(フィルム)に光を当てる時間を制御するシャッターについて今回お話したいと思います。

もともとカメラができた当初は露光時間が数秒から~数十分と長かったため、レンズキャップのようなもので光を遮り今のシャッター代わりとして使用していました。ただし、観光材料の感度の上昇、高速で動く被写体の動体撮影など、瞬間的な露光を機械的に調整する必要から、カメラに機構として搭載されたり、外付けのシャッターが開発されるようになりました。細かな歴史、経緯は省略しますが、種類として概ね現在でも広く使われているシャッターの形式にフォーカルプレーンシャッターと一部フィルムカメラなどでも使用されているレンズシャッターの2つに大別されます。

まず、レンズシャッターから見てみると、主にレンズとレンズの間にシャッター機構が搭載され、一つのユニットとして構成されているものが一般的です。そのため、交換レンズごとにシャッターが搭載されていて、コストもかかり、またレンズの小型化や、機械的連動にも制約が出てしまう欠点があります。内部機構の違いでプロンター型とコンパー型に分かれます。日本ではコパルがプロンター型、セイコーがコンパー型を取り入れ国産化しています。国産のクラシックカメラでは主にプロンター型(コパル型)が多く使用されてものを見かけます。しかしながら、先に述べたようにレンズ交換における制約、最高速度の限界、小型化へ制約など、カメラの進化に伴う機構の複雑化にいくつかの制約生まれることも多く、使用される数は次第に減ってしまいました。一眼レフ黎明期にはレンズシャッターを採用する35mm判一眼レフも数多くありましたが、現在のデジタル一眼レフで採用されている機種はありません。

一方のフォーカルプレーンシャッターは幕側、やスリット幅の調整だけで簡単に速度変更ができ、比較的内部機構が簡単なため、レンズシャッター開発より以前から使用されていました。レンズシャッターと違い、フォーカルプレーンは撮像素子(フィルム)の直前を幕が走行することで露光時間を調節しています。幕の種類は布、金属に分かれ、幕の動き方も縦走り、横走りの2つに分かれます。現在のデジタル一眼レフではこのフォーカルプレーンシャッターが採用されています。しかし最近では、撮像素子自体で受ける光の量をコントロールする電子シャッターも登場しています。まだまだ機械的な動きのフォーカルプレーンシャッターが活躍してくれていますが、電気的に露光をON、OFFするタイプの電子シャッターが今後ますます台頭してくるかも知れません。

以上簡単にシャッターの種類についてお話してみました。今でも当たり前に使われているそれらシャッターですが、原理としては明治時代、大正時代に考案された当時の製品と大きくは異なりません。今のシャッターが遅れているわけではなく、開発されていた当時、当然画期的発明であったのはもちろん、今でも通用するところをみると、あまりにも進みすぎた技術だったのかもしれません。