種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2012.02.03【Vol.049】
ミラーレス一眼、コンパクトカメラでは、光学式ファインダーが備わっていないもののほうが多いため、背面液晶、もしくは電子ビューファインダーに頼って被写体を確認することになります。一方で一眼レフにおいては光学式ファインダーは必要不可欠な機能として存在しています。またそのファインダーにおけるスペックについて、いろいろな意見が出てきます。
そもそも一眼レフカメラに見られるファインダーですが、構造を単純に見ていくと、「フォーカシングスクリーン及び視野枠」、「接眼部」「ペンタプリズムもしくはペンタミラー」があげられます。
まずフォーカシングスクリーンは、レンズを外した一眼レフを逆さまにしてミラーボックス内(マウントの内側)を見るとわかるのですが、半透明のすりガラスのようなものが見えると思います。この部分に映し出された被写体像を撮影者が確認してフレーミングを行うことができます。ただし、フォーカシングスクリーンに映し出される像は左右逆像ですので、それをペンタプリズム(ペンタミラー)によって正立正像にします。接眼部に関していえば、それら正立正像に変換され導かれた像を撮影者が見やすく拡大できるようにしたものです。また視度調整、アイピースシャッターなどもこの部分の機構に含まれます。
以上ごく単純なファインダーの仕組みを書いてみました。どんな一眼レフカメラも以上のような構造を採用しているのですが、細かい点を見ていくとそこにファインダーの性能の差が現れてきます。
たとえば簡単なところで見ていくと、ペンタプリズムとペンタミラーの違いです。ペンタプリズムはガラスを5角形の断面にカットされたプリズムです。光を内部で屈折させて接眼部へ導くのですが、レンズの開放値にもよりますが比較的明るい被写体像を得ることができます。ただし、構造がガラスブロックのため、コストがかかり、また重量がかさんでしまいます。一方ペンタミラーはいくつかの鏡を組み合わせてペンタプリズムと同様の機能を持たせたものです。鏡の組み合わせによる中空構造なのでプリズムに比べはるかに軽量化できコスト削減につながるペンタミラーは主にエントリークラスの一眼レフカメラに採用されているファインダー光学系です。ただしプリズムに比べ、鏡の反射による光が接眼部分に到着するまでの距離が長くなり、ファインダー視野が暗くそしてファインダー倍率が低下してしまいます・・・。
と、ここで「ファインダー倍率」という言葉が出てきたように、他にも「視野率」、「アイポイント」「視度」という要素(仕様)が重要になってきます。初めにも述べたファインダーにおけるスペックのことですが、それぞれまたの機会に改めて詳しく書ければと思います。