種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2012.12.07【Vol.093】
家庭用複合機の性能も大きく進歩し、A4サイズまでの大きさの高画質プリントも手軽に行えるようになりました。また、用紙のいろいろなメーカーから多種多様なものがそろい、イメージを変えたプリントも楽しめるようになったのも魅力です。
ところで、実際に自宅で写真をプリントする際、もしくはお店に注文する際、「フチなし」にするか、「フチあり」にするか考えたことはあるでしょうか。用紙いっぱいにプリントできるフチなしプリントはフチありに比べ写真がより大きく見えて迫力があります。一方、フチありは、余白(余黒)の部分が額やマット台紙のようにみえて写真が引き立ちます。L判やキャビネサイズぐらいだとあまりわかりませんが、A4や四切のように長辺が30センチ程度になるプリントだと印象が大きく変わります。ここでひとつ注意が必要です。
まず、写真の比率と用紙の比率の違いです。用紙の比率が35mm判の3:2であればいいのですがほとんどがそうではありません。お店に注文すれば3:2に近いサイズ(ワイド6切やワイド4切)があるのでフチなしノートリミングに近いプリントが得られますが、ワイド4切やサイズが近いB4サイズのインクジェットペーパーは市販ではあまり見かけることがありません。 ということは、例えば35mmフルフレームの比率3:2の写真をA4や四切の用紙を使いノートリミングで画面いっぱいに引き伸ばすと、用紙の長辺が短いため縦位置の場合上下どちらかがカットされてしまうことになります。もし気がつかずにお店にサイズ指定をせずプリントしてしまうと、上下どちらかをトリミングされたプリントが出来上がってきます。ご自宅のプリンターでも同じことで、フチなしプリントは基本的にトリミングされてでてきてしまいます。
プリントをトリミング無しで仕上げたい場合は、まずフチありに設定するのがオススメです。苦肉の策として、一回り大き目の用紙に希望のサイズをプリントし周辺をカットするという方法も考えられます。いずれにせよ、せっかく撮影したプリントを意図しないうちにトリミングされないよう、プリントする際にちょっと注意してみてください。