種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2012.12.14【Vol.094】
写真全体が歪んで写るレンズ、魚眼レンズを一度は目にされたことがあると思います。レンズの収差を極端に利用したこのレンズはは対角線魚眼と全周魚眼の2種類に分かれます。 対角線魚眼は、センサー面(フィルム面)全体に画像が歪んで写り、全周魚眼はセンサー面に円形の画像を写します。簡単に言えば、周囲が黒くけられた状態で円が画面内に写っているということです。今ではカメラに備わったデジタルフィルターを使用することで簡単に魚眼風写真をつくることもできるようになったので、身近に感じられます。
魚眼レンズは画面中心部より画面周辺部に行くにしたがって大きく歪みが出てきますので、画面内のどこに直線物を入れるかで写真の印象は大きく変わってきます。街中などでは直線的な被写体が多いでしょうから、歪みがより強調された写真が面白いでしょう。一方で遠景のあるような風景写真において超広角レンズのような使用方法も考えられます。
超広角レンズという側面をもつ魚眼レンズは、強い遠近感とパンフォーカスを生かした撮影や被写体に大きく接近してみるのも面白いでしょう。また動物の顔にぐっと近づいたデフォルメ効果を生かした写真をご覧なったかたも多いはずです。各カメラメーカー、一本はラインナップに入っている魚眼レンズですが、例を挙げればキヤノンは8mm~15mmの魚眼ズームレンズもラインナップされています。使用するボディーのセンサーサイズによって一本で全周や対角線と変化させた撮影が行える点は魅力です。ペンタックスにはわずか29gの魚眼レンズもあります。
先に述べたデジタルフィルターによる特殊効果のおかげで、通常の撮影方法とは異なる一味ちがった写真表現は人気の高いジャンルです。特殊レンズの部類には入りますが、一本持っているととても面白い遊び方が出来るレンズです。
魚眼