写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|三井公一
はじめに
撮影対象や場所によってカメラ機材を選択するように、カメラバッグも同じようにいろいろと変わってくる。バッグに入れる中身が違えば入れ物も違ってくるのだ。大量の機材を運ぶときや出し入れが頻繁なとき以外は、カメラバッグでないものを使うようにしている。その理由は高価な機材を持ち歩いているのを悟られたくなく、周りから見て「いかにも撮影!」という雰囲気を出したくないからである。
よく使用するカメラバッグ
よく使っているのがアウトドアブランド「アークテリクス」のバックパック「Miura 45」だ。もう廃盤らしいがスリムでシンプルなルックスがお気に入り。メインのコンパートメントがガバッと全開するので、機材のパッキングがとても楽チン。ファスナーの位置をサイドに持ってくれば、バッグを下ろさずに肩からかけたまま、機材の出し入れができるのでとても便利なのである。これにクッション付きのインナーバッグを挿入してカメラやレンズを持ち歩いている。
どんな機材を携行しているかというと、今回はシグマのFoveonセンサー搭載ミラーレス一眼「SIGMA sd Quattro H」に、同じくシグマのレンズ「SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art」、「SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Art」を。またニコンのフルサイズミラーレス一眼「Z 6」に「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」も。高精細に被写体を撮りたいときはシグマ、スナップや高感度はニコン、と撮り分けている。これに予備バッテリー、予備メディア、クリーニングクロス、ブロアーに加えて、アップルの「iPad mini 4」、モバイルバッテリー、ケーブル、SDカードリーダーなどガジェット系グッズを詰め込んでいる。収納したインナーボックスのさらに奥にはトラベル三脚の「マンフロット befree アドバンス カーボンT三脚キット」を詰め込む。この三脚は小型軽量なのにしっかりとしており、夜景などを撮る時に重宝している。それにプラスして簡単な風雨をしのげるウィンドブレーカーや、飲み物を入れたボトルをトップやサイドポケットに忍ばせている。これで各地をブラブラと歩き回って撮影するのが自分のスタイルだ。泊まりの場合は空いたスペースに着替えなどをパッキングする。
また「Miura」の小型バージョンとも言える「Sebring 25」も持っており、機材が少ない場合はこちらを使用することが多い。元がクライミングギア運搬用なのでしっかりとしたクッションが全面に施されており、撮影機材を入れても安心感バツグンなのである。
こだわりと収納イメージ
カメラバッグに見えない「Miura 45」。背負って歩いているとバックパッカーに間違えられることが多い
フルオープンするジッパーをサイドに持ってくれば、このようにガバッと内部にアクセスできる。インナーバッグに入れた機材を、バッグを肩から下ろすことなく出し入れ可能だ
機材を入れたインナーバッグ。撮影対象が変われば機材も変更するし、インバーバッグごと変えることもある。ときにはショルダータイプのカメラバッグを入れることもある。望遠レンズをレンズケースごと収納することも
今回は、高精細で独特の絵を叩き出す「SIGMA sd Quattro H」と、クイックな動作かつ高感度にも強い「ニコン Z 6」とレンズ類をインナーバッグに収納した。機材の下に見えるのはフルオープンした「Miura 45」である
「Miura 45」には小物入れとして使うサコッシュも忍ばせる。これは武蔵小山の名店「みやがわ」のもの。交換したレンズを一時的に入れ、スマートフォン、スナック類を入れて斜めがけにする
「Miura 45」は豊富な収納力を誇るので、この「マンフロット befree アドバンス カーボンT三脚キット」のようなトラベル三脚をケースごと丸々放り込むことが可能だ。照明を使う際にはモノブロックストロボとライトスタンド、アンブレラなども入ってしまう
上部にあるポケットには「iPad mini 4」を。最近新型が登場したが、撮影データのバックアップやクラウドにデータを保存する際に使用する。このくらいのサイズがブラブラ撮影にピッタリだと感じる
サイドからアクセスするポケットには小物類を収納。100円ショップで購入したケースに、ブロアーやクリーニングクロス、予備バッテリー、予備メディア、モバイルバッテリーや接続に使うケーブル、カードリーダーを入れている。日程によってはカメラのバッテリーチャージャーなども加わる。