フィルム撮影に挑戦しよう|注意点とオススメフィルムの紹介
はじめに
ここ数年、若い方を中心にフィルム撮影をする方が増えてきている印象を受ける。街を歩いていてもフィルムカメラを持ち歩いている方も多く、筆者のYouTubeチャンネルでフィルムに関することを配信すると想像以上の方が視聴してくれているのでフィルムでの撮影に人気があることは間違いないだろう。
筆者自身も作品作りの一部はフィルムで行うこともあるのでここ数年は様々なフィルムを使い国内、海外を撮影している。筆者は様々なフィルムカメラを所有し使用している。筆者がフリーランスになってから購入したハッセルブラッド 503CW、Rolle flex 6008、Leica MP、M3、NIKON SP、Hasselblad XPAN 、NIKON F3、NIKON FM3Aなど様々なフォーマットのカメラがある。
今回は初心者の方にも楽しんでいただきたいので最も愛用しているNIKON FM3Aを使用して撮影した作例を元にフィルムカメラの楽しみ方をご紹介しよう。
フィルム撮影に必要な物
まず、フィルム撮影に必要な物をご紹介しよう。フィルムカメラを持っていない方は近くのカメラのキタムラに行くか、カメラのキタムラのWEBページにアクセスしてネット中古をクリックしてみよう。そこからご自身の欲しいブランドで検索してみると良い。豊富な在庫があるのでお気に入りの一台が見つかるはずだ。筆者の愛用しているNIKON FM3Aは新宿・西口店で購入した。中古カメラでも保証の対象のカメラには6ヶ月保証がついており安心感がある。カメラのキタムラは全国に沢山の店舗があるのでネットで見つけた気になるカメラは店頭で受け取りできるのも魅力だ。
次にフィルムを用意する。フィルムのチョイスはとても重要でフィルムによって写りが大きく異なる。デジタルカメラでは様々な仕上がり設定が行えるのであまり気にしない方が多いが、フィルムはフィルム毎に写りが違うので最初は撮影している人の写真を沢山見て傾向を掴むかご自身で沢山試してお気に入りを見つける必要がある。昔は沢山のフィルムがあったが現在は前に比べると減っている印象だ。ただ、フィルム撮影は世界でも流行っているので新たなブランドが立ち上がるなどチョイスできるようになってきた。今回は3本の初心者にお勧めのフィルムをご紹介する予定だ。
その他にあると便利な物が露出計だ。カメラに露出計がある物は問題ないが、フルマニュアルのカメラでは露出計があれば露出決定が楽なのでオススメだ。露出計には大きく分けて2種類あり多くは入射光式だ。入射光式は遠くの被写体の明るさは測れないが人物や花など撮影者が歩いて行ける範囲であれば測光ができる。風景などを撮影する方は反射光式のスポットメーターを使うと良いだろう。露出計を使えば露出の3要素を表示してくれるのでカメラにセットするだけで適正な露出を得られるので便利だ。
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オススメフィルムの紹介
今回は3本のフィルムを用意した。
FUJICOLOR 100
ベーシックでコストパフォーマンスに優れたフィルムがFUJICLOR 100だ。ナチュラルな発色とISOが100と風景などを撮影するのに向いている。フィルムカメラによってはシャッター速度の上限が1/1000秒の物なども多いので昼間に撮影するのであれば本フィルムはオススメ。
Kodak Color Plus 200
次はKodak Color Plus 200をご紹介しよう。Kodakのフィルムは主観ではあるが温かみがあり懐かしい印象を受ける。発色も豊かでラティチュードも高い。ISO200という使いやすい。カラーは少しマゼンタよりでポートレートやテーブルフォトや風景などオールマイティに使える。
ILFORD XP2 400 BLACK & WHITE
ILFORD XP2 400 BLACK & WHITEはカラーの現像液で現像できるモノクロフィルムだ。モノクロフィルムは現像に出すと現像に少し時間が掛かるためすぐに現像したいという方にオススメのモノクロフィルム。やや温黒調のトーンが魅力で柔らかめのモノクロ表現が好きな方にオススメだ。ISO 400と汎用性のあるフィルムなので使い勝手は良い。
フィルム撮影の注意点
デジタルカメラに馴れてしまっている方はフィルムでの撮影は最初戸惑いがあるかもしれない。一度フィルムをカメラに入れるとデジタルカメラのようにISO感度は変えられないので気をつけよう。
中判カメラの場合は途中でフィルムバックを変えることができる物もあるが基本35mm版では入れ替えできない。入れたフィルムのISOは必ず覚えておくこと。デジタルカメラで36枚撮るのは簡単だが、フィルムの場合36枚撮るのも意外と時間が掛かってしまう。その為、フィルムが背面から確認できないカメラは何のフィルムを入れたのかメモをとっておこう。
飛行機に乗るときは注意
これから旅行に出かける方も増えてくるかもしれないが、高感度フィルムを使う際は注意。感度の高いフィルムの場合X線の影響を受けることがあるので注意。ISO1600まで大丈夫と書いてあってもできるだけハンドチェックしてもらおう。保安検査場に並ぶ際にフィルムだけ出しておくと安心だ。
筆者は年間に100回近く飛行機に乗るので気をつけているが、国によってはX線に通されてしまうこともある。X線からフィルムを守るバックを持っていても、不審物扱いされ基本的には中を出されることが多いので必要はない。
撮影したフィルムを現像する
撮影したフィルムは最寄りのカメラのキタムラに持っていこう。現像機のある店舗ではネガフィルムであればすぐに対応してくれる。早ければ30分〜1時間ほどで現像をしてくれる。
キタムラの現像の凄い所は追加サービスでSNS共有しやすいようにデーターを転送するサービスやネガからCDに写真をスキャンして書き込むサービスもある。近くの店舗が即日現像に対応していなくても一週間ほどで現像してくれるので時間の余裕がある方は最寄りの店舗で現像するとよいだろう。
フィルムの保存
フィルムは耐久性のあるメディアではるが高温多湿は苦手。カメラと同じように防湿庫や風通しのよい所に保管するのがベスト。ネガ保管とは別にデーター化してPCのHDDなどにバックアップしておこう。
また、デジタルカメラと違い撮影日時が分からなくなる(記録できる機種もある)こともあるので、しっかり記憶が鮮明なうちにデーターを記入しておこう。
まとめ
今回、フィルムで撮影するためのいろはをご紹介させていただいた。フィルムならではの色合いや雰囲気はどんなにデジタルカメラやソフトウエアが進化しても表現が難しい。フィルムだからこそ表現できる世界があるということも是非覚えておいていただきたい。
まだまだ、沢山のフィルムを試せる良い時代なので、是非様々なフィルムを試して思い出や作品撮影をしていただきたい。