LomoChrome Metropolis TOKYO レビュー|ワクワク感を演出するコラボフィルム
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF8.0 シャッター速度 1/1000秒
はじめに
ロモグラフィーとカメラのキタムラのコラボレーションフィルム「LomoChrome Metropolis TOKYO」が発売になった。ロモグラフィーはオーストリアの企業で様々なクリエイティブにあふれるカメラやフィルム、アクセサリーを発売している企業だ。そのクリエイティブさに惹かれて写真を始めるユーザーも沢山いるほど魅力的なメーカーだ。世界中にロモグラフィーファンが大勢いるのも納得がいく。
様々なフィルムを発売しており独特の写真が撮影できるのもロモグラフィーの魅力だ。今回ご紹介するのは「LomoChrome Metropolis」というフィルムだ。このフィルムはカメラのキタムラとコラボレーションしたバージョンがありパッケージがTOKYOバージョンになっている。世界有数の大都市である東京をモチーフにアレンジしたパッケージになっている。
今回、本フィルムを持って大都会東京を撮影すべきではあるが、自然豊かな石垣島を撮影してきた。
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF11 シャッター速度 1/250秒
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/1000秒
LomoChrome Metropolis TOKYO外観
フィルムの外装から見ていこう。一般的なフィルムのパケージは必要な情報だけが書いてあり初心者の方にとっては、イメージをし辛いかもしれない。しかし、ロモグラフィーのフィルムパッケージは作例が豊富に載っておりイメージがしやすいのが特長。今回の「LomoChrome Metropolis TOKYO」も4枚の作例が掲載されておりフィルムの特長がすぐに分かるだろう。
パッケージを空けてみるとオリジナルの缶ケースが入っている。ケースはアルミ製で高級感がある。気密性に優れ何度でも使用できるので使用後もフィルムケースとして使えるので嬉しい。アルミケースから出してみると、フィルムは紙袋に入っているのでオシャレだ。フィルムを出すだけでモチベーションが上がるのはロモグラフィーらしい。フィルムにはDXコード※がないので自分でISO設定することになるので注意が必要だ。
※DXコードとはフィルムの感度や枚数をカメラに伝達するための電気接点のこと
フィルムの感度
フィルムの感度はISO100-400で選択ができる。感度設定は所有しているカメラに露出計が内蔵されている場合などに行う。露出計が無いカメラであれば設定は必要ないが露出を計算し、単体露出計を使用する場合には単体露出計に使用するISOを設定しよう。
夏の明るい日中などはISO100、曇りなどではISO200、夜などはISO400に設定して使用すると良いだろう。当たり前のことだが、ISOは最初に設定したらデジタルカメラのように後で変更はできないので最初に設定した感度で撮りきろう。今回筆者は夏の石垣島で撮影したのでISO 100に設定して撮影している。
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF8.0 シャッター速度 1/1000秒
フィルムの特性
フィルムのカラーバランスはデイライト5500K。肉眼に近い色温度で撮影できる。フィルムの特性は直射日光下ではシャープに被写体を捉えてくれる。彩度は低めで落ち着きがある印象。暖色はグリーンやイエローのトーンになり、シャドー部は締まりが良い印象だ。青の色も少し低彩度目だがカラーシフトはあまり感じられない。
都会のように人口灯が沢山あるシーンでは光の影響を捉えやすいとのことなのでカラーシフトが好きなユーザーにはベストなフィルムと言えるだろう。露光数は一般的な35mmカメラであれば36コマ撮影できる。
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度 1/4000秒
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度 1/2000秒
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF5.6 シャッター速度 1/1000秒
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/250秒
現像
現像は一般的なカラーネガフィルムと同じC-41 で行える。カメラのキタムラであればお近くの店舗に持ち込んで現像することができる。現像機のある店舗であれば1時間あれば現像できるのですぐに結果を見られるので嬉しい。
まとめ
今回、「LomoChrome Metropolis TOKYO」を使用して感じたことは、撮影前からパッケージやアルミ製ケースなどワクワク感を演出するロモグラフィーらしい魅力が詰まっている点が撮影していて楽しかった。
また、デジタルカメラで撮影すると36枚という枚数はすぐに撮影してしまうが、フィルムで36枚撮影するとゆっくりと被写体を見極めてしっかり撮影できるので丸一日掛かってしまったのも良い思い出だ。光をしっかり読み解き、露出を決めて、仕上がりを想像しながら撮影するのはデジタルでも同じことではあるが、フィルムを使うことでより神経をとがらせて撮影できるので本当に新鮮だ。
今回は離島で撮影したが、フィルムの名前にもあるように夜の都会でも使用したい一本だと感じた。筆者も作品撮りではフィルムを使うことが増えているので、これから都会を撮影する際には積極的に作品撮りで使用してみようと感じたフィルムだった。是非、ドラマチックなカラーシフトと低彩度の絵作りが好きな方は「LomoChrome Metropolis TOKYO」を使用してみてはいかがだろうか。
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■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/2000秒