ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ!
はじめに
コストパフォーマンスが高く、今なお人気の高い「α7 III」が発売されてから約3年9か月。多くのユーザーが待っていたα7 IVが2021年12月17日に日本国内でも発売になりました。筆者は現在ソニーのフルサイズミラーレス機では、α1、α9、α7R IV、α7R III、α7Cを所有していますが、今後静止画撮影だけでなく動画撮影を増やしていこうと思っていたので、今回のα7 IVは予約開始日に予約して発売日に購入しました。それでは早速α7 IVを使って機能の進化と魅力を皆さんにお伝えしたいと思います。
進化したα7Ⅳの性能と魅力
最初にα7 IVを持った時に感じたのは、正直に言えばいつものαと変わらないというのが第一印象でした。色々変わっている部分もあるものの、全体的にボディーを持った感じはさほど変わりません。α7 IIIやα7R III、α9に比べればグリップ部分が大きくはなっていますが、α1やα7S III、α7R IVとほぼ同じ大きさなので、これらの機種を持っているユーザーにはボディーを持った時の変化は感じられないでしょう。それ故、フルサイズのαを使ってこられた方がこのα7 IVを初めて手にしても、すぐに手に馴染み撮影を楽しむ事ができると思います。
では、性能面でα7 IIIからどのように進化したのか、少し比較して確認してみたいと思います。
α7 IV(ILCE-7M4) | α7 III(ILCE-7M3) | |
カメラ有効画素数 |
約3300万画素
7008 x 4672 (33M)
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約2420万画素
6000 x 4000 (24M)
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フォーカスエリア |
ワイド
759点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
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ワイド
693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
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ISO感度 |
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
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静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
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ファインダー総ドット数 | 3,686,400 ドット | 2,359,296 ドット |
液晶モニタードット数 | 1,036,800ドット | 921,600 ドット |
手ブレ補正機能 | 5.5段 | 5.0段 |
クリエイティブルック | ST, PT, NT, VV, VV2, FL, IN, SH, BW, SE, カスタムルック1-6 |
×
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クリエイティブスタイル |
×
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スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、夜景、紅葉、白黒、セピア、スタイルボックス1-6(コントラスト<±3段階>、彩度<±3段階>、シャープネス<±3段階>) |
瞳AF |
[静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
鳥
[動画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
鳥
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[静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
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動画記録フォーマット |
XAVC HS: MPEG-H HEVC/H.265
XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
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XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264
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主な動画撮影モード |
(XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 10bit)
(XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) (XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) (XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) (XAVC S-I 4K)3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) (XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit) (XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:0, 8bit) (XAVC S-I HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit) |
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S HD) 1920 x 1080
(AVCHD) 1920 x 1080
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スロット |
SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード or CFexpress Type Aカード
SLOT2:SD (UHS-I/II対応)カード
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SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード
SLOT2:SD (UHS-II対応)カード
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連続撮影速度 |
Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
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Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
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連続撮影可能枚数 |
JPEG Lサイズ エクストラファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ ファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ スタンダード:1000枚以上
RAW:1000枚以上
RAW+JPEG:1000枚以上
RAW(非圧縮):1000枚以上
RAW(非圧縮)+JPEG:828枚
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JPEG Lサイズ エクストラファイン:約163枚
JPEG Lサイズ ファイン:約172枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約177枚
RAW:約89枚
RAW+JPEG:約79枚
RAW(非圧縮):約40枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約36枚
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静止画撮影可能枚数 |
ファインダー使用時:約520枚
液晶モニター使用時:約580枚
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ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
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質量(本体のみ) | 約573g | 約565g |
α7 IVは画素数のアップ、高精度な像面位相差AF対応センサーの採用により位相差測距点が759点と高密度に配置されたことでAF精度が向上し、フラッグシップモデルのα1やα7S IIIで採用された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載した効果がとてもよくあらわれています。「BIONZ XR」の搭載により、システムへの負荷が高い状況でも、様々な処理を同時にスムーズに実行し、AFおよび顔/瞳検出の速度・精度向上を実現できています。4K 60pの動画記録などの膨大な映像データ処理、EVF表示やメニュー操作におけるレスポンス向上、「CFexpress Type A」メモリーカードへの高速書き出し性能など、α1やα7S IIIで実現した多くの機能や性能をスタンダード機であるα7 IVでも可能になっている事は、一番大きな進化であり魅力であると感じます。
ただ、α7 IVの魅力を最大限に引き出すには「CFexpress Type A」メモリーカードを使用する前提があります。通常のスナップや風景撮影などは必要ありませんが、動画撮影やスポーツ、動物、鳥などの撮影などで連写する場合は、より高速でメディアに書き込みできる「CFexpress Type A」メモリーカードがあると「鬼に金棒」って感じになります。実際に連写を続けてみると、メディアの容量が一杯になるまで最高速度で連写が可能です。書き込み速度の遅いSDカードを使用して連写すると、書き込み速度が追い付かなくなり、すぐに連写速度が落ちてしまいます。撮影するシーン、使用用途によっては使用するメディアに注意が必要です。
α7 IVのメディアスロットは2スロット仕様。スロット1(上)は、SDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに加え、CFexpress Type Aメモリーカードに対応しています。スロット2(下)はSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに対応しています。動画撮影や静止画連写する時はCFexpress Type Aメモリーカードを使用するなど、記録メディアの選択や細かな振り分け設定などが可能になっていますので、上手く撮影する内容で使い分けをしたいところです。
■CFexpress Type Aカードで連写
「CFexpress Type A」メモリーカード(最大書込速度700MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。
【結果】314枚連写で平均連写枚数は8枚/秒。 ※ライブビュー方式では最高約8コマ/秒。
■SDカードで連写
サンディスクSDメモリーカード(最大書込速度90MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。
【結果】最初は秒8コマの撮影が可能であったが、3秒経過ほどで書き込み速度が追い付かず急速に連写速度が低下し2コマ/秒程度に。90枚連写で平均連写枚数は2.5枚/秒という結果になった。
オートフォーカスでは従来の瞳AF(人物)と(動物)にプラスして(鳥)の瞳AFが追加され、鳥を撮影するユーザーにとって嬉しい機能アップになっています。動物園ではありますが、実際にどの様に瞳AF(鳥)が作動するか確認してみました。
途中、瞳AF(動物)に切り替えてみましたが、(動物)ではAFは外れ(鳥)に戻すとすぐにしっかり目にピントが合う事が確認できました。鳥の大きさやレンズの焦点距離、撮影環境によって動作が変動すると思いますが、鳥を撮影するユーザーにとって非常に便利な機能であることは間違いないと思います。
従来からある機能の瞳AF(動物)も瞳認識精度が向上したという事で、我が家の猫で試してみました。
従来のものと同条件での比較ができないので精度の向上という点での評価は難しいのですが、撮影していて瞳AF(動物)の効果に改めて感心させられました。ペットを飼っているユーザーには欠かせないオートフォーカスの機能ですね。
α7 IIIからメニュー表示が大きく変わった部分もポイントです。α1、α7S IIIと同じメニュー表示に変わっています。筆者は既にα1を使用しているので、α7 IVを初めて使っても難なく使いこなす事が可能でしたが、α7 IIIなどを使っているユーザーが初めてα7 IVを使うとメニュー設定で戸惑うことが多いのではないでしょうか。
最初は、設定したい項目を探すのに苦労するかもしれません。コツとしては、「☆」マイメニューがメニューの一番最初に出てくるので、よく変更に使う項目をマイメニューに登録しておく事で、素早く変更したい項目を探す事が可能になります。また「Fn」キーに表示される項目を一番よく使う項目に入れ替えてカスタマイズするのがベストでしょう。
今回のα7 IVでは、新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、「Fn」キーに登録されている表示を「静止画」と「動画」で分けて使うことが可能になっています。
この[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、静止画/動画/S&Qごとの露出モード選択も、モードダイヤルを回すだけで簡単に設定できるようになりました。また、従来の機種にあった露出補正ダイヤルの代わりに、自由に機能を割り当てられる後ダイヤルRを搭載。後ダイヤルL同様にカスタマイズが可能で、静止画撮影時と動画撮影時のそれぞれに、別々の機能をアサインできるようになり、より自由度の高いカスタマイズが可能になりました。
メニュー以外にも大きく変わった点があります。従来のクリエイティブスタイルに替わりα1、α7S IIIと同じクリエイティブルックが導入されています。撮影する静止画・動画を思い通りの雰囲気に仕上げることができるクリエイティブルックは、全10種類のモードがカメラ内にプリセットされています。
クリエイティブルック
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効果
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ST | 被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。 |
PT | 肌をより柔らかに再現する。人物の撮影に適している。 |
NT | 彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現する。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも適している。 |
VV | 彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現する。 |
VV2 | 明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上がる。 |
FL | 落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上がる。 |
IN | コントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる。 |
SH | 透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に仕上がる。 |
BW | 白黒のモノトーンで表現する。 |
SE | セピア色のモノトーンで表現する。 |
従来のクリエイティブスタイルよりも、数は減り日本語表示も無くなっているので少し分かりにくくなっているかもしれませんが、色味の変化は設定項目を変えることで見た目が変化するので直感的に分かります。これは使っているうちにすぐ慣れると思います。
筆者もまだα7 IVを使いこなせていない部分もありますが、撮影するのに関して十分に満足できるカメラだと思います。完全に使いこなすには、メニュー項目の把握とよく使う項目のカスタマイズがどれだけできるかが鍵になると思います。
実際にデフォルト状態で使っていてよく失敗したのが、カメラ上部にある録画ボタンでした。従来の機種であれば、「C1」ボタンがある場所です。α7 IVでは従来機種と違って「C1」ボタンと録画ボタンの場所が入れ替わっています。筆者は「C1」ボタンにクロップ切替を入れているのですが、静止画撮影の時にクロップするつもりが何回も動画録画を開始させていました(笑)。従来機と並行してα7 IVを使用する場合は、ボタンの割り当てメニューを変更した方がミスが減ると思います。
背面液晶はバリアングル液晶モニターが採用されており、α7 IVは動画撮影ユーザーもターゲットにした機種という事が分かります。タッチパネルによる操作性は良く、静止画・動画撮影においてタッチ操作によるトラッキングが非常に楽になっています。
α7 IVには電源OFF時にシャッターを閉じる機能も追加されています。これによってレンズ交換時に起きやすいセンサーへのゴミやホコリの付着が軽減されます。従来のα7 IIIはこの機能がなかった為、レンズ交換の際にかなり気を使っているユーザーも多いと思います。電源OFF時にシャッターが閉じてセンサーを保護してくれるので、ホコリやゴミ付着に悩まされていたユーザーにとって非常にありがたい機能追加です。
静止画の画素数アップ、動画撮影機能アップ、瞳オートフォーカスの性能アップととても魅力的な進化を遂げたα7 IVは、スタンダード機の枠を超えたカメラであることは間違いないと思います。
業務機に迫る動画撮影機能
α7 IVはスタンダード機でありながら動画撮影がかなり強化されたモデルです。動画でも瞳AF(人物)はもちろん、(動物)と(鳥)にも対応し、ミラーレスカメラでの動画撮影の敷居をぐっと下げてくれます。
早速、筆者が飼っている猫で動画を撮影して、その性能を確認してみました。実際にリアルタイム瞳AF(動物)で動画撮影時の挙動を、α7 IVのHDMI出力したものをキャプチャーしてみました。
的確に猫の瞳を捉え続けているのがよく分かると思います。α7 IIIでは静止画は瞳AF(動物)に対応していたものの、動画には対応していませんでした。α7 IVは動画でも瞳AF(動物)に対応し、ペットを飼っているユーザーにとって魅力的な機能アップになっています。筆者にとってもα7 IVを購入するポイント一つになりました。ただ、4K30pで撮影する場合は問題ありませんが、4K60pで撮影する場合は1.5倍にクロップされるので、60pをメインで撮影する人は広角側が厳しくなるので、レンズのセレクトに注意が必要です。
α7 IVではよくある30分の録画時間制限は無く、長時間の動画撮影が可能です。しかし、デフォルトの状態では温度制限がかかっているので、撮影環境によっては設定を変更しておかないと温度警告マークが表示され、強制的に使用できなくなる場合があります。長時間撮影が予測される場合などは、あらかじめメニューから設定を変更しておく必要があります。
α7 IVでは動画撮影できるフォーマットも拡充され、色情報の豊富な4:2:2 10bitでも撮影できます。しかし、編集できるソフトの制限もあるので、動画撮影の際のフォーマットや撮影モードは使用している編集ソフトに対応しているか、事前によく確認した方がよいでしょう。今回の作例に関しては、XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) モードをメインで撮影しています。いくら高画質で撮影しても、編集ソフトが対応していないと撮りっぱなしになってしまいます。α7 IVを購入したユーザーは一度パソコンを含めた編集環境を見直した方が良い場合もあるかも知れません。筆者も4K動画を編集するのにパソコンのスペックに不満がでてきているので、この後にパソコン・ソフトを含めて環境の見直しを実施する計画です。
α7 IVの動画性能を確認にするために、愛知県稲沢市を本拠地に活動している女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」の練習にお邪魔していろいろなシーンを撮影させて頂きました。
瞳AF(人物)をオンの状態で、レンズは「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を使用しました。60pモードで撮影しているので、1.5倍にクロップされ焦点距離は105m-300mm相当の画角になります。ファインダー上では、左下「人物マークAF ON」が瞳AF、右下の四角い点線と実線枠がクロップを意味しています。下の動画でもドリブルでカメラに向かってくる選手にしっかりとピントを合わせ続けているのが分かると思います。
FE 20mm F1.8を付けたα7 IVをハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」に装着して、選手のドリブルに並走してみたり、カメラに向かってドリブルをしてもらい背走したりしながら撮影。迫力ある映像を撮影する為に、ジンバルに装着したα7 IVをローアングルポジションで撮影しています。
α7 IVには高性能手ブレ補正「アクティブモード」も搭載されていて、手持ちでの撮影でもかなり手ブレを抑えた動画撮影が可能になっています。しかし、本格的に動画撮影をするのであれば、三脚+ビデオ雲台やハンドヘルドジンバルなどを使用する事をおすすめします。特にハンドヘルドジンバルは、圧倒的にブレを抑えてくれスムーズな滑らかな映像制作の手助けをしてくれます。
新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、個別の設定とスムーズな変更がしやすくなった為、スロー&クイックの撮影が非常にしやすくなり、印象的な映像表現がしやすくなりました。4K解像度で最大2.5倍のなめらかなスローモーション(音声記録不可)ができるようなっています。スローやクイック動画撮影するには、【記録設定】と【フレームレート】の組み合わせで設定します。
この場合、フレームレート120fps・30pの設定なので、4倍スローの動画が撮影されます。ファインダー左上部に「4倍スロー」の表示が出ています。実際のデータが下の動画になります。
スポーツや動きのある被写体を動画撮影する際には、スロー撮影はとても印象的な映像になるので積極的に使ってみたい機能です。
さらにα7 IVには、新しい「フォーカスマップ」という機能が追加されています。「フォーカスマップ」は動画撮影時の被写界深度を可視化する機能で、フォーカス情報(深度マップ)を、ライブビューの実映像にリアルタイムに重ね合わせることで、ピントの合っている範囲と合っていない範囲を視覚的かつ直感的に画面上で表示してくれます。
他にもα7 IVにはスタンダード機でありながら、FX9、FX6、FX3などのCinema Lineで好評な、肌色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載。S-Log2およびシャドウからミッドトーン(18%グレー)にかけての階調特性を重視したS-Log3も搭載されており、業務用カメラと合わせた撮影、編集がさらに容易になっています。
また魅力的な機能の一つとして、動画撮影中のフォーカス時に起こるフォーカスブリージング(フォーカスレンズ位置の変化に伴う画角変動)現象を最小化するブリージング補正機能をαシリーズで初めて搭載しています。
とてもスタンダード機とは思えないハイスペックな機能が搭載されていて、撮影が今まで以上に簡単できる面もありつつ、α7 IVの機能を引き出して使いこなす為にはユーザー側もいろいろと勉強をしなければならないカメラだと感じます。私もまだまだα7 IVのすべてを使いこなせていません…。
正常進化したα7 IVの静止画撮影機能
α7 IVの静止画のおいては、α7 IIIから画素数アップしたことによりトリミング耐性が強くなりました。クロップ撮影した場合でも、4608x3072ピクセル(約1400万画素程度)残る為、従来のα7 IIIのクロップ撮影よりも使いやすくなったと思います。
画素数アップによる高感度のノイズの問題をよく聞きますが、個人的にはISO6400ぐらいまでは実用的に問題なく使用できるレベルです。
連写性能に関してはα7 IIIと同等。メカ・電子シャッターともに最大約10コマ/秒の連写性能。電子シャッターにおいてはローリング現象が発生することもありますので、私は動きの多い被写体では基本はメカシャッターで撮影していました。
実際のオートフォーカスの挙動及び連写の動きは、こちらのファインダー情報動画を参考にしてみてください。
瞳AF(鳥)は細かい枝が多いシーンなどでは、とても有効なオートフォーカスです。通常のオートフォーカスであれば、手前の枝にピントが合うようなシーンですが、α7 IVの瞳AF(鳥)は的確に鳥の瞳にピントを合わせてくれました。
様々な静止画・動画のプロからのフィードバックを反映し、従来機α7 IIIよりもさらに防塵・防滴に配慮されているα7 IVは、雨の日でも積極的に撮影できる安心感が増しています。防塵防滴のレンズとの組み合わせで、雨の日のスナップも安心して撮影できますね。
まとめ
今回は動画をメインにレビューをしましたが、静止画も動画もどちらも満足できるハイブリッドなスタンダード機という事が実感できました。静止画撮影だけでなく、これから動画撮影もチャレンジしていきたいユーザーにピッタリのカメラではないでしょうか。ただ、このα7 IVはそのまま使うのではなく、カスタマイズしてこそ本当の性能を発揮できるカメラです。短期間ではなかなかカスタマイズも上手くいかないかも知れませんが、使い込んでいく程ユーザーにマッチした仕上がりになる楽しいカメラではないでしょうか。
■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)
https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます
■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典
https://www.kitamura.jp/shasha/article/485344549/
■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ
https://www.kitamura.jp/shasha/article/485650113/
■ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル
https://www.kitamura.jp/shasha/article/484754618/