#『感光写真は表現の一部』|フィルムカメラの魅力 国分真央
はじめに
こんにちは。国分真央です。
フィルムカメラの連載も4回目になりますね!
今回は感光写真についてと、表現の仕方を説明したいと思います。やり方は独学ですが、何百というフィルムを実験していった成果(?)として、今回は35mmフィルムカメラで研究した結果をお話ししたいと思います。
※ただしフィルムカメラの感光の表現はかなりリスキーな点も多いので、挑戦してみたい!という方向けとして、今回はご紹介していきたいと思います。
感光写真は失敗と思われがち
まず感光写真は、堅実にフィルム写真を撮られてきた方には「失敗」と思われてしまうかもしれません。
実際に私も16歳の時に初めてフィルムカメラで撮った時にそう思いました(その頃は中判カメラを使っていたので余計にそう感じたのかもしれません…)。
しかしフィルムカメラと付き合っていく中で、逆にこれが面白いんじゃないかと考える様になりました。
失敗と試行錯誤を繰り返す日々
上の2枚の写真は今回失敗例として見ていただけたらと思います。
そもそも感光写真を意図的に作り出すには、フィルムカメラの裏蓋を開けて光を少し入れることになります。
パカッと盛大に開けるのではなく、ほんの数ミリそ~っと開くような感覚で開けます。しかし開けすぎると、光の強さによっては写真が真っ赤や真っ白になってしまいます。
この2枚は、薄く全体的に感光しており、シルエットは残っているものの被写体が曖昧になってしまいました。今となってはこれも「味」として見ることができますが、私の好きな写真の優先順位としては低めの写真となります。
ようやく加減が分かってきた時
私の個人的な経験則なのですが、雨の日や曇りの日は光が弱いため、柔らかく感光されることが分かってきました。
またよく聞かれることとして、感光をさせるタイミングがありますが、フィルムを全て撮った後に感光をしていくのではなく(その方法もありますが)私のやり方は1枚1枚撮った後に裏蓋をそ~っと少しだけ開けて、感光させています。
1枚1枚撮った写真に「この写真は感光させよう」とイメージをもって光を入れているのです。
※カメラによっては裏蓋を開けた瞬間、フィルムカウンターが1に戻ったり、コンパクトカメラに関しては、種類によって自動巻きの場合は巻き戻ってしまう場合があるので注意が必要です。カウンターが戻ってしまった際には何枚目に撮ったかを記憶しておいて、1本撮り終わるようにしています(といいつつも私はカウンターの枚数をよく忘れるので、いつも撮影の時に何本か予備にフィルムを持っていきます!笑)。
ポートレートにも取り入れてみる楽しさ
先述でもお伝えした通り、霧などや雨、曇りの日の条件を使って、うまく白い感光を取り入れることが出来ました。
赤い感光と白い感光の差は何なのか、私もまだ模索中ですが…思いつくこととしては「裏蓋を開けるタイミング」「その日の温度や湿度」が関係しているのかなあと思っています(差が分かる方は是非教えていただけたら嬉しいです!)。
そんな試行錯誤を繰り返し、感光にある程度慣れてきた頃には、ポートレートでも臆することなく挑戦する様になりました。
ただ私も毎回成功するわけではないので、今でもとても難しい挑戦であることは間違いないです。
まとめ
ここまで感光写真について注意点を加えつつお話ししてきました。ただ、現像に出す際に感光が強く入っているとフィルムをカットしてもらえなかったり(感光によって切る境目が分からなくなる)するので、自己責任で行う様にしてください!
あと、実は少し前に感光写真のことについてTwitterで詳しく呟いた時に、あるラボさんに「国分さんの様に感光させてください」というオーダーが殺到してしまったらしく…(反省)。ラボさんが感光をさせることは出来ませんので、そういったオーダーはしないでくださいね!
私も毎回感光写真を作るわけではないですが、フィルム1本のうちの何枚か挑戦してみたい方は是非参考になれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました!
■写真家:国分真央
東京都出身/写真家。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に山梨県に移住し関東を中心に活動。美しい色合いと自然が溶け込む様な写真が特徴的であり、独特な色合いが特徴的な世界観を確立させている。書籍や広告写真、CDジャケット等活動は多岐に渡り、近年はフィルム写真での活動も幅広く活動中。
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