写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|齋藤朱門
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はじめに
筆者は風景撮影が専門だが、撮影地までは軽いハイキング程度の移動の場合もあれば、本格的な登山をする場合もあるため、カメラバッグは基本的にバックパックタイプを使っている。機材量や目的地によって使用するカメラバッグを変更することも多いが、今回は最近の使用頻度が高いf-stopのAJNA DuraDiamondと、このカメラバッグを使用する時の中身を紹介する。
よく使用するカメラバッグ
f-stop AJNA DuraDiamondはMountainシリーズの中でも小さいサイズのカメラバッグになる。個人的にf-stopのバックパックはお気に入りで、かれこれ何年間もf-stopのいくつかサイズ違いのモデルを用途やシチュエーションによって使い分けている。
個人的にバックパックタイプのカメラバッグを選ぶ重要なポイントの一つが、背面に接する部分が開くこと。というのも、状況によっては泥などの汚れた地面にカメラバッグを置くことも多いため、背負った際に背中側が汚れてしまうことがない。また、ウェストベルトをうまく使えば、地面に置くことなくクルッと回して、カメラバッグを地面に置かずとも機材にアクセス可能なことも利点。
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こだわりと収納イメージ
f-stopのカメラバッグの場合、このカメラバッグの大きな特徴であるICU(インターナルカメラユニット)と呼ばれるインナーバッグを使ってカメラボディやレンズ類を収納することになる。ICU単体でも使用可能なので、機材だけを車に積んでおきたい場合にも便利だ。また、より本格的な登山用ザックを使いたい場合も、ICUを使えば機材はそのままで簡単に機材を入れ替えることができる。
ICUは大小さまざまなサイズがあり、使用する機材量に合わせて選択することになる。筆者の場合はこのAJNAに対してはミディアムサイズのICUを使っている。AJNAとミディアムサイズICUの組み合わせであれば、上部のスペースをより広く確保できる。
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新デザインのDuraDiamondシリーズから背面蓋の裏に多くのポケットが追加された。小さいポケットや透明なポケットがあるので、メモリーカードやレリーズなど細かいアクセサリーを格納するのに便利に使うことができる。
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小さめのICUを組み合わせることで、上面にスペースをつくることができる。ここにはフィルターセットや工具、ワイプなどを入れたポーチをいれたり、ハードシェル、レインジャケット等の着替えを入れたりもできる。
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最上面のポケットにはライトや熊鈴、手袋など比較的にすぐに取り出して使うものを収納している。
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上部の蓋の内側にも小物類を入れられるポケットが付いている。 スマホを三脚に固定するグッズやレンズワイプなどを入れている。
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移動中にアクセスしやすい外側のポケットも広く、さまざまな用途に使うことが可能だ。筆者の場合は主に防寒着等を入れるために使っている。撮影地で急に冷え込むことも多いので、ダウンジャケットやネックウォーマーなどの防寒着を入れている。
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サイドポケット内にはネットのポケットがあり、細かいものを入れても下まで落ちることがなく取り出しやすくなっている。サイドポケット周りのベルトを緩めれば、ペットボトルも入るほどの広さがある。筆者の場合はこのポケットには予備バッテリーやレールを入れている。
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収納機材
現在このカメラバッグに収納している機材の主なものは下記のとおり。
● Sony ILCE-7RM4
● Sony FE PZ 16-35mm F4 G
● Sony FE 20mm F1.8 G
● Sony FE 24-70mm F2.8 GM II
● TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD
● Cokin NXランドスケープキット
● PolarPro CPL filter
● NITECORE BlowerBaby
● スペアバッテリーx4
● 工具類
● CPLフィルター、VNDフィルター、ステップアップリング等
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お気に入りのアクセサリー
最近のお気に入りのアクセサリーがNITECOREのBlowerBabyだ。充電式のブロワーで、通常の手動のブロワーと比較してかなり強力な風量でゴミを飛ばしてくれる。また、通常のブロワーの場合は空気中のゴミを吸って逆に吹き付けてしまう場合もあるが、このBlowerBabyは交換可能なフィルターを通した空気を吹き付けるので、その心配もない。BlowerBabyのおかげで、センサーやレンズに付着したゴミを取る作業が格段に楽になった。強力な風力で今までは取りにくかったセンサーゴミも簡単に飛ばしてくれる。
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■写真家:齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。