#『フレア/ゴーストをうまく取り入れて表現の幅を広げよう』|フィルムカメラの魅力 国分真央
はじめに
皆様こんにちは!国分です。
すっかり季節も秋めいて、肌寒く感じられる日も増えてきましたね。
今回はオールドレンズの代名詞、「フレア・ゴースト」の現象を上手く取り入れて表現していこうという回になります。
また、オールドレンズを持っていない方や環境的に「フレア・ゴーストが写らなかった・難しい」という方にも、擬似的に取り入れられそうなおすすめのアイテムなど、写真付きでご紹介いたします。
表現の幅を広げたい方は是非取り入れてみてください!
フレア・ゴーストとは一体?
現行レンズでも撮り方次第ではフレア・ゴーストは生まれるものですが、現象としてはレンズ内部でレンズ表面に光が反射して映り込んだり、再反射することを指します。
写真では円形の輪のように現れたり、斜光のような形をすることが多いです。
特にオールドレンズで起こりやすい現象で、当時は「写らない方が優れている」とされているものでした。
しかしながら時代が進むにつれ、昨今では現行のデジタルカメラのボディにあえてマウントアダプターを使用し、オールドレンズを使ってフレア・ゴーストを楽しむ方も増えているように感じます。
今回はフィルムカメラで撮影した作例ですが、そういった使い方もできますので是非!
フレア・ゴーストは綺麗に写るというよりドラマチックな演出をさせてくれると感じています。
ポートレートと組み合わせて
もうオールドレンズを持っているよ、という方は早速試してみましょう!
季節問わず光を取り入れれば写りはするのですが、特におすすめの時期は、今の季節”秋”シーズンはとてもおすすめです!
私の経験値ですが、フレアやゴーストはレンズのコーティングにもよりますが暖色寄りに写るものが多いのかなと感じており、秋の西陽などを狙うとさらに季節感や雰囲気を演出してくれると思います。
設定としては基本的に絞り開放で撮影します。
構図は、逆光がモデルさんに被らないようにズラして撮影すると良いでしょう。
特にこの2枚目のASAHI PENTAX SPで使っているSuper Takumar 50mm f1.4は、私が所有するレンズの中でもフレアやゴーストが出やすい印象です。
※撮影時にはあまり太陽を直視しないように気をつけましょう!
またSuper Takumar は発売時期のレンズによっては放射線物質が微量出ますので保管方法をお調べの上、適切に所有してください。
コンパクトフィルムカメラでも楽しむ
必ずしも一眼レフだけで楽しめる訳ではなく、コンパクトフィルムカメラでも写すことは可能です。
ただ機種にもよりますが、ファインダーにはそのまま映るわけではないので、光の写り具合や構図が決めづらく、現像してからのお楽しみとして待つことが多いです。
コンパクトフィルムカメラは絞り固定されていることが多いですが、撮り方は先程と同じく光源に向かって逆光で撮ります。
環境の反射を利用して狙ってみる
光+被写体でも、必ずしも光源は太陽光とは決まっていませんので、こうした身近な反射を利用するのも良いと思います。
車のライトや、鏡に反射した朝の光、街灯などもゴーストやフレアを生み出せる場合があります。
ただ夜撮影の場合は手ブレなどにも気をつけてください!ゆっくり撮れそうな方は三脚なども使用するとより良いでしょう。
フレアやゴーストっぽいものを生み出せるアイテム
もしフレアやゴーストを疑似的に取り入れたい方はアイテムを使用しても良いと思います。
写真は実際私が使っているものをお見せしてみました!
光の屈折を利用して、こうしたクリスタルっぽいものやガラス製品を前ボケとして使うことで、フレアやゴーストぽっく写すことも可能になります。カメラを構えながら前ボケに使うのは少しコツがいりますが、慣れれば好きなタイミングで使えることもメリットです。
蚤の市でシャンデリアのパーツが売っていたので今もたまに使います。
もちろんデジタルカメラでも有用です。レンズやフィルターを傷つけないように気をつけながらチャレンジしてみてくださいね!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はフレア・ゴーストを取り入れるお話でした。
また最後に紹介したアイテムを利用して「それっぽく」使ってみるのもおすすめです!
それでは!
■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。