#『ハーフカメラの時代到来!』|フィルムカメラの魅力 国分真央
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はじめに
こんにちは。国分真央です。
今年最後は、ずっと書きたかったハーフカメラについての記事にしました!
フィルムカメラやフィルム自体が高くなっている昨今、現像代もそこまで高くなく、倍の枚数を撮れるハーフカメラは魅力的ですよね。人気も高まってきている中、今回はハーフカメラの楽しみ方について書かせていただきます!
「手軽」だから、できること
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■フィルム:Kodak Ektar 100
銀杏が映える公園を撮影しました。肩肘張らずそのままの目線を撮った瞬間です。
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■フィルム:Cinestill 800T
夏の何気ないひと時。紫陽花を撮ったことで季節感が増しました。
まずハーフカメラを手に入れると、手軽に日常の写真を撮りたくなるのは私だけでしょうか。
日々作品性のある写真を撮っていく中で、私にとってハーフカメラで撮る写真はホッとするようなひと時です。こういった日常にある何気ない瞬間を”作品”というよりは”記録”として気軽に撮れるのも魅力の1つだと思います。
パッと見、人に見せられる様な目立つ写真ではなくとも、時間を置いてまた見返すと味わいが増して見えたり、新しい発見があったり。その時の景色や音や風の匂いなど、色んなことが思い出されます。
お散歩にも持っていく一番の相棒
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■フィルム:Cinestill 800T
家のすぐ近くの桜並木まで、自転車を走らせて撮りました。
使用したフィルムとの相性がよく懐古的な印象に。
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■フィルム:Kodak Ektar 100
夏雲の輪郭と、光が顔を出した瞬間を捉えました。
ハーフカメラの良さはいくつもあるのですが、その中でも軽さ・コンパクトさが最大の魅力です。OLYMPUS PEN Fの様な一眼形式のハーフカメラは一眼レフを使う様な扱いになるので、また使用感も変わっていきますが、私が作例で使っているカメラは軽い・小さいのでサブカメラとしての役割も。
散歩をしようと思った時に、女性用のお洋服でもポケットに入るのがとても嬉しいです。前述の様に、手軽に日常を撮れるのは軽量なカメラであるがゆえもあると思います。
また花や空といったシンプルな被写体は、次に並ぶ写真との変化を持たせています。作例にもある通り、私は2in1で現像してもらうことが多いので同じ様に変化を付けたい方は、是非色んな角度で撮影してみてください。
2in1の有用性
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■フィルム:Kodak ultramax 400
人と人との、流れるようなかすかな動き。
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■フィルム:Kodak PORTRA 400
■モデル:@meiyue7702
同じ被写体を撮影する時は距離やポーズの変化を意識しています。
ハーフカメラで1枚1枚現像を頼んでいる方はごめんなさい!今回はこのまま2in1現像を推させてください(笑)。風景でも違う角度で撮影してみようというお話でしたが、ポートレートにも同ことが言えると私は考えています。
2in1で現像をすると”写真の動き”を感じて、いつもこの形式でお願いしているのですが、理由は恐らく写真と写真の間にある黒い線(コマの隙間)が焼かれているからだと思っています。この線があることによって、昔の映画のようなコマが進んでいく動きのある印象を作ることができると思っています。
写真1枚だけでは伝わらない、モデルさんの前後の動きや空気感を出すためにも、2枚で1枚の写真を写すことが私は好きです。
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■フィルム:Lomography Color Negative 35mm ISO 400
2in1を意識してポートレートを撮る時、上の写真のようにモデルさん自体に変化をつけるのも良いのですが、モデルさんを写した後に例えばこういった手や影など、撮影場所周辺のもので変化をつけるのも楽しいですね。
人を写した後に、その周辺で人ではなく”身近にあるもの”でもう1枚撮れば、露光や影の具合、色味などに統一感が出るのでまとまりも出ます。私のお気に入りの撮り方です。
もしくはアイテム(小道具)などがあれば、2枚目はそれを撮るのも良いと思います!この記事の1番最初の写真もポートレート+小道具を撮影しています。日常感ではなく作品性を出したい!という方は是非トライしてみてください。
現像してからのお楽しみ。感光もできます
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■フィルム:Lomography Color Negative 35mm ISO 400
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■フィルム:Lomography Color Negative 35mm ISO 400
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■フィルム:Lomography Color Negative 35mm ISO 400
あまり強くおすすめしないのですが、遊び心が欲しい方や感光写真を撮るのに慣れてきた方向けに、作例の様にハーフカメラで感光もできます。以前、感光写真についての記事も書かせていただいたのですが、作り上げるには何点か注意が必要です。
自動巻きのハーフカメラには難しいですが、私の使用しているOLYMPUSPEN EESのような自分でフィルムを送るタイプであれば感光写真は可能です。唯一無二の写真が撮れるので、試してみたい方は是非。
まとめ
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いかがでしたでしょうか。今回はハーフカメラの楽しみ方について書かせていただきました。
装填したフィルムの倍の枚数が撮れるのでお財布にも優しいですし、なによりコンパクトさもあって手軽に撮れるカメラの1つだと思います。今年の記事はこちらで最後になります。皆様良いお年をお迎え下さい!
■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。