ゆるふわ写真家むらいさちの、ひまわり撮影術♪

むらいさち
ゆるふわ写真家むらいさちの、ひまわり撮影術♪

はじめに

みなさんこんにちは! ゆるふわ写真家のむらいさちです。

いやー暑い暑い・・・、夏がやってきました!
僕は短パンTシャツで過ごせる夏が大好きです♪ できるだけ服は着たくない派(笑)

そして、この暑い夏が大好きなお花がありますよね? そうです、ひまわりですね。
見ていると元気をもらえるひまわり、夏に撮りたい被写体のひとつだと思います。

そんなひまわりの撮影ポイントなどを、今回はお話しできればと思っています。
これを読んで、ぜひひまわりの撮影に行ってみてほしいです。

今回は、僕が毎年通っている大好きなフィールド、広島県世羅町にある、「世羅高原農場」さんの協力を得て撮影した作品をご紹介。65,000平方メートルという広大な敷地にひまわりが咲き並ぶその光景は圧巻です! そして今回は特別に夜のひまわり畑でも撮影させていただきました。そちらもどうぞお楽しみに。

とにかく気持ちよく撮ってみる

お花の写真全般にいえますが、「同じような写真しか写せない」、というお話はよく聞きます。確かに、お花自体はどこでも同じです。変化を出すには、その場所の特徴を生かして撮影することを意識するとよいと思います。とうぜんその場所によって植え方、種類、環境が違います。

今回の世羅高原農場さんは、「山の上にあり背景に人工物が写らない」、「とにかく広大!」という特徴があるので、それを生かして撮影してみました。まず撮影する前にどのような状態で咲いているひまわりなのか? そこを理解してから撮影してみると良いと思います。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 11-20mm F2.8 Di III-A RXD
■撮影環境:16mm・F7.1・ 1/250・ ISO640
とても気持ちの良い天気と、どこまでも続くひまわりを表現。雲がワンちゃんに見えますよ。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F7.1・1/400・ISO200
余計なものを入れずに、ひまわりだけで画面を埋めることで量の多さを表現しました。

人を入れてアクセントをつけてみる

広大なひまわり畑を写真で表現するのは意外と難しいものですが、そこに比較対象物を入れることでその広さを表現することもできます。それが人を入れることです。誰もが理解できる大きさの人を入れることで、ひまわり畑の広大さを表現します。さらに単調になりがちな写真にアクセントをつけることもできます。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:60mm・F4.5・1/800・ISO640
広大に見えますよね? 人が入ることでアクセントになり作品になります。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF90mmF2 R LM WR
■撮影環境:90mm・F2・1/2700・ISO640
ひまわり畑にまっすぐ伸びる道、空への抜け感も最高。そこに人を入れるとインパクトが出ますね。見ていると行きたくなりますね。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF90mmF2 R LM WR
■撮影環境:90mm・F2・1/2900・ISO640
同じ構図であえてピントを外すだけで、印象がまた変わります。あの暑かった夏の日、という感じでしょうか。

広角に飽きたら望遠で

広大なひまわり畑、やっぱり広角で気持よく切り取りたい! と、僕も思います。しかし撮影しているとだんだんマンネリ化してきて、どう撮ってよいか分からなくなってきます・・・。そんなとき、気持ちを切り替える意味も込めてレンズを変えるようにしています。そうすると、同じ花畑でも全く違う表情を見せてくれますよ。

ですので、撮影に行くとき僕はいろいろな種類のレンズを持って歩いていますし、よくレンズを交換するほうだと思います。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 150-500mm F5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:500mm・F6.7・1/500・ISO640
500mmの超望遠レンズで被写体を圧縮効果を使い、主役を浮かび上がらせます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF90mmF2 R LM WR
■撮影環境:90mm・F2・1/750・ISO640
背景の玉ボケがきれいだったので、それを生かして背の高いひまわりを主役に撮影してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 150-500mm F5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:277mm・F5.6・1/400・ISO1250
白ひまわりの中に、一本だけ黄色のひまわりが混じっていて、アクセントになってくれていました。写真を撮る側としてはありがたいですね(笑)。

時には変化球も投げてみる

先ほどの章で、変化をつけるためにレンズを変えてみようというお話をしましたが、今度は目線を変えてひまわりを撮影してみようと思います。ただひまわりを撮影していても、他の人と同じような写真になってしまいます。撮影現場で、どれだけその場所を生かした変化のある写真を撮れるかということはとても大切だと思います。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 11-20mm F2.8 Di III-A RXD
■撮影環境:11mm・F13・1/240・ISO640
広角レンズでひまわりを下から撮影して、夏の太陽をキラリと入れてみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF90mmF2 R LM WR
■撮影環境:90mm・F2・1/210・ISO640
ひまわりの真ん中の部分ってとても可愛いんです、そこをクローズアップして写すのもおすすめです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:18mm・F3.5・1/110・ISO640
園内には、毎年手の込んだフローティングフラワーがあります。とてもかわいいので、変なアレンジはかけず、ストレートに撮影します。

夕方の時間を狙う

昼間のフラットな光は、順光で絶景を撮影するには向いている光です。ですが、そこから自分らしさ、ドラマチックさを求めるならば、朝や夕方の斜光を使うのも手です。その時になってみないと、どんな光が差してくるか分からないというドキドキ感もあります。そして夏は暑いですからね・・・、朝や夕方を狙って撮影に出かけるのもありだと思います。

今回は夕方の光で撮影した、ひまわり畑の写真をお見せします。夕方の良い時間帯はあっという間なので、高倍率のズームレンズなどはとても重宝します。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 11-20mm F2.8 Di III-A RXD
■撮影環境:11mm・F9・1/120・ISO640
これだけ広い白ひまわり畑はきっとここにしかないでしょう。このロケーションを生かすために、最初は広い景色から撮影します。太陽の位置などバランスをとりながら、素敵な一瞬を狙います。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:195mm・F5・1/160・ISO3200
夕方の優しい光がお花たちを包み込みます。ゆるふわな写真が好きな僕としては、明るい色をしている白ひまわりはとてもありがたいです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 150-500mm F5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:358mm・F5.6・1/105・ISO3200
良い光の時間はとても短いです。その時間でいかにバリエーションが撮れるかがポイントになってきますね。そんなとき高倍率ズームは味方になってくれるアイテムです。

夜のひまわり畑も美しい

最後は夜のひまわり畑の写真をお見せしたいと思います。世羅高原農場では夜の開園は行っていませんが、特別に撮影させてもらいました。夜でも入れるひまわり畑は意外に多く、このような撮影も可能です。機会があればぜひ夜のひまわり畑の撮影にもチャレンジしてみてください。夜ならではの美しい世界が広がります。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 17-70mm F2.8 Di III-A VC RXD
■撮影環境:21mm・F2.8・30秒・ISO1600
満月に近い夜、薄曇りだったおかけで夜の虹、月暈が出ていました。狙って撮れるものではありませんが、こういう気象現象が重なるとより作品にインパクトが出ますよね。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 11-20mmF2.8
■撮影環境:11mm・F2.8・30秒・ISO2000
最後は美しい天の川とひまわり畑の写真を。人工灯の少ない世羅町だからこそ撮れた一枚です。賑やかだった昼とは違い、静かな夜のひまわり畑にはこんな美しい景色が広がっているなんて、素敵ですね。こんな景色が見られたことに感謝しかありません。

さいごに

世羅高原農場の見せたい写真が多すぎて、少し長くなってしまいましたが、皆さんの撮影の参考になれば幸いです。ひまわりの撮影は暑くて敬遠されがちですが、現場に行って広いひまわり畑を見たら、そんな気持ちは吹き飛んでしまいます。この美しい景色をどう自分なりに作品にしようか? と、気持ちが上がります。そしてひまわりは見た人にも元気をくれるお花。ぜひ暑さ対策を万全にして、今が盛りのひまわりを撮りに出かけてはどうでしょうか? 僕もこの記事を書いていてひまわりにとても会いたくなりました。今年はどこかのひまわり畑で出会うかもしれませんね(笑)。 すてきな写真ライフを♪

■撮影協力:世羅高原農場

 

 

■写真家:むらいさち
ゆるふわ写真家。20歳のころ沖縄の座間味島に移住しダイビングガイドとして過ごす。その後写真を始めダイビングの雑誌社に入社、日本を始め世界の海へ撮影に訪れる。その後フリーランスに。現在は水中に限らず、地球全体をフィールドに、独特のゆるふわな色彩で作品を発表し続けている。2023年より沖縄県座間味村観光大使に就任。写真の勉強のためのオンラインサロン「ふんわりフォトサロン」を主宰。
2024年5月に新写真集「FantaSea」(MarineCreative)を出版。同写真展を8/30-9/5で富士フイルムフォトサロン大阪にて開催予定。

 

 

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