写真家愛用のカメラバッグを紹介|ハクバ プラスシェル マルチコンテナ
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HAKUBA プラスシェル マルチコンテナシリーズ
HAKUBAから発売されているプラスシェル マルチコンテナシリーズは、カメラやレンズの高い保護性能が特徴のコンテナケースである。コンテナと呼ぶだけあって、スタッキングもできる機材ケースとして、あるいはカメラバッグとしてスタンドアローンでも使える機能的な製品である。サイズ展開は3種類で、ウェアラブルカメラなど小さなカメラに最適な2.5L、ミラーレスとレンズ2本程度が入る6L、大容量の13Lとなっている。
筆者が所有しているのは13Lと6Lで、最近は6Lを特に好んで使っている。その理由はSIGMA fpとIシリーズレンズ4本をコンパクトに収納するのにジャストフィットするからである。
バッグの概要
今回紹介する6Lサイズの詳細をみてみよう。まずは何といっても丈夫なEVA素材セミハードタイプのパネルで安心感がある。サイドウォールもしっかりと厚みのあるクッション素材で作られており、文字通り「シェル」と言った感じである。立体成形によって耐圧や耐衝撃性が高くなるよう工夫されたパネル部分は、見た目にも無骨な印象でデザインもよい。
用途に合わせて自由にアレンジできるディバイダーも5つ付属していて、小型のバッグに充分な数である。ダブルファスナーで、左右どちらからでも開閉できるのは使いやすいポイント。ファスナーを全開にするとフルオープンとなり、中の荷物にアクセスしやすい。カメラのみならずアイデア次第で様々な使い方ができるだろう。
▼製品仕様
外寸法:約W340×H225×D145mm
内寸法:約W300×H200×D100mm
容量 :約6L
質量 :約840g
材質 :ポリエステル・EVA
バッグの詳細をみる
表面の質感はファブリックで、ソリッドな印象。凹凸のある立体的なデザインから頑丈な印象を受ける。センターにSHELLのロゴがさりげなくプリントされている。よい意味でカメラバッグらしくないところが、個性を求めるユーザーにも好まれると思う。裏面も立体成形されていて、地面に置いたときバッグが汚れないように工夫されている。車の荷室やバイクのトップボックスに入れて運搬する際に、気になる振動や衝撃なども緩和してくれる。
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上部に取り付けられた大きめのハンドルのおかげで持ち歩きやすい。荷物を限界まで入れた重い状態でハンドルを握っても、ガッチリしていてバッグの形が崩れることもないので、安心して機材を詰め込めるタフさがよい。ジッパーはダブルジップで開閉がスピーディーに行える。ジッパーの動きもスムーズ。
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ハンドルから繋がるベルトがサイドまで回り込んでいて、モールシステムのように物を挟み込んで使うことができる。カラビナも通せるので、フィルターケースをぶら下げることも可能。筆者はManfrottoのミニ三脚「Pixi」を挿して持ち歩いている。自分好みにアレンジして使えるのもこのバッグの魅力の一つである。
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両サイドにはD環が備えられており、筆者はショルダーベルトを取り付けて持ち運んでいる。ベルトだけではなく一緒にカラビナなども取り付けられそうだ。
容量とレイアウト
SIGMA fpとIシリーズレンズを収納してみる。カメラボディーとレンズに加えて、動画撮影に必要な周辺機器も一緒に持ち歩くので、機材を厳選して入れている。小型のガンマイクとNDフィルターにSSD、更にSIGMAのエレクトリックビューファインダーと予備のバッテリーも一緒に入れている。
必要な機材が全て無理なく収まって、ジャストフィットしているのが分かるだろう。カメラボディーと超広角から中望遠までの単焦点レンズ4本、更に外部マイクなどの周辺機器が全てセットされている。一見小さなケースだが、本格的な12bitRAW動画撮影セットが収まっていると思うとワクワクする。
【参考収納例】
カメラ:SIGMA fp 本体
レンズ:シグマIシリーズ 17mm 24mm 45mm 90mm
その他周辺機器
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LUMIX S5IIxとズームレンズを入れてみる。小型カメラシステムではなく、一般的なボディーサイズのミラーレスにケージを取り付けた状態で、大きめのズームレンズと一緒に収納してみる。レンズはSIGMAの28-105mm F2.8 DG DN | Artと28-45mm F1.8 DG DN | Artの2本。若干の余裕を残して収納できている。見た目よりも入る印象で、空いたスペースにバッテリーやフィルターなどが入れられる。必要にして充分なセットをコンパクトに持ち運べる。
それならばと、更に大きな望遠ズームレンズを試してみることにした。SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN | Sportをフードと三脚座付きで収納してみた。少々窮屈ではあるが、何とか納めることが出来た。三脚座が当たって少しだけ変形するが、ジッパーはスムーズに閉まる。これは、柔軟性のあるセミハードタイプだからこそで、ハードタイプのケースだと諦めるしかない。この小さなケースに、大口径の標準ズームと望遠ズーム2本が入るのは素晴らしい。
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オーガナイザーボードと天面裏側に設けられたメッシュポケットには、散らばりがちな小物やケーブル類を整理して収納できる。スペースに無駄がなく、とても気が利いている。オーガナイザーボードはゴムバンド付きなので ケーブルだけでなく、バッテリーやカードケースなども固定できる。メッシュポケットは意外にも深さがあり、少々嵩張るものも入る。SSDやマルチツール、シューティンググローブなど色々と収納できる。
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マルチコンテナは単体でカメラバッグとして使うこともできるが、本来はインナーバッグとして使うものである。サイズ感がわかりやすいようにバックパックやキャリーケースに入れてみた。 バックパックは軽登山用の30Lサイズに入れてみたが問題なく入った。余ったスペースにコンパクトなダウンジャケットや軽食などが余裕で入りそうだ。
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キャリーケースも試してみる。国際線の機内に持ち込めるサイズの33Lだが、こちらも余裕である。国際線ではトランジットでロストバゲージする可能性を考えるとあまりおススメしないが、直行便や国内線であれば、ハードタイプのキャリーケースに入れて、手荷物で預けることも出来るだろう。(自己責任であることと取扱注意の申告は忘れずに)
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まとめ
HAKUBA プラスシェル マルチコンテナは、コンテナとカメラバッグ両方のいいとこ取りをした製品で、様々なシーンで大切な機材をしっかり守ってくれる頼もしいアイテムである。車の荷室にスタッキングして他の機材と一緒に積み込んだり、キャリーケースやバックパックに他の荷物と一緒に収納するといった、考え得る様々なシーンにマッチする。少しでも荷物を減らしたい旅行や出張などで、他の荷物と撮影機材を、ひとつにまとめられるのはとても便利である。
もちろん単体でショルダーベルトを付けて、カメラバッグとしても使える。ソフトタイプのカメラバッグよりも丈夫なので、大切な機材を安心して持ち運ぶことができる。
旅先の美しい景色を想像しながら、じっくりと厳選したお気に入りの機材を、隙間なく詰め込んだこのバッグで旅に出ることが、撮影者の冒険心を掻き立てる。
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■フォトグラファー/ビデオグラファー:坂口正臣
坂口写真事務所(SPO)を運営。広告写真やTV-CMから、プロモーション映像やドキュメンタリーなど幅広いジャンルで活動し、撮影だけではなく演出もこなす。YouTubeチャンネルSPOを運営、レンズやボディーの作例や、その他機材レビュー動画も公開している。