【レビュー】キヤノン初フルサイズミラーレスカメラEOS R。操作感が良い感じ!

ShaSha編集部

はじめに

 

 2018年9月、キヤノンから新しいミラーレスカメラが発表されました。名前は「EOS R」で、初めてフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラです。名前の「R」の由来は”Reimagine optical excellence“(もう一度、イメージングシステムを創造する。)の頭文字から取られており、ミラーレス新時代への期待と新マウントに変更することに対する意志を感じました。
 

 ちょうどこの時期を思い返してみると、ソニーのα7III発売から半年経ち、同時にニコンからも初となるフルサイズミラーレスカメラ“Z”が発表されたタイミングだったので、カメラ市場はフルサイズミラーレスカメラの影響で、お祭りのような活気に包まれていた記憶があります。

 今回は去年のお祭りのような活気を思い出すべく、キヤノン初のフルサイズミラーレスカメラEOS Rを使ってみました。すでにソニーα7III、ニコンZ 7/Z 6の記事も公開していますので、ぜひご覧ください。

程よい重さに、しっかり握りやすいグリップ

EOS R 軽い.jpg
(1/320秒 F2.5 ISO100)
使用レンズ:EF50㎜ F1.8 II(コントロールリングマウントアダプター使用)
 EOS Rのサイズは幅が約135.8㎜×高さが約98.3㎜×奥行が約84.4㎜です。初めて見たときの私は、正直なところ他社のミラーレスカメラと比較してしまい少し大きく感じてしまいました。しかし、同時にその“少し大きい”ことはデメリットではないようにも感じました。それはグリップが深く、握りやすいと思ったからです。もちろん小さいことも魅力的ですが、グリップが深いことも非常に魅力的だと感じました。

 よく考えてみると、同じくらいの画素数を持つ一眼レフEOS 5D MarkⅣと比べるとサイズがコンパクトになり、軽量化に成功。ミラーレスの恩恵が受けられているといえます。
今回の作例撮影ではボディ・レンズ共に軽くしたいと考え、EFレンズ屈指の軽さを誇るEF50㎜ F1.8 II(160g)で、コントロールリングマウントアダプター(CR-EF-EOSR)を使用して撮影しました。非常に軽くAFも問題なく使用できました。

 軽量になったことで、撮影時の荷物を減らせられますし、スナップやお散歩で入った喫茶店でも気軽に撮影できるので良いですよね!

フルサイズセンサーならではの美しい描写

EOS R 作例ポートレート.jpg
(1/200秒 F2.2 ISO100)
使用レンズ:EF50㎜ F1.8 II(コントロールリングマウントアダプター使用)
 EOS Rは有効画素数約3030万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載しています。フルサイズセンサーならではの美しい写真が撮れることは分かるのですが、撮るうえで困難なシーンをサポート機能もあります。
 例えば高輝度側・階調優先機能は、雲や人物など白トビしやすい被写体の撮影でも白トビを抑えて撮影ができる機能が入っています。私はポートレート撮影の際に露出補正をプラス気味に設定して撮る機会が多いのですが、外で日差しが強い日など、シチュエーションによっては白トビしてしまうこともあるため非常に助かる機能だと思います。
 また、ファインダーを覗きながらタッチパネルをなぞってピントの位置を動かすことができるタッチ&ドラッグはまるでマウスポインターのように動くので微調整ができ、非常に便利でした。

バリアングルモニター、バリ楽

EOS R バリアングル.jpg

(1/100秒 F2.2 ISO100)
使用レンズ:EF50㎜ F1.8 II(コントロールリングマウントアダプター使用)

 EOS Rが他のフルサイズミラーレスカメラと大きく異なる部分として、バリアングルモニターであることが大きいと思います。
 チルト可動式のモニターでももちろん撮りやすいのですが、バリアングルモニターだと動かせる域がさらに広がるので、扱いやすく感じました。特に縦位置のローアングル撮影は、チルト可動式モニターでも自分の方に向かないので、EOS RPと同様にバリ便利でした!

暗所での性能、天下一品

EOS R 暗所撮影 ノイズ.JPG
(1/50秒 F4 ISO12800)
使用レンズ:RF24-105㎜ F4L IS
 最初に「お祭りのような活気があった」と書きましたが、その時の記憶で印象深いことがあります。それはEOS Rのカタログスペックで低輝度合焦限界がEV-6を実現したことです。当時私が主に使用していたカメラはニコンD750で、低輝度合焦限界はEV-3です。これでも凄いと思うのですが、それを大きく超えるEV-6はどれほどなのだろうかとワクワクしていました。
 もちろんすべてのレンズでできるわけではなく、いくつか条件があります。
1.静止画撮影時
2.撮影時のF値設定が1.2
3.中央測距点
4.ワンショットAF
5.常温
6.ISO100

以上の6点です。(引用:キヤノン公式HPより)

 ファインダーがEVFになったことも大きな恩恵で、OVFでは確認が困難な暗所でもEVFなら撮影設定に応じて明るくなります。設定でかなり明るくすれば「昼間か?(笑)」と思ってしまう程なので、構図合わせや被写体の確認も楽でした。

大感動!電源OFF時にシャッター幕が閉じる!

EOS R シャッター幕.PNG

(画像出典元:キヤノン公式HPより)

 ミラーレスカメラは便利な反面、一眼レフと比較して気になる部分ももちろんあります。それはセンサーの前にミラーが無いことで、ゴミが直接センサーに入ってしまう可能性が高いことです。ゴミが入ってしまってはせっかくの美しい写真にもゴミが写ってしまい、写真を見ても残念な気持ちになってしまいます。
 しかし、EOS Rは電源をOFFにするとシャッター幕が閉じるので、レンズ交換時も焦ることなくレンズ交換に集中できます。レンズ交換時は何回やっても、まず1回頭の中でシミュレーションしてしまうのですが、これなら少し余裕を持ってレンズ交換ができるので非常に助かりました!

撮影後記

EOS R防塵防滴作例EOS R ボケ味作例写真EOS R防塵防滴縦位置作例
 使用していて、スペック表に載っていない操作感が非常に良いと感じました。それはグリップの質感だったり、RFレンズについているコントロールリングだったり、電源OFF時にシャッター幕が閉じることなど。
 1点気になることがあるとすれば、本体裏の十字キー部分がEOS一眼レフ機のように回るものでなかったので初めは戸惑いました。しかし、ふと触ってしまい設定が変わることもないので(LOCKスイッチをする必要もない)ので、ほんの少し気になったほどでした。

 一方で新機能のファンクションバーも使い慣れると便利で、ISOなど変更する機会が多いものを設定していれば、ボタンを押しながらダイヤルを回すより楽に操作ができました。
 まだまだ、使いこなせなかっただけにもう少し使ってみたいと思いました。

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