キヤノン EOS R6 Mark II 登場!|素早い動きに対応する有効約2420万画素のフルサイズミラーレスカメラ
はじめに
キヤノンからRFマウントの35mmフルサイズ ミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」を、2022年12月中旬に発売するとアナウンスがありました。従来モデルのEOS R6が発売されて約2年でのMark IIの登場となりますので、マイナーチェンジかな?と思われる方もいらっしゃると思いますが、約2420万画素の新型CMOSセンサーを搭載する事で解像性能が向上していたり、追従性能や動画性能の向上や、最大40コマ/秒の連写が可能となっていたりと撮影の幅を格段に拡げてくれるカメラに進化しています。今回はキヤノンフォトハウス銀座の先行展示機を触ってきましたので、そのレポートを是非ご覧ください。
高画質性能
新開発の有効約2420万画素のCMOSセンサーが搭載され、従来モデル(EOS R6)の2010万画素より、画素数がアップして解像性能が向上しています。
また新たなシャープネス処理が可能となり、EOS R6 Mark IIよりも有効画素数の多い、EOS 5D Mark IV(約3040万画素)を超える解像性能になっているようです。画素ピッチも大きく高感度耐性に優れ、撮影後のデータも扱いやすい2千万中ごろの画素数で3千万オーバーの画素数に匹敵する解像感を得られるのはとても嬉しいですね。
白とび、黒つぶれを軽減し、広い階調表現を可能にしてくれる「HDR撮影モード」はこれまでの3枚合成する[Dレンジ優先]に加え、3枚の撮影では被写体ブレが起きてしまう人物や乗り物のような動きがあるものの撮影にも対応する[動体優先]が新たに加わりました。[動体優先]では1枚撮影するだけで広い階調表現を可能にしてくれます。
手ブレ補正は対応のRFレンズと組み合わせて、ボディー内の手ブレ補正と協調させる事で最大8段分の補正効果があります。薄暗い環境での撮影に心強いですね。
高速撮影
電子シャッターでの高速連続撮影性能は従来モデルの2倍になり、最高約40コマ/秒の連写が可能です。キヤノン ミラーレスカメラで最上位機種のEOS R3でも約30コマ/秒ですので、驚きの速さで撮影できる事が分かると思います。ローリングシャッター歪みは従来モデル(EOS R6)と比べ同等か、やや低減されているようですが、EOS R3に比べると歪みが出てしまうようです。
メカシャッターでは電子先幕使用時に最高約12コマ/秒での撮影ができますので、ローリングシャッター歪みが気になる時はメカシャッターに切り替えても、かなり高速での撮影ができます。
また今回フルサイズのEOSでは初のRAWバーストモードが搭載されました。「RAWバースト する」に設定すると、RAWで30コマ/秒のAF追従の高速撮影ができるようになります。「プリ撮影 する」にするとシャッターボタンを押す約0.5秒前から記録を開始してくれますので、今まで撮り逃していたシャッターチャンスを写しとめる事ができます。
AF性能
AFの被写体検出とトラッキング機能はEOS R3のトラッキングシステムのコンセプトを継承しており、ディープラーニング技術を活用する事で従来モデル(EOS R6)より大きく進化を遂げているようです。
人物では「瞳」、「顔」、「頭部」に加え「胴体」の検出が可能となり、被写体に認識及びトラッキングの精度が向上しているようです。
瞳検出は、今回新たに「右目優先」、「左目優先」、「自動」の設定が可能になっています。
乗り物や動物の検出では、今回新たに「鉄道」「飛行機」「馬」が追加になっています。
動物
犬 | 走り回って被写体との距離や位置が大きく変わる場合でも、瞳/顔/全身の検出により安定して追従。 |
猫 | 印象的な瞳や多彩な表情など、近づいて撮影する場合には、瞳検出/顔検出が効果的。 |
鳥 | 望遠レンズで被写界深度が浅くなる場合でも瞳検出/顔検出で、より精度の高いピント合わせが可能。 |
馬(NEW) | 騎手が乗っていても馬にピントを合わせることができます。顔や瞳が検出できるため、前脚などにピントが合ってほしくない奥行きのある正面方向からの撮影にも有効。シマウマの検出も可能です。 |
乗り物
鉄道(NEW) | スポット検出では、ノーズの長い高速鉄道の運転席にフォーカス。ノーズの長い車両以外は全体検出を行います。 |
飛行機(NEW) | スポット検出の場合は、コックピット付近にフォーカス。 |
車(モータースポーツ) | スポット検出により、フォーミュラカーのドライバーのヘルメットにフォーカス可能。屋根のあるレーシングカーの場合は全体検出を行います。 |
バイク(モータースポーツ) | 通常はライダーのヘルメットにフォーカスするスポット検出、車体が奥に傾くコーナーでは全体検出などの使い分けが可能。 |
また被写体はカメラ任せの「自動」を設定できるようになりましたので、人物、動物、乗り物は設定を変える事なく撮影できるようになっています。人物と動物、乗り物と人物のように同時に様々な被写体を撮影するシーンではとても重宝すると思います。
外観と操作性
大きさと質量は従来モデルとほぼ同じくらいで、EOS R6 Mark IIの方が10gくらい軽くなってます。
EOS R6 Mark II | EOS R6 | |
大きさ | 約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm | 約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm |
質量 | 約670g(バッテリー、メモリーカードを含む) | 約680g(バッテリー、カードを含む) |
従来モデル(EOS R6)では左肩に電源ON/OFFのスイッチがありますが、EOS R6 Mark IIでは右肩に移動しています。移動した分の空いた位置に静止画、動画の切り替えスイッチがついた事により、素早い切り替えが可能になっています。動画の切り替えは従来モデル(EOS R6)では、撮影モードダイヤルを動画の位置に回して変更し、メニュー画面で露出モードを変更していましたが、EOS R6 Mark IIでは動画切り替えが単独のスイッチになっていますので、マニュアル、シャッタースピード優先などを右肩の撮影モードダイヤルで素早く切り替える事が出来るようになっています。
背面のボタンやダイヤルのレイアウトは従来モデル(EOS R6)とほぼ同じになっています。その中でマルチコントローラーは中央部を押しやすい丸みの帯びたデザインになっています。
液晶モニターは従来モデル(EOS R6)同様のバリアングル式になっていて、3.0型の約162万ドットになっています。
視野率100%で倍率約0.76倍のファインダーが採用されています。EOS R6 Mark IIでは、OVFビューアシストの設定が可能で一眼レフの光学ファインダーのように黒つぶれや白トビの少ない自然な“見え”を再現する事ができます。
外部端子は右上からはUSB Type-C、HDMI(タイプD)があり、左上からはマイク端子、イヤホン端子、リモコン端子があります。
バッテリーは従来モデル(EOS R6)同様のLP-E6NHを使用。今回大幅な省電力設計になっており撮影可能枚数と動画撮影可能時間は大幅に増えています。
EOS R6 Mark II | EOS R6 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 約320枚 | 約255枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 約580枚 | 約365枚 |
動画撮影可能時間 | 約3時間50分 | 約2時間40分 |
※静止画撮影条件は常温(23℃)、なめらかさ優先。動画撮影条件は常温(23℃)、フルHD、iPB(標準)、29.97p(R6は29.97/25.00p)、動画サーボAF:しない
アクセサリーシューはEOS R3やR7、R10といった最新機種に採用されているシステム拡張が可能な「マルチアクセサリーシュー」になっています。
優れた新機能
デジタルズームにより撮影倍率を約2倍、4倍にして静止画撮影が可能です。
蛍光灯・水銀灯による100Hz/120Hzの通常フリッカーに対応した従来のフリッカーレス撮影に加え、今回新たに高周波フリッカーレス撮影が可能になっています。これにより電子シャッター/動画撮影時に高周波フリッカー(50.0Hz~8192Hz)にも対応できるため、LED照明下でも写真や動画の露出ムラや色のバラツキを抑制してくれます。
動画性能
動画はEOS R3と同様に6Kのオーバーサンプリングから4K動画を撮影する事が出来るので、とても高精細な映像に仕上げる事ができます。
グレーディングを前提としたCanon Log3での撮影や4K/60Pに加え、フルHDでは180Pハイフレームレートでの撮影が可能で、思い通りの表現が可能です。
従来モデルでは29分59秒に制限されていた1回あたりの撮影時間は撤廃され長回しが可能になりましたので撮影の幅も広がりますね。
CINEMA EOSに搭載されてる「プレ記録機能」がミラーレスカメラのEOSでは初めて搭載されています。この機能を使うと撮影の5秒前もしくは3秒前から動画を記録しておくことができます。
さいごに
従来モデルのEOS R6はEOS R5の弟分のような存在でしたが、EOS R6 Mark IIの静止画、動画の撮影性能は格段に進化したことにより、高性能なハイエンド機から高解像性能ならEOS R5、高速撮影や高感度耐性ならEOS R6 Mark IIのように選択出来るようになったと思います。優れた撮影性能を持ったEOS R6 Mark IIを是非手にとってその性能を体感してみてください。
EOS R6 Mark II の性能や機能はこちらの動画でも紹介してます。