キヤノン RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM レビュー|初めての1本にはコレ!気軽に使える高倍率ズーム

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キヤノン RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM レビュー|初めての1本にはコレ!気軽に使える高倍率ズーム

はじめに

こんにちは!前回の記事では「EOS R10」の基本的な機能とキットレンズの「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」を中心にご紹介しました。今回は「EOS R10」のもう一つのキットレンズ、広角域から望遠域までをカバーする「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」をチェックしていきましょう。

スペック・外観・操作性

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」はAPS-Cセンサーを搭載したEOS Rシリーズのカメラに対応する高倍率ズームレンズです。広角から望遠まで一本で済む画角をカバーしながらも、全長84.5mm、重さ約310gとカメラバッグの小さなスペースにも入るコンパクトなサイズが魅力です。荷物が多くなりがちな自然風景の撮影にありがたいスペックですね。

広角端18mmで最もコンパクトな状態に。240mm相当までカバーするズームレンズとしては非常に小型軽量です。
ズームは繰り出し式で、写真は焦点距離が150mm(35mm換算で240mm)の時の状態。伸縮の操作はとてもスムースです。

広角から望遠まで!一本でほぼ撮れる

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の画角は35mm換算で29-240mmに相当します。常用で撮りやすい広角から望遠まで、自然風景だけでなく、旅行、日常、乗り物など幅広く被写体をカバーします。現実的に「できれば持っていくのは一本で済ませたい。」という声もよく聞きますので、迷ったら「手のひらサイズ」のこのレンズでスタートすれば間違いなしですね。

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」はフルサイズのEOSにも装着可能です。その場合は、画面中央がAPS-Cサイズにクロップされて画像を記録します。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F8 1/1600秒 ISO400

「EOS R10」のピクチャースタイルをモノクロにして、焦点距離150mm(35mm判換算240mm)で富士山の岩の質感を捉えた一枚。

自然風景の撮影では70-200mmの中望遠ズームレンズを使うことも多いですが、「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の望遠端は240mm相当の焦点距離です。実際に撮ってみると、200mmと比べた場合に40mmの差が大きいなと感じました。痒いところに手が届くありがたい焦点距離です。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO1600

こちらは車の運転席から、助手席の窓の水滴を夜の18時半頃に手持ちで撮影した作例です。遠景だけでなく近くの被写体までAFですぐにピントが合うので、撮影範囲の広さを感じました。コンシューマー向けのレンズとしてはAFも必要十分な速さです。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F7.1 1/200秒 ISO400
■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F6.3 1/800秒 ISO400

レンズのスペックではAFの最短撮影距離0.17m(18-35mm時)、最大撮影倍率は0.44倍(50mm)ですが、全焦点域において、感覚的にはかなり被写体に寄れるなという実感を持ちました。作例の焦点距離が150mmです。被写体に応じての距離感で近寄って、ささっと撮るのが楽しいレンズですね。

MFのクローズアップ撮影で「CENTER FOCUS MACRO」の機能を使うと、最短撮影距離が0.12m (18-24mm時) 最大撮影倍率0.59倍(35mm時)で撮影できますが、画像周辺の像流れがはっきり出て、画質は低下傾向。自然な描写が好きかどうかで判断しましょう。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F3.5 1/80秒 ISO1600

夕方の暗くなりかけた森で「EOS R10」を地面スレスレに置き、レンズ上空へ向けて、液晶モニターをバリアングルで撮影した一枚です。焦点距離は18mm(35mm判換算29mm)で、広角域のパースペクティブを活かして遠近を強調しています。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F8 1/1000秒 ISO12800

同じく焦点距離は18mm(35mm判換算29mm)、広角域で捉えた霧が発生している原生林を「EOS R10」でISO12800の高感度撮影したカットです。

「EOS R10」の機能と相性抜群

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」を「EOS R10」の機能と合わせて楽しんだ作例をご覧ください。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F3.5 1/500秒 ISO400

「EOS R10」のクリエイティブフィルター「ジオラマ風」に設定して撮影。ピントを合わせた箇所はくっきりと捉え、その他の箇所は大きくボケてミニチュアのように描写されたカットです。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO800

同じく「EOS R10」のクリエイティブフィルター「トイカメラ風」で捉えた一枚。焦点距離56mm(35mm換算判約90mm相当)で撮影。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO400

「EOS R10」の多重露光撮影で2枚の写真を重ねました。焦点距離35mm(35mm換算判56mm相当)で撮影。肉眼では捉えられない不思議な写真が簡単に撮影できますね。手持ち撮影です。

光学式手ブレ補正

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の光学式手ブレ補正の効果は約4.5段分です。ボディ内手ブレ補正機構がないカメラとの組み合わせでも静かにシャッターを切れば手ブレの心配はほとんどありません。ボディ内でブレ補正機構がある「EOS R7」に装着する場合は協調制御で7.0段の補正効果が得られます。

■撮影機材:Canon EOS R10 + RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
■撮影環境:F4 1/8秒 ISO1600

雨で光る森の中でISO感度を1600にあげて、遅めのシャッタースピード1/8秒で撮影した一枚。レンズの手ブレ補正のおかげでスローシャッターの撮影も簡単です。

手ブレ補正機構のない「EOS R10」で普通に手持ちで撮ったらどうなるかなと試してみました。数秒で切り替わるショートムービーであれば手持ちで十分いけそうです。

まとめ

「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」のレビューはいかがでしたでしょうか。幅広い被写体や撮影シーンをカバーする「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」は、これからカメラを趣味にする皆さんの最初の一本として、リアルにおすすめのレンズです。

自然風景の撮影でレンズ交換をしないで済むメリットは大きく、気楽さは大事なポイントですね。非Lレンズで高倍率のズームレンズであることを考えると充分に高画質。日常から旅まで使い倒していただきたいコスパのいいレンズです。

「EOS R10」のもう一本のキットレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」の記事もアップしておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

 

 

■写真家:GOTO AKI
1972年 川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。日本大学芸術学部 准教授・武蔵野美術大学造形構想学部 非常勤講師・キヤノンEOS学園東京校講師。

 

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