キヤノン RF70-200mm F2.8 L IS USM|AF性能動画やメーカーコメントなど盛り沢山!
RF70-200mm F2.8 L IS USM
2019年10月24日にキヤノンから新しいレンズが2本発表されました。
うち1本は、ピント面がシャープながらも、とろけるようなボケ味にこだわった”RF85mm F1.2 L USM DS”です。
そして、もう1本は今回ご紹介する“RF70-200mm F2.8 L IS USM”です。
RF70-200mm F2.8 L IS USMはズーム全域で開放F2.8のスペックを持っており、いわゆる“大三元レンズ”の望遠側を担っています。
先日発売されたRF15-35mm F2.8 L IS USMとRF24-70mm L IS USMと合わせることで、開放F値2.8で15mmから200mmまでの焦点域をカバーできることになります。
70-200mm F2.8のレンズといえば、AFスピードが速いためスポーツや乗り物など動く被写体を撮影される方はもちろん、中望遠レンズならではの圧縮効果と、美しいボケ味からポートレートで使用する方も多いのではないでしょうか?
そんな本レンズですが、RFマウント用として初めての望遠レンズで期待値は十分。今回は銀座にあるショールーム「キヤノンデジタルハウス銀座」に行ってタッチ&トライしました。
さらに今回は商品企画の方へお話しをお伺いすることもできましたので、ぜひご覧ください
「本当に70-200mm F2.8?」驚くほどの世界最短・最軽量ボディ!
まず本レンズの最大の特徴は何といっても、サイズがかなりコンパクトになったことではないでしょうか?
焦点距離を広角側の70mmに合わせると、全長約146mmと非常にコンパクトで、重量も約1,070gと70-200mmF2.8のレンズとしては最軽量※ともあるように、重いイメージがもたれがちな大口径望遠レンズでも、気負いを少なくできる気がします。
公式HPを見てみると、
焦点距離70-200mm、開放F値2.8のレンズとして、世界最短・最軽量※全長約146mm、質量 約1,070g(三脚座除く)。
※35mmフルサイズの撮像素子を搭載したレンズ交換式カメラ(一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ)用の焦点距離70-200mm F2.8の交換レンズとして。 2019年10月24日発表時点。キヤノン調べ
とのことでした。
ズームしていくと全長が伸びる仕様になっています。
EF70-200mm F2.8 L IS III USMと比較
一眼レフ用にも同スペックのレンズがあるので、大きさを比較してみました。
本レンズはEOS Rに装着し、EF70-200mm F2.8 L IS III USMはEOS 5D MarkIVに装着してみました。横に並べてみると、いかに本レンズが小さいか一目でわかりますよね。
レンズの全長が短ければ、今まで入らなかったカメラバッグにも入れることができるようになって選択肢が増えますし、他にもレンズを持っていく場合のスペースを確保できるので良いと思いました。さらに、装着したEOS Rのボディも軽量・コンパクトな造りなのでレンズとのバランスも良い感じです。
重量は前述の通り約1,070g。一方EF70-200mm F2.8 L IS III USMは約1,480gなので、なんと約400gの軽量化に成功しました。これはサッカーボール一個分に値する重さです。
私の感覚で申し訳ないのですが、望遠レンズは、構えている時はあまり重く感じないものの、持ち運んでいる時に重いと感じることがありました。
レンズの軽量化に成功したことで撮影中はもちろん、持ち運びがかなり楽になるだろうなと思いました。
1台で運用する方はもちろん、2台目のボディやレンズ、三脚・一脚、ストロボなど他の機材を持っていく方などは特に嬉しいですよね。
フードが変わった!
EF70-200mm F2.8 L IS III USMと比較すると、EF70-200mmの方は黒で花形フードであるのに対して、RF70-200mm F2.8 L IS USMは丸型フードとなっており、同社EF100-400mm F4.5-5.6 L IS II USMのような造りに近いです。
丸型フードならではのメリットとして、本レンズのようにフードを付けていてもフィルターが動かせるように窓がついているため、PLフィルターや可変NDフィルター、クロスフィルターなど、角度によって描写が変わるフィルターを使用する方にとって嬉しい仕組みになっています。
最短撮影距離は0.7mまで寄れる!
本レンズはコンパクトなだけではなく、最短撮影距離が0.7mまで寄れることも魅力で、初めて聞いたときは、私だけでなく編集部一同が一番驚いた部分です。
嬉しいのは広角側の70mmだけでなく、望遠側の200mmでも最短撮影距離が0.7mと寄れることです。200mmの焦点距離でF2.8ってかなり凄いですよね。
ちなみにEF70-200mmF2.8 L ISIII USMは1.2mでしたから、0.5mもの短縮に成功しました。
■200mm側
かなり寄れることと、描写の印象が全然違いますよね。
デモ機とのことで実写データではないものの、ぜひ実写で使ってみたくなりました。
これだけ近くに寄れるようになったので、ポートレート撮影ではボケ感のある写真はもちろん、圧縮効果で背景の情報量をコントロールしてさまざまな表現を演出することや、バストアップの写真を撮りたい場合でもあまり下がらずに撮影ができそうです。
また、マクロレンズを使用するイメージがある小物の撮影に挑戦しても良いかもしれません。なによりも1本で撮影できるバリエーションが増えることがかなり嬉しいです。
AFスピードテストしてみました
冒頭でも述べた通り、本レンズをスポーツや乗り物、動物の撮影に使用する方は非常に多いと思います。
それは、開放F2.8のおかげで、絞れば解像度が高く、シャッタースピードを上げやすいこともそうですが、AFがかなり速いことも選ばれる理由でしょう。
銀座のショールーム内ですが、AFスピードを録画しましたので、ぜひご覧ください。
いかがでしょうか?
止まっている被写体のため完全とは言えませんが、スピーディでスムーズにピントが合う印象です。(ぜひ動いている被写体でも試してみたいです・・)
商品企画の方へ質問!
今回は銀座のショールームで商品企画のご担当者にお話しをお伺いする機会を頂けましたので、いくつか質問いたしました。
RFレンズ初の望遠レンズに70-200mmが選ばれた理由
望遠レンズではほかにも100-400mmや70-300mm F4-5.6など人気なレンズがありますが、70-200mm F2.8は望遠レンズの中でも花形的なレンズなので、RFマウントで作ってみたいという希望から作られたそうです。
全長を短くできた理由
EFレンズと比較して最大の魅力に感じたサイズ感ですが、全長・重量ともにサイズダウンできた要因は、ミラーレスカメラならではのショートバックフォーカスによるものに加えて、新しく採用した“電子式フローティングフォーカス機構”を採用したからとのことです。
従来のEF70-200mm F2.8はインナーフォーカスタイプのため、レンズ構成の中でどうしても固定しなければいけないレンズがありました。そのためズームしても全長は変わらないものの、少し細長いものになっています。
電子式フローティングフォーカス機構は、2つのレンズ郡を動かす仕組みです。レンズ郡を動かすために、レンズ構成を見直した結果、サイズダウンに成功したとのことです。
また、レンズ郡を見直したことで19郡23枚あったレンズは13郡17枚に減少。軽量化に成功したのもこの機構のおかげとのことでした。
ちなみに、近距離での撮影時の画質が向上したのも電子式フローティングフォーカス機構のおかげだそうです。(一石三鳥!)
フードが白くなったのはなぜ?
小さなことですが、フードの仕組みが100-400mmと同じようなものの、色が白くなっていたので、気になって聞いてみると
「レンズ全体が白いのと同様に外気温度が上がっても、レンズ内の温度をできるだけ上げないため」とのことでした。
屋外で撮影する時に持ち出すことも多いレンズですから、レンズ内外の温度ができるだけ上がらないように配慮されているのは嬉しいですよね。
繰り出し式だと防塵防滴性能が気になる
ズームして全長が変わると、重心バランスや耐久性が気になるところですが、なんといっても防塵防滴性能が気になるところです。
しかし防塵防滴性能について、もちろんしっかり考えられており、水やホコリが侵入しそうな部分にはシーリングを施しただけでなく、外に出るように設計したとのことでした。
プロも使う現場を考えている程なので、安心感があります。
さいごに
今回はショールームにあるデモ機を使用したため、実写データを撮ることや、逆光耐性などを試してみることができませんでした。
しかし、見た時と持った時のコンパクトさ、200mm側の最短撮影距離位置で見たボケ量は非常に凄いものでした。
1日でも早く実機をレビューしたいと思ったのは、大三元レンズの魅力でしょうか?
気になる方はぜひご覧になってください。(きっと驚きますよ!)