マルミ光機 EXUSサーキュラーP.L MarkIIレビュー | 進化点をメーカーに直接聞いてみました!
はじめに
2020年7月16日に新発売になった、マルミ光機のC-PLフィルター「EXUSサーキュラーP.L Mark II」。風景写真撮影では欠かせないPLフィルターですが、どんな部分が従来から変わったのか?他のシリーズとどんな違いがあるのか?非常に気になるところです。商品を単体で見ても、その違いはなかなか分かりにくいので、マルミ光機さんの東京都内にある本社にお伺いして、長野県にある生産工場とテレビ会議で取材をさせて頂きました。
EXUSサーキュラーP.LMarkIIの特徴
EXUSサーキュラーP.L Mark IIは、新たに専用設計された偏光膜が採用されています。 従来の高透過偏光膜よりも、ニュートラルなカラーバランスとなるよう新たに専用設計をし、被写体の表面反射を抑え、色彩コントラストを強調し、自然で色鮮やかに仕上がるように改良されたC-PLフィルターです。
フィルター径のサイズのラインアップも37mm~95mmと充実しており、様々なレンズに対応ができます。特にマイクロフォーサーズの小さなレンズのフィルター径にも対応しているのは有難いですね。
さらに日常的に使いやすい、撥水コーティング・防汚コーティング・帯電防止コーティングが施されています。この3つのコーティングがされていることで安心して様々なシチュエーションで使用する事ができます。
本文
従来のPLフィルターとの比較
EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは、高透過偏光膜を採用していることによって従来のC-PLフィルターよりも明るいC-PLフィルターになっているので、フィルターを装着した状態でもあまり暗くならず、構図の確認やピント合わせもしやすくなっているのが特徴の一つです。
明るいというのは、日常使いで非常に有効なポイントです。シチュエーションによっては、C-PLフィルターを付けっぱなしで使用する場合も多々あると思います。そんな時、シャッター速度がそれほど落ちない明るいC-PLフィルターのメリットはとても高いと思います。
マルミ光機では、このEXUS CIRCULAR P.L Mark IIの他、DHG Super サーキュラーP.L.D、DHG サーキュラーP.L.Dの3種類のC-PLフィルターが販売されていますが、EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは高透過偏光膜を採用により、DHGシリーズのC-PLよりも1.5倍程度明るくなっています。
それぞれの仕様や販売価格も違ってきますが、せっかくいいレンズに付けるなら、EXUS サーキュラーP.L Mark IIを選択したいところです。EXUS サーキュラーP.L Mark IIは、各種コーティングが施されていることにより、キズや汚れも付きにくくなり、フィルターの耐久性もアップしています。
フィルター効果以外の部分になりますが、フィルター枠のフッ素加工もお勧めのポイントです。筆者も経験があるのですが、回転式のフィルターがレンズに強く噛みこんで外れなくなってしまった事を数回経験しています。撮影現場でこんな事が起きてしまうと焦ってしまいます。EXUS サーキュラーP.L Mark IIは、フィルターのオスネジ外周部にフッ素加工を施すことによって、そんなトラブルを未然に軽減してくれるのも安心して使用できるポイントです。
実際に使ってみて感じたPLフィルター効果
上の写真は、同じ位置からEXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルターの有無しの写真を合わせたものです。左半分はフィルター無しで右半分がC-PLフィルターを付けた状態で撮影しています。
青い空と白い雲のメリハリがハッキリとして夏の高原を表現するのには、C-PLフィルターは最適です。
クリエイティブスタイル(ソニー)などのカメラの機能で風景モードにすると、コントラストが強くなり、PLフィルターを付けたような感じで撮影もできますが、ちょっと気を付けたいのが風景モードでC-PLフィルターを付けて撮影すると、コントラストや色味がキツくなり不自然な仕上がりになる傾向があります。
下の写真は、同じ状況でフィルターを付けて、クリエイティブスタイルを風景にして撮影したものです。C-PLフィルターを使用する際には、クリエイティブスタイルはスタンダードかニュートラルにするのが無難なようです。
C-PLフィルターは自然風景だけでなく、街中スナップにも効果を大きく発揮します。日中の太陽の反射が強いビルの壁面を撮影すると、C-PLフィルターの効果が良く分かります。
C-PLフィルターはフィルター枠を回転させて、効果を確認しながら撮影をしますが、なんでもかんでも反射を除去すれば良い訳ではありません。上の様な写真では、赤いポールの街灯を見れば分かるように、反射を除去しすぎるとポールがフラットになってしまい、立体感や質感が失われてしまいます。C-PLフィルターを使って撮影する場合は、微妙に効果の効き具合を変えながら数カット撮影するのが良いでしょう。
C-PLフィルターは反射を除去するだけでなく、反射を強調する事も可能です。
下の写真は夕方の空の色が刻々と変わっていくタイミングの写真ですが、この様なシーンではC-PLフィルターで反射を除去するのはNGです。反射を除去するとせっかくの簿妙な空の色合いの反射が取り除かれてしまいます。
下の写真は、C-PLフィルター無しの状態で撮影したものです。
次にC-PLフィルターを装着して、反射を除去した状態で撮影したものです。水面の反射が除去された事により水面が暗くなることや、水面からの反射で少し明るくなっていた船体の下の部分も少し暗くなってしまっています。
次にC-PLフィルターを回転させ、一番反射効果が強い状態にしました。
空のブルーが水面に写り込み鮮やかさが増し、船体も明るくなり空の反射が活かされたシーンになりました。
EXUSサーキュラーP.L Mark IIは、高透過偏光膜を採用している明るいC-PLフィルターなので、暗くなるまでフィルターを付けっぱなしにして撮影を続けてもまったく問題なく撮影を続ける事ができました。EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは、非常にニュートラルなカラーバランスで自然に仕上がるC-PLフィルターで使い勝手の良いフィルターです。
EXUSサーキュラーP.L MarkII商品ページはこちらから
まとめ
C-PLフィルターはフィルターの中では一番繊細なフィルターで、偏光膜自体は高温多湿には苦手です。高温になる車の中や湿度の高いところに保管してしまうと、C-PLフィルターの寿命が短くなってしまいますので注意しましょう。防湿庫などでレンズと一緒に保管するのがベストです。
一般的にC-PLフィルターの寿命は使用状況、保管状況によりますが3~7年ほどと言われています。筆者もそうですが自分が買ったC-PLフィルターですが、何年前に購入したかも分からくなってきますよね。そんな時は、身近で新しく購入した人がいれば、少し比較させてもらうのが一番です。劣化してきたC-PLフィルターはフィルター自体の色味が変わってきます。比べればすぐにわかると思います。
またマルミ光機さんのフィルターのケースですが、落としてしまった時でもケースが割れない素材を採用しており、ポケットなどに入れても取り出しやすい形状として楕円形のような形をしたケースが採用されています。
今回新しくなった、EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは明るいC-PLフィルターとして日常的にあらゆるシーンで活躍してくれるC-PLフィルターではないでしょうか?
ご自身のC-PLフィルターが購入してから5年ほど経過しているようでしたら、買い替えの検討をしてみてください。
フィルターの話からそれますが、関連商品として同日に発売されたEXUS LENS CLEANING SPRAY (エグザス レンズクリーニングスプレイ)について、少しご紹介します。
レンズ・フィルターを正しく、末永く使う為にはお手入れが非常に重要です。EXUS LENS CREANING SPRAYは、高性能なレンズ・フィルタークリーナーで、専用のマイクロファイバークリーニングクロスと、イソプロピルアルコールを含むクリーナー液のセットになっているクリーニングキットです。マルミ光機さん曰く、この専用のマイクロファイバークリーニングクロスがとっても凄いとの事。
実際に使ってみましたが、とても簡単に汚れをふき取ってくれる優れモノです。専用のポーチもあるので、ハードな撮影の際には一緒に持ち歩くものいいかもしれません。
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