ぜひ試してほしい!小物を使った撮影で写真に目新しさを加えよう
はじめに
こんにちは、フォトグラファーのtomosakiです。普段は青春や物語を感じるシーンをテーマに写真を撮影しており、風景の中に人物を置いた作品撮りをしています。
私は普段よく「小物」を使って撮影をします。理由としては、小物によって写真に物語性を加えることや、被写体の魅力をより伝えることができるからです。
小物を使うことで写真に目新しさを加えることができるので、「場所が変わっただけでなんだか雰囲気が一緒な写真になってしまう……」というお悩みの方にぜひ見ていただきたいです。
アイテムで夏らしさを演出しよう
夏といえば、ラムネ!
ラムネは寄りでも引きでも夏らしさを表現できます。
まずは寄りの写真です。
私がラムネを寄りで撮影をする際に気を付けていることは二つ。
ラムネに光を透過させる
これは順光で撮影していますが、光が指に反射してラムネ瓶の中で光を放っているのがわかるでしょうか。光を透過させることにより、ラムネの存在感を強調させ夏の清涼感がより伝わる写真にしています。
夏らしい背景で撮ってみる
特におすすめなのは、海や打ち上げ花火です。理由としては、逆光での撮影になるため、上で述べた光が透過する構図になります。ラムネ瓶の美しさが強調され、夏の空気感も同時に伝えることができます。
寄りで撮影をしてみたら次は引きで撮ってみましょう。
花火とラムネを持った少女たちを題材に写真を撮ってみました。
ラムネを持つことによって、被写体に動きが加わります。
具体的には「持つ→乾杯する→飲む」の3つのポーズを撮影することができます。きっとラムネを持たなければ少女たちは花火を見上げているだけになっていましたが、写真のように二人が会話をしている声も聞こえてくるような物語性が加わってきます。
条件が難しいのですが猫と遭遇した時はラムネを突き出してみると、まるで会話をしているかのような一枚を撮れるかもしれないので、ぜひ挑戦してみてください。
傘を使ってみよう
傘はいろんな表情を見せてくれます。今では必ずと言っていいほど撮影に持ち出しています。それでは一つずつ説明していきます。
傘越しに世界を写す
雨が降った日には、ぜひビニール傘を持って街を歩いてみてください。おすすめなのは、傘に滴る雫を被写体にすることです。できるだけ背景は色鮮やかな花や光を入れると綺麗に水滴を撮ることができます。また、大きくボケる単焦点レンズやマクロレンズがあると、より水滴を美しく描写することができるのでおすすめです。
雨の日は撮影を避けがちですが、アイデア一つで楽しむことができます。
傘に光を透過させる
雲の隙間から夕日が顔を出したので、傘をさして撮影をしてみました。
夕日の光が傘に反射して、幻想的な雰囲気をより一層強調させています。
また、物語性を生み出す鍵にもなっています。
写真を見た人に「雨が上がったのかな?」と想像してほしいという意図があります。そのため傘に焦点を当てたいと思い、被写体の目線を傘に向けてもらって、傘により光が当たる構図で撮影しました。
星空の下で傘を使って撮影してみました。傘が月光に照らされて光っているように見えますが、実はスマホの光を反射させています。スマホのライトが傘に当たるようにモデルさんに持ってもらいライティングしています。夜に傘をさしても、工夫一つで幻想的な表現をすることが可能です。
傘を差し色にしてアクセントをつける
色のついた傘を持ってもらうことにより、写真にアクセントをつけることができます。傘の色を選ぶコツとしては、画のなかに傘と同じ色が入っているものを選んでみてください。理由は画に統一感が出るためです。たとえばこの写真では被写体の赤色のマフラーに揃えて傘を赤色にしました。
カメラで撮り合いをしてみよう
ポートレートを撮る際に、私はよくモデルさんにカメラを持ってもらいます。
理由は3つあります。
1つ目は、被写体がカメラに集中するので自然な表情を引き出しやすい。
2つ目は、顔の一部がカメラで隠れるため、顔が盛れて被写体に喜ばれやすい。
3つ目は、写真を見た人が「ファインダー越しの世界はどんな景色なんだろう」と物語を想像できる。
また、持ってもらうカメラは小型なフィルムカメラやミラーレスカメラなど、コンパクトなものだと収まりが良く、可愛いのでおすすめです。
被写体が二人いる場合は、いつも撮り合いをしてもらっています。その際にはあまり指示をせずに、自由にシャッターを切ってもらうことが多いです。二人の距離感や関係性が写真で表現できるからです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。いつも私が撮影の際に使用している小物と、その撮影テクニックを紹介していきました。小物を使うと撮影がより楽しくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
■フォトグラファー:tomosaki
2000年生まれ、福井県出身。現在は福井県と神奈川県の二拠点を中心に活動中。「青春や物語を感じるシーン」をテーマに撮影している。2023年よりフリーランスフォトグラファーとして活動。2020年「東京カメラ部10選U-22 フォトコンテスト」に入選。2022年KADOKAWAより「あの頃にみた青は、」、モッシュブックスより「L&SCAPE 撮りたい世界が地元にある」を出版。