ニコンミュージアムがリニューアル!歴代カメラがずらり勢揃いの新館をレポート

ShaSha編集部
ニコンミュージアムがリニューアル!歴代カメラがずらり勢揃いの新館をレポート

新生「ニコンミュージアム」

ニコンの製品や技術を一堂に展示した施設「ニコンミュージアム」が2024年10月12日にリニューアルオープンする。今回ShaSha編集部では、正式オープン前に取材する機会を得たので、いったいどんな施設になっているのかレポートをお届けしよう。

元々ニコンミュージアムは、2015年10月にニコン創立100周年プロジェクトの一環として品川で開館した。同社の技術と伝統、そして進化を体感できる施設として多くのニコンファンが来訪し、2024年2月末の休館までに約19万人もの人が訪れたという。

今回、ニコン本社が2024年7月に東京都品川区西大井へ移転すると同時に、ニコンミュージアムも新本社内へ移転。旧ミュージアムよりも広くなり、展示内容もさらに充実したものとなった。エントランス、インダストリー(BtoB事業)、コンシューマー(BtoC事業)、シアターの4つのゾーンで構成されており、中には実際に触ったり動かしたりしながらニコンの「伝統と革新」を存分に体感できる施設となっている。

ミュージアムの担当者に見どころを聞くと、「歴代カメラのコーナーは旧ミュージアムの2倍近い27mもの壁を使った展示になり、点数も増えているので時間をかけてゆっくりじっくり見てもらえると嬉しい。カメラのタッチ&トライコーナーを含めて、体験できる展示も数多くあるのでぜひ楽しんでもらいたい。」と語ってくれた。

インダストリーゾーン

「ニコンの技術のシンボル」である合成石英ガラスインゴット
半導体露光装置などの最先端技術を紹介
顕微鏡や天体望遠鏡なども手掛けているニコン

一般企業や研究機関、医療機関、さらには宇宙開発のプロジェクトなど、産業用の製品や技術を展示したのがインダストリーゾーン。フロアの中央に堂々と佇むのは「ニコンの技術のシンボル」である合成石英ガラスインゴットだ。旧ミュージアムでも展示されていたものだが、ニコンの起源である光学ガラス製造の技術を実際に触って体感することができる。

このガラスインゴットを囲むように4つのコーナーが設けられ、半導体露光装置や顕微鏡&天体望遠鏡、測定器、光加工機などが展示されている。ニコンと言えばカメラのイメージが強いが、こんなものも手掛けていたのかと驚かされる機器ばかりで、科学博物館に来たかのような体験を楽しむことができるだろう。

コンシューマーゾーン

ニコンの歴代カメラがずらり勢揃い
ニコンの名前を初めて冠したカメラ「ニコンI型」
1963年に登場した全天候型カメラ「ニコノス」の初代機
ニコンのデジタル一眼レフの礎となった「ニコンD1」

カメラファンのお目当てとなるであろう、歴代カメラ・レンズの展示コーナーとなるのがこちらのコンシューマーゾーンだ。フィルムから最新のデジタルまで歴代機種が勢揃い。広い壁一面にずらりと並んだ様子はまさに圧巻で、この膨大な製品数からもニコンの歴史の長さを感じることができる。

旧ミュージアムで約450点だったカメラ展示は、今回500点以上に増えており、今まで並んでいなかった製品も追加されているという。一眼レフカメラやミラーレスカメラだけでなく、コンパクトカメラや8mmカメラなど、なかなかお目にかかることのない貴重な機種も多数展示されていた。

その中でもアイコニックな1台をピックアップするなら、ニコンカメラの初号機である「ニコンI型」だろう。「Nikon」の名前を初めて冠した製品であり、ここからニコンM型、S型、SP型、そして一眼レフカメラのF型へと進化を遂げていくことになる。

Fマウントレンズの展示も圧巻だ
代表的な製品を実際に触れるタッチ&トライコーナー

カメラの反対側には歴代のFマウント交換レンズがずらりと並ぶほか、奥に進むとニコンのFシステムにフォーカスした展示、その隣には試作機や産業用レンズ、そしてニコンが創業当時から作り続けている双眼鏡のコーナーなどが展開されていた。

またタッチ&トライのコーナーも設けてあり、カメラやレンズ、双眼鏡などニコンを代表する計12個の製品を体験することが可能だ。あくまでニコンの技術を感じる場であるため、現行製品をあれこれ試したいというユーザーは東京と大阪にあるニコンプラザに足を運んでほしい。

シアターゾーン

歴代カメラのカタログを閲覧できる「メディアテーブル」

薄暗いシアターゾーンで目を引くのが140インチの大型スクリーン。ニコンが思い描く未来をイメージしたというオリジナル映像が流されていた。スクリーンに向かって座れる腰掛けも用意されており、ここで企画展などの各種イベントも随時開催予定だという。

また、歴代の製品カタログが表示された「メディアテーブル」も設置してあり、ディスプレイをタッチして拡大したりめくったりして閲覧することができた。往年のカメラカタログを眺めて懐かしむことができそうだ。インダストリーゾーンにもメディアテーブルが設置してあり、そちらではカメラ以外の産業機器も含めた製品たちを画像で見ることが可能だ。

エントランスゾーン

広々としたエントランスでは、ニコンの原点である光学ガラスの歩みを展示。「日本光学工業」としての創業期からのブランドシンボルが歴史を感じさせてくれるとともに、レンズをイメージした円形スクリーンではニコンの技術をイメージさせる映像も投影されていた。

オリジナルグッズが多数並ぶミュージアムショップ
お馴染みの「ニコンようかん」もリニューアル
手軽に身につけられるアクリルキーホルダー

エントランス横にはミュージアムショップも併設されており、ここでしか買えないオリジナルグッズも販売される。ユーザーのリクエストを取り入れた新しいアイテムも追加されたとのことで、ニコンミュージアムロゴ入りのTシャツやトートバッグ、カメラストラップ、キーホルダーなど多数のグッズが並べられていた。

その中でも注目なのが、カメラファンならご存知「ニコンひと口ようかん」だ。ミュージアムの移転とともにこのニコンようかんも全面リニューアルされ、新たにコーヒー味が登場している。レンズの光学系を模したパッケージデザインが採用されており、カメラ仲間へのお土産としても良さそうだ。

さいごに

西大井に移転してきたニコン新本社
床に散りばめられた光学ガラスの廃材
ニコン本社周辺にあるレンズキャップを模したマンホール

新生「ニコンミュージアム」はニコン新本社の1階にリニューアルオープンということで、アクセスとしては西大井駅より徒歩約4分、大井町駅より徒歩約12分という立地だ。ニコン本社前には大きなNikonロゴが掲げられているのですぐ分かるはず。

また、ミュージアムに至るまでの建物内の床には、ニコン製の光学ガラスの廃材が散りばめられた箇所があり、細かい部分まで光学メーカーらしさが現れている。さらにはレンズキャップを模したマンホールも本社周辺にいくつかあるとのことなので、ニコンミュージアムを訪れた際にはぜひ探してみてはいかがだろう。

ニコンミュージアム基本情報

■所在地:140-8601 東京都品川区西大井1-5-20
 株式会社ニコン 本社/イノベーションセンター1階
■交通案内:
西大井駅より徒歩約4分
大井町駅より徒歩約12分
下神明駅より徒歩約10分
■開館時間:10:00~17:30(最終入館は17:00まで)
■休館日:月曜日、日曜日、祝日および当館の定める日
■入館料:無料
■WEBサイト:https://www.jp.nikon.com/company/corporate/museum/

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