ドラマチックな作品に仕上げる「桜」の撮影テクニック
はじめに
こんにちは。フォトグラファーのtomosakiと申します。
ようやく厳しい寒さも終わり、春の暖かさが感じられる頃となりました。
春といえば桜。桜の撮影は通行人や余計なものが写り込んだり、実際に撮ってみるとイメージと違ったものが出来上がったりと苦戦しがちです。今回は「桜」をテーマに、私流の写真の撮り方を説明していこうと思います。
背景を整える。
私がいつも桜を撮る際に意識していることは、いかに背景をゴチャゴチャさせないかです。引き算をして余計なものを入れないことが重要になってきます。
引き算を行う上での私なりの優先順位を説明していこうと思います。
1.枝を見極める
まず私が桜を撮る上で意識しているのは、枝の生え方です。
邪魔になる枝が写っていないか、空がすっきり見えるかを重要視しています。この写真は枝の末端を撮った写真ですが、ごちゃついておらず桜の花を目立たせることができていると思います。
枝をよく観察して構図を意識してみましょう。木々が隣り合わせになっている時に、それぞれの枝が向かい合っているところに被写体を置いてみてください。そうすると放射線構図のように、見せたいものを引き立たせることができます。例えば左右から伸びる枝の先端に月を置いて撮影してみると、より奥行きを感じるのでおすすめです。
2.ローアングルから撮る
桜並木はどこも通行人が多く、普通にカメラを構えても写り込んでしまうことが多いですよね。
そんな時は土手を下りて目線を下げ、桜並木をローアングルで横から撮るように意識をするとより写り込みを防げるのでおすすめです。
いかに通行人を写さないかというのが世界観を作る上で重要になってきますので、画面の隅々まで注意を払ってフレーミングするようにしましょう。
3.背景を決める
より魅力的な桜の写真を撮るためには、桜を際立たせる「色」の選択が重要です。
桜は背景の色が濃いとくっきりと輪郭が浮かび上がってきます。
特にソメイヨシノを撮る際は、花弁が淡いピンク色なので、背景をくっきりとした青空や黒を選ぶと桜の生命力や生き生きとした表情が浮かび上がってきます。
背景が黒くなる夜桜の撮影の際は、街頭の近くで撮るのがおすすめです。逆光で桜が照らされることにより暗い背景との明暗がはっきりするため、より桜の存在を強調することができます。
夕暮れや朝焼けの際に撮ると、桜の淡い表情や儚さを強調できます。そのため、空の色に応じて桜の表現を変えるよう意識してみると雰囲気のある作品に仕上がります。
桜+○○を決める。
私が写真を撮る際に大切にしているのは、主題と副題の設定です。撮影に出かけた際に「主題は見つけたけど副題がない・・・」と悩むことが多いのですが、春はそんな悩みが吹き飛ぶボーナスステージだと思っています。
というのも桜を副題にして、あとは画面内でメインとなる主題を見つけるだけで、いつもよりも何倍も魅力的な写真を撮ることができるからです。
普段何気なく通っている道でも、桜が咲いているとドラマチックなシーンに変貌します。例えば上の写真は主題(バス停や踏切)に加え、副題である桜が加わっていることでより印象的に仕上がっていると思います。春は主題と副題が見つけやすいので、ぜひいつも撮らない場所も注目してみてほしいです。
桜以外にも着目する。
実は桜の影ってすごく可愛いんです。少女の目線の先には満開の桜が咲いているのだろうという想像が膨らみ、物語のある写真を撮影することができます。ぜひ桜の花だけに注目せずに、桜が作り出す影の形にも注目して写真を撮ってみてください。
さいごに
桜をテーマとした作品作りのコツを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。いざ撮りに行くと意外と苦戦する桜の撮影ですが、この季節だけの魅力的な作品が撮れますので、ぜひ皆さんも記事で解説した内容を意識して撮影に臨んでみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
■フォトグラファー:tomosaki
2000年生まれ、福井県出身。現在は福井県と神奈川県の二拠点を中心に活動中。「青春や物語を感じるシーン」をテーマに撮影している。2023年よりフリーランスフォトグラファーとして活動。2020年「東京カメラ部10選U-22 フォトコンテスト」に入選。2022年KADOKAWAより「あの頃にみた青は、」、モッシュブックスより「L&SCAPE 撮りたい世界が地元にある」を出版。