#『ハーフカメラの代表!オリンパス ペン EESのすすめ』|フィルムカメラの魅力 国分真央
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はじめに
皆様こんにちは!国分です。
今回は昨今でブームになっているハーフカメラで、私がずっと使っているOLYMPUS PEN (EES)の作例をお見せしつつ、この機材の魅力についてご紹介したいと思います。
最近はPENTAXやKodakからも新しくハーフカメラが登場し、1本のフィルムで2倍の量が撮れるハーフカメラに注目が集まっています。
この記事を通して、これから手にしてみたい方にも候補の1つとして参考になれば幸いです!
すべて自分で装填し、組み立てていくような楽しさ
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まずざっくりですが、私が使っているOLYMPUS PEN (EES)の自己紹介から。
1962年に発売され、発売当初から今でも親しみやすいサイズ感と予算で買えるカメラです。
中古カメラ市場でもよく目にするので、在庫としても比較的求めやすい存在と言えます。
シャッタースピードは1/30秒と1/250秒、フィルム感度はISO100~200までが推奨となります。
またピントの部分は目測なので被写体との距離に気を配りながら撮影します。
レンズはF2.8と明るく、夕暮れの時間帯でもギリギリ遊べるポテンシャルを持っています。
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最近のハーフカメラはフィルムの一眼レフのように裏蓋を横に見開くような動作で開きますが、このカメラは上下に引っ張るように取り外しをしてフィルムを装填するので、私も最初手にした時は少しだけ練習しました。(笑)
元々私が不器用なので、器用な方はそこまで悩まないかもしれませんが、取り付け自体は慣れれば単純な動作です。
ハーフカメラと出会ったきっかけ
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私がこのカメラを手にしたのはおよそ8年前になります。
百貨店の中古カメラの催事にたまたま母と向かい、出会ったのがきっかけです。
その時期から35mmのフィルムネガで、2倍撮れるならすごくお得だな~と考えていましたし、20代ということもあり「フィルムでたくさん写真を撮りたい!」という”写欲”にもかられていました。
OLYMPUS PENシリーズは、デフォルトのデザインは黒か薄いグレーの革が張られている事が多いのですが、蛇革に仕立ててあったデザインを見て一目惚れし、購入しました。
そして、晴れてハーフカメラデビューとなったのです。
最近はフィルムカメラの革の張り替えがされているデザインもSNS等でよく見るので、「普通の黒やグレーじゃつまらない…」という方はデザイン重視で探し、使い始めるのも良いと思います。
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フィルムの種類を変えて様々な色を楽しむ
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先程の機材紹介で装填するフィルムはISO100~200が推奨と記載しているのですが、Cine still 800Tを使って暗い時の写真や、少し明るくはなりますが絞りを調整し日中の撮影も可能です。
特に夜の街灯が十分にあるところなどは撮影可能で、体がブレないように意識しつつ撮影しました。
またLomoChrome Color ’92も相性がいいなと感じました!
建物と空という対照的な被写体で撮れるのもハーフカメラの魅力ですよね。現像はラボにもよると思いますが、2in1で私はいつもお願いしています。
その理由を下記で説明したいと思います!
2in1で現像し、ストーリー性を持たせる
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私は基本的に現像をお願いする際に2in1で(2枚の写真が1枚に同居するように)お願いしています。
昔の映画のようにコマを意識させて、ストーリー性を持たせたいと考えているからです。
撮影時に意識していることは、1枚目に被写体を撮影し➝2枚目の隣にくる写真はその身の回りのものや曖昧なものなど、周りの環境を取り入れることが多いです。また被写体が人であった場合は動きを変えたりなどの声掛けをして、工夫をしています。
ハーフカメラはたくさん撮れるだけでも素敵なことですが、こういった”流れ”を意識すると作品性も高まるので、まだ試したことがない方はステップアップとして是非試してみてください!
それから撮る際にカウンターを+α意識することも大切なので、”1回撮る時は2枚撮り切る”ように計画すると分かりやすいです。
もし1枚ずつズレたとしても、同じシーンや撮影日であればそこまでシーンの差異はないと思いますし、別日での撮影に持ち越されたとしても、それはそれで新しい組み合わせにもなり得るのであまり神経質にならないよう、楽しく撮影する気持ちは忘れずに挑戦してみてください!
横向きで撮るのもオススメです
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フィルム:Lomography Color Negative 400
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ハーフカメラは通常通りファインダーを構えると縦構図として撮影されるのですが、カメラを傾けて2枚撮るのも個人的には好きです。
先程お話した通り、ストーリー性も作り上げられますし動きも出ます。
また現在はスマートフォンで写真を見る方も多いので、画面に表示された時の”臨場感”も味わえると考えています!
ちなみに別機材になるのですが、京セラのSAMURAIというシリーズのカメラは、通常縦構図のハーフカメラとは違い横構図で撮れるので、ずっと横構図で撮っていたい!という方はSAMURAIなど他のカメラを検討するのもありです。
SAMURAIは私も使っているので、こちらの作例をよろしければご覧ください。
おわりに
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いかがでしたでしょうか。
今回は私が愛用しているOLYMPUS PEN (EES)の作例と撮影時の工夫や理由についてご紹介しました。
ハーフカメラの熱はまだまだ冷めやらぬ雰囲気なので、私も引き続き使っていきたいカメラの1つです!
それでは!
■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。