モノクロのススメ vol.7「ソフトなセピアでノスタルジック散歩」|佐々木啓太
はじめに
モノクロのススメ vol.7はセピアの話です。フィルム時代は銀粒子の変質を防ぐために調色をすることがありました。その中でよく使われたのがセピア調色で、今回はそんなセピア調色のような世界を楽しみました。
使用するカメラとレンズ
カメラ:PENTAX K-3 Mark III Monochrome
レンズ:HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited
プラス BlackMist No.1でソフトに
今回はレンズの前につけるソフトフォーカスフィルター(光学フィルター)を使って撮影しています。これはセピアの色合いから感じるノスタルジックな雰囲気を強調するためです。レンズの前にソフトフォーカスフィルターをつけると光のにじみが強くなるので、優しい感じでノスタルジックな雰囲気が上がります。
この雰囲気を楽しむためには、今回使った光学のソフトフォーカスフィルターが効果的です。BlackMist No.1は暗部の締まりを残したまま光のにじみが出るので、モノクロにも向いているソフトフォーカスフィルターです。
ちょっとアンダー気味や夜景でも活躍
ソフトフォーカスフィルターにあった光のにじみを使うときは、それがよりフワッとなるオーバー気味の露出がオススメですが、たまに少しアンダー気味にすると変化がつきます。アンダーにすると暗部の締まりが良いBlackMist No.1の特徴も活きます。
夜景の撮影では街灯の光のにじみが少し強いですが、昼間の街中ではこの強さが効果を発揮します。光のにじみの強さが気になるときは、今回使ったBlackMist No.1より少し効果が弱いBlackMist No.05もありますが、私は昼間の雰囲気を優先してBlackMist No.1を愛用しています。
曇天でも活躍
趣のある街や懐かしいものだけでなく、いつもの街でも活躍してくれるのがこのイメージの良いところです。特に光が弱い曇天のときに試してください。光の弱い曇天は光と影の印象が弱くなるので、雰囲気で表現するのにあっています。
まとめ
この連載はちょっと小難しい話が続いていますが、大切なのはたくさん撮ることです。たくさん撮るうちに光も感じやすくなります。今回のような雰囲気重視も試しながら、モノクロ写真を楽しんでください。
モノクロ撮影でのフォトウォーク開催のお知らせ
カメラのキタムラ写真教室で「モノクロ街角写真グループ」がはじまります。まずはフォトウォークを通じて佐々木啓太と一緒に実践でモノクロ写真に必要な光を得るためのアングルを体験してください。
12月7日(土)モノクロ街角写真グループ 代官山
https://www.npopcc.jp/classroom/detail/?id=7298&category_id=15
■写真家:佐々木啓太
1969年兵庫県生まれ。写真専門学校を卒業後、貸スタジオ勤務、写真家のアシスタント生活を経て独立。街角・森角(モリカド)・故郷(ふるさと)というテーマを元に作品制作を続けながら、「写真はモノクロ・オリジナルはプリント」というフィルム時代からの持論を貫いている。八乃塾とweb八乃塾を主宰しフォトウォークなども行い写真の学びを広めている。