PENTAXのスペシャルカスタムイメージ「夏天(KATEN)」で夏を切り取る
はじめに
PENTAXから「カスタムイメージ Special Edition」が登場しました!第一弾の「夏」バージョンを皮切りに、これから1年かけて秋、冬、春を印象的に描きだすためのカスタムイメージが連続でリリースされるそうです。カメラは「K-3 Mark III」、「K-1 Mark II(K-1)」が対象で、使用できるレンズも限定となっています。
カメラとレンズ限定の「カスタムイメージ Special Edition」
ペンタックス一眼レフカメラの色再現性はとても素晴らしく、評価が高いことはShaSha読者の皆さんならよくご存じでしょう。「カスタムイメージ」として知られるそれは数多くの種類を持ち、最近では「里び(SATOBI)」が追加されたことが記憶に新しいですね。
「カスタムイメージ」の」詳細はリコーイメージング公式サイトのこちらをご覧ください。
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/custom_image/
さて、今回の機能拡張ファームウェアアップデートで加わった「カスタムイメージSpecial Edition」第一弾は、夏のカスタムイメージ「夏天(KATEN)」です。仕上がりは夏の抜けるような青空と雲のディテール、日差しの強さを感じさせる画づくりとなっています。
アップデート対象のカメラは「K-3 Mark III」、「K-1 Mark II(K-1)」(J limited 01含む)で、使用できるレンズは「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」、「HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited」の2本のみとなっています。広い画角に鮮やかな青い空を描き出すことができそうですね。往年のリバーサルフィルムにPLフィルターをかけて、露出を切り詰めたような発色が魅力的になっています。
ペンタックスは今後、季節ごとに3つのスペシャルカスタムイメージをリリースしていくそうですが、その概要はこんな感じになっています。
秋:対象カメラ・パートナーレンズ
PENTAX K-1 /K-1 Mark II、PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited
HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited
HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited
HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
冬:対象カメラ・パートナーレンズ
PENTAX K-1 /K-1 Mark II、PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited
春:対象カメラ・パートナーレンズ
PENTAX K-1 /K-1 Mark II、PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
どんな「カスタムイメージ Special Edition」なのか今から楽しみですね。その名称とリリース時期の正式発表を心待ちにしたいと思います。
さて今回のカスタムイメージ Special Edition「夏天」ですが、さっそく「K-3 Mark III」と「HD DA15mmF4」で試してきました。とても印象的な画作りで迫力があり気に入ってしまいましたよ。それでは作例をご覧ください。
夏天(KATEN)はこのような仕上がり
その前に、まずは「夏天(KATEN)」と代表的なカスタムイメージを比較してみましょう。
・「夏天(KATEN)」 夏の青空と雲のディテール、日差しの強さを感じさせる色合いです。
・風景 「鮮やか」をベースにして青空などを強調した色合いです。
・リバーサルフィルム ポジフィルムで撮影したようなコントラストの高い深みのある色合いです。
・「里び(SATOBI)」 くすんで褪せたような少しレトロ調な色再現性になっています。
このように「夏天(KATEN)」はより青空をダイナミックに印象的に写し出せるカスタムイメージ Special Editionになっています。パートナーレンズの広角感とピッタリとマッチした世界観がいいですね。
K-3 Mark III + 夏天(KATEN)は面白い!
「夏天(KATEN)」でのファーストショットです。「K-3 Mark III」のシャッターを切り液晶を見た瞬間に「カッコいい!」と叫んでしまいました。太陽の光芒と美しい雲、それにビルのテカリが「夏!」という感じ満点ですね。
こちらも同様のカットです。より夏らしい椰子の木をフレームに入れて撮影しました。ダークに落ちた空が過酷な夏の暑さを醸しだしています。
今度は路傍に咲く紫陽花を撮ってみました。やはりコントラストが高まって、濃厚な色合いになりました。このようなシチュエーションでは思い切ってアンダー目に露出補正をかけるといい仕上がりになりましたよ。
深い森から空を見上げてみました。まるで深い渓谷を覗いているかのようなシーンにも見えますね。太陽を入れてよりアンダー目になるようにシャッターを切ったことによって一瞬銀河のような印象も受けます。このカスタムイメージ、面白いですね!
海岸線に出てみました。やはりこういうシチュエーションでも青が美しくなってくれますね。ホワイトバランスは太陽光がいい感じになりました。好みに応じて変えてみるといいでしょう。水の透明感も実にいい雰囲気ですね。
青い空と白い雲。そして防波堤。シンプルな構成とアングルですが、カスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」は優れた発色によって絵画作品のように仕上げてくれました。プリントして額装したくなってくるほどです。
今度は道路沿いにある廃墟を撮ってみました。日陰だったのですが露出を切り詰めることによってアヤシい雰囲気のカットになりました。昔に高感度のポジフィルムをプラス2段増感して撮ったかのような感じが気に入りました。
マリーナの様子を撮ったカットですが、カスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」はコントラストが高まり、ハイライトとシャドウのメリハリがダイナミックで、いかにも夏の海沿い!というイメージに仕上げてくれました。
地下道から入口を見上げてみました。やはり青い空を入れることによって、このカスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」は夏らしさを増幅してくれます。パートナーレンズを選ぶ効果ですが、ワイドな眼を持ってシャッターを切る練習にもなりそうですね。
都心のインテリジェントビルもご覧のとおり。抜けるようなハイライト部とどっしりとしたシャドウ部の対比が何とも言えないクールな感じです。青空の落ち込みも素晴らしい雰囲気となっています。都会でも面白い効果が得られることが体感できました。
休日の丸の内なのですが、どこか異国の首都のようなイメージに撮れました。ダイナミックな夏らしく、シーンを印象づけられるカスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」だと感じました。
カスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」のまとめ
カメラとレンズ限定のカスタムイメージとなりますが、このカスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」を使いたいがために、対象のカメラとレンズを買いたくなってしまうほどの効果ですね。これからのサマーシーズンに大いに活躍する効果だと思いました。
空を入れるシチュエーションが多く、しかもパートナーレンズが広角、そして絞り込むことが多いので、センサーについたダストには注意したいものです。絞るとハッキリと写り込んでしまうので撮影前にはしっかりとセンサークリーニングをしましょう。
しかしこのカスタムイメージ Special Edition「夏天(KATEN)」、本当に気に入りました。早くも梅雨明けしてしまった日本列島ですが、夏の空をこれでガンガン撮影したいものですね!
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。