軽量コンパクトで質実剛健!「ペンタックス KF」はサクサクDSLRだ
ミラーレス一眼全盛の中キラリと光る一眼レフ
ペンタックスからアウトドア撮影に強い一眼レフが登場しました。この「ペンタックス KF」は小型軽量でフィールドでも携行しやすく、防塵防滴構造とマイナス10℃までの動作保証が魅力の1台となっています。その限定カラーモデルを持ってスナップ撮影を楽しんでみました。
※数量限定カラー「クリスタルブルー」と「クリスタルホワイト」はリコーイメージングストアなどの公式ECショップ、PENTAXクラブハウスのみでの販売
ペンタックス KFの充実性能
「ペンタックス KF」の特徴は、何といっても明るく大きく見やすい光学ファインダーでしょう。一眼レフの「命」ともいえる部分ですよね。小型軽量モデルなのですが本格的なガラスプリズムを採用して隅々まで視認性が高いものになっています。もちろん視野率は約100パーセントで、倍率も約0.95倍と撮影に専念できるスペックになっているのがうれしいですね。接眼部を覗くとその見え方にビックリしました。ペンタ部にはいざという時に役に立つポップアップ式のフラッシュも内蔵されています。
防塵防滴かつ小型軽量の「ペンタックス KF」はアウトドアフィールドで活躍する一眼レフになっています。登山や釣りなどでは何かとグローブをする機会が多いもの。そんなシチュエーションでも確実に操作できるように、大きくて節度感の高い操作部分がとても頼もしくなっています。グリップ、シャッターボタン、モードダイヤル、電子ダイヤル、背面ボタンのどれもが使いやすく感じました。
背面のバリアングル液晶モニターは約103.7万ドットの高精細な液晶パネルを使用。保護カバーとの間には、特殊樹脂を充填した「エアギャップレス」仕様になっていて、光の乱反射を押さえて視認性を高めているとのこと。自在に動かせるモニターはハイアングルやローアングル撮影でも楽チンで、天体撮影も快適なものにしてくれるでしょう。
基本撮影性能は有効約2424万画素。光学ローパスフィルターレス仕様なので画像のキレもよく、シャープな写真を撮ることができます。またアクセラレーターユニットと高速画像処理エンジン「PRIME MII」とのカップリングで低ISOでは滑らかに、高ISOではノイズが少ないクリーンな描写を提供してくれます。最高ISO感度はISO102400と低照度のフィールドでも活躍間違いなしですね。動作スピードやオートフォーカスもサクサクしており、スナップ撮影はもちろん動体撮影でもバッチリです。
もちろん強力な手ぶれ補正機能「SR(Shake Reduction)」も搭載されているので、早朝や夕方のマジックアワー時や暗い山小屋の中でも安心して撮影できますよ。超解像技術「リアル・レゾリューション・システム」もあるので三脚に「ペンタックス KF」を据えて、とても解像感の高い風景写真撮影を楽しむことも可能になっています。GPSユニット「O-GPS2」(別売)と組み合わせて簡易天体撮影ができる「アストロトレーサー」も備えています。
ペンタックス KFでブラブラスナップ撮影!
搭載されているセンサーは光学ローパスフィルターレス仕様なので精細感バツグンです。蒸気機関車のボディをリアルにキャプチャーしてくれました。金属の重厚感やライト周りのキラッとした描写がいい印象です。「ペンタックス KF」は動作スピードが小気味よいのでいい被写体を見つけたときにパッと撮影できるのが魅力です。
カラフルな生き物たちのペイントを撮りました。とても鮮やかですね。ペンタックスの一眼レフカメラは色再現が素晴らしいことで知られていますが、この「ペンタックス KF」はさまざまなカスタムイメージで撮影を楽しむことができます。14種類ものセットを備えており、それぞれ自分好みにカスタムすることが可能なので、きっと気に入ったカットを手にできることでしょう。
「ペンタックス KF」はさらに特定のレンズとの組み合わせで楽しめる「カスタムイメージSpecial Edition」にも対応しています。上位機種にしかない機能を味わえるのが魅力ですね。このカットは通常のカスタムイメージ「里び(SATOBI)」によるものです。色褪せたモミジの紅葉感が何とも言えませんね。手軽にさまざまな色再現性を堪能できるのが素晴らしいと思います。
頻繁に使う設定を登録できるUSERモードも便利です。デフォルトで「USERモード1」に登録されている「CLEAR TONE」で森を撮ってみましたが、高彩度かつ高コントラストでヌケ感のあるクリアなカットになりました。
つづいて同じ場所で「USERモード2」で撮ってみました。登録されている「HDR LANDSCAPE」でドラマチックにHDR感のある仕上がりに。「USERモード3」では「ASTROPHOTO」がデフォルトになっているので天体撮影で威力を発揮することでしょう。
光学ローパスフィルターレス仕様の有効約2424万画素センサーは、写りにキレを感じさせてくれます。池にいる手前の水鳥から遠景の立ち木とビルまで実にクリア。使用したキットレンズの「smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL WR」も軽量コンパクトでいい描写をしてくれました。
明暗差のとてもある被写体を撮りましたが、「ペンタックス KF」はハイライト部からシャドウ部まで破綻なくしっかりと捉えてくれました。エッジの効いたクールなカットが手軽に撮れてしまう性能に驚きました。
しめ縄の様子も実に克明に捉えてくれました。「ペンタックス KF」の大きくて明るい光学ファインダーは構図も決めやすく、撮影していてとても気持ちいいですね!高精度なオートフォーカスシステム「SAFOX X(サフォックス・テン)」もキビキビと合焦し、ブラブラと持ち歩いての撮影もテンポ良く決まるのでフォトウォークをとても楽しいものにしてくれました。
湧き水がコンコンと溢れ出ています。その様子を撮ったのですが、木立の中の薄暗いシチュエーションだったので感度はISO 3200になりました。しかしその写りはとてもクリーンでした。ノイズ感も少なく、水に濡れる石の描写もいい雰囲気!暗いシーンでも「ペンタックス KF」は安心ですね。
「ペンタックス KF」はボディ約684g (バッテリー、SDカードを含む)ととても軽く、ボディサイズがコンパクトなのであらゆるシーンに持ち出せる一眼レフカメラになっています。防塵防滴仕様なので登山やキャンプにはもちろん、国内旅行や海外旅行にも持ち出しやすいですね。一眼レフ機なのでバッテリーの保ちもよく、内蔵フラッシュもあるのでいざという時でも安心です。もちろん写りもカメラ任せからマニュアルモードで追い込むことも可能です。メイン機としてもサブ機としても活躍することでしょう。
ふだんのブラブラ散歩から旅のシーンまで、「あ!」と思ったシーンを手軽かつ鮮明に撮影できる「ペンタックス KF」は、見やすい光学ファインダーとシャッターレリーズの感触でその楽しみをより増幅してくれる一眼レフカメラだと感じました。ちょっとしたお出かけ時のランチシーンもご覧のとおり。いい仕事をしてくれました。
まとめ
このカメラは気軽に持ち歩けるAPS-Cデジタル一眼レフカメラだと感じました。小型軽量で操作のレスポンスもよく、何よりも光学ファインダーが気持ちいいほどの見え方なのです。写真を撮る楽しみを実感させてくれます。写りもペンタックス機らしく色再現性が素晴らしく、「カスタムイメージSpecial Edition」に対応しているところも見逃せません。ペンタキシアンなら手にしてシャッターを切ってみるべきでしょう。
ペンタックス KFのスペック
レンズマウント | ペンタックスバヨネット KAF2マウント(AFカプラー・情報接点・電源接点付き) |
使用レンズ | KAF4、KAF3、KAF2(パワーズーム非対応)、KAF、KAマウントレンズ |
有効画素数 | 約2424万画素 |
ダストリムーバル | 撮像素子駆動およびSPコーティング |
感度(標準出力感度) | ISO AUTO / 100~102400 (1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ) |
手ぶれ補正 | 撮像素子シフト方式 (SR:Shake Reduction) |
ローパスセレクター | SRユニットを用いたモアレ低減機能、オフ/Type1/Type2/ブラケット(3枚) |
連続撮影 | 最高約6.0コマ/秒、JPEG(L・★★★・連続H):40コマまで、RAW:10コマまで、RAW+:8コマまで 最高約3.0コマ/秒、JPEG(L・★★★・連続L):100コマまで、RAW:16コマまで、RAW+:11コマまで ※連続撮影可能コマ数はISO100のとき |
記録媒体 | SD、SDHC、SDXCメモリーカード(SDHC、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応) |
外形寸法 | 約125.5mm(幅)×93.0mm(高)×74.0mm(厚) (突起部を除く) |
質量 | 約684g (バッテリー、SDカードを含む)、約625g (本体のみ) |
同梱物 | ストラップ O-ST132、充電器D-BC186、USB電源アダプター、電源プラグ、USBケーブル I-USB166、ソフトウェア(CD-ROM)S-SW186、スタートガイド、アイカップFR、ホットシューカバーFK、ボディマウントカバー |
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。