シグマ 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary|ダイナミックな表現だけでない、日常のシーンを印象的に写しとめるレンズ
はじめに
2024年9月26日、シグマからキヤノンRFマウント用超広角ズームレンズ「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」が発売されました。
7月に発売された「18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」に続き、APS-C用F2.8通しのズームレンズとしてはクラス最小・最軽量となります。35mm判換算15-27mm相当のワイドな世界とシグマらしいシャープな描写を「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」で閉じ込めた夏の思い出と共にご紹介します。
仕様・デザイン
最大径×全長はφ72.2mm × 62.0mm、重量は270g。手ぶれ補正機構未搭載のため単純な比較はできませんが、同程度の焦点距離のキヤノン純正「RF15-35mm F2.8 L IS USM」と比較するとレンズ全長は約1/2、重量も約1/3とそのちいささと軽さは圧倒的と言えるでしょう。APS-C用レンズではありますが、フルサイズユーザーのサブ広角ズームとしても活躍できると思います。また、キヤノンRFマウント用にAF性能などの最適化が成されており、高速AFやサーボAF、ボディ内収差補正にも対応しています。(補正機能はカメラが対応している内容に限る)
今回、特に注目したいのは小型化に特化して新たに開発されたプッシュオン式の花形フードの存在です。これまでのレンズフードはレンズの溝にねじ込んで固定するスクリュー式でしたが、こちらの「LENS HOOD LH706-02」はレンズ前側面に押し込む形で固定されるため横からの力に強く、移動中などに外れるリスクが低減されている印象を受けました。
高い近接撮影能力とコンパクトさを生かした自由度の高い撮影が魅力
ワイド端で最短撮影距離11.6cm、最大撮影倍率1:4という高い近接撮影能力は「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」の最も大きな魅力のひとつと言えます。
また、270gというレンズの軽さはキヤノンのAPS-Cカメラ「EOS R10」に装着しても約700gと非常に軽量なため、いざという時の片手撮影にも躊躇なくトライできました。ただし、「EOS R10」と「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」はカメラ・レンズともに手ぶれ補正機構非搭載のため、手ぶれには注意したいですね。
息を呑むほど美しい描写力
「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」を使って一番感動したのはやはり写りの美しさです。特に、逆光時に被写体の輪郭を照らすラインのなめらかな描写や、被写体の質感の再現性などはさすがシグマと言ったところ。また、広角レンズの弱点と言われがちな周辺の描写にも隙はなく、建物などをあおって撮影した際も不自然なパースがついたりはせず、超広角ならではのダイナミックさがダイレクトに伝わる写りに大満足でした。
SIGMA10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryで閉じ込めた夏の思い出
次に「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」と過ごした夏の日々をご紹介します。
さいごに
今回発売された「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」は、7月に発売された「18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary 」に続き2本目のシグマ製RFマウントレンズとなります。キヤノンのRFマウント専用に最適化されたAF性能やボディ内収差補正に対応するなど、Rシリーズとの相性はバッチリです。超広角ならではのダイナミックな表現を楽しむだけでなく、日常の何気ないワンシーンを印象的に写しとめるのにも活躍するレンズでしょう。ぜひ皆さんご自身の目で、その良さを体感してもらえたらと思います。
■写真家:金森玲奈
1979年東京生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務等を経て2011年からフリーランスとして活動を開始。雑誌やwebマガジンなどでの撮影・執筆のほか、フォトレッスン「ケの日、ハレの日」を主宰。祖師谷大蔵のアトリエにてプリントや額装のワークショップなども行っている。個展・企画展多数。