シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS|軽快に超望遠が楽しめる!人気の「ライトバズーカ」が富士フイルムXマウント用で登場
はじめに
シグマから2020年7月10日にリリースされた、フルサイズミラーレス専用超望遠ズームレンズ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」。既存ラインナップはLマウントとソニーEマウントの2種類でしたが、今回ついに富士フイルムのAPS-Cミラーレスに対応したXマウント用が追加されました。
高い光学性能と充実の機能をコンパクトなボディーに凝縮したベストセラーレンズ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」の富士フイルムXマウント用ということで、超望遠ズームで撮影するのに最適な動物たちを被写体に試してきました。夏の野生動物をはじめ、今回は観光客に大人気の北海道・旭川市 旭山動物園にも撮影協力いただき、同レンズの気になる性能を“最速”でご紹介したいと思います。
軽量さとコンパクトさの両立を実現したボディー
この「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」富士フイルムXマウント用は、焦点距離が35mm判換算で150-600mm相当となり、望遠域から超望遠域までカバーされるので、日常から野生動物まで幅広いシーンの撮影が可能です。
また、超望遠ズームレンズにもかかわらず重さは僅か「1,135g」と軽量で、屋外で一日中撮影してもレンズの重さが苦にならず、とても楽しく撮影することができました。
▼レンズ伸長比較
内筒部が伸縮する「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は、内筒をワイド端で収納することにより、非常にコンパクトになります。また、ズームロックスイッチにより、不意に内筒部が飛び出してしまうのを防止することができます。
また、ズームロックスイッチを解除し、ズームリングを回して焦点距離を調整する従来の撮影方法に加え、フードをつかんで内筒部をスピーディーに引き出すことにより、ズーム操作ができる「デュアルアクションズーム」にも対応しており、より多くのシャッターチャンスに素早く対応できるよう設計されています。
別売りの三脚座で三脚撮影にも対応
「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」に装着できる三脚座「TRIPOD SOCKET TS-111 Kit」は、オプションとして別売りとなっています。普段は軽量かつコンパクトなボディーを活かして軽快な手持ち撮影が可能ですが、更に精密な撮影を行う際は、三脚座を装着した三脚撮影が非常に有効です。
三脚座「TRIPOD SOCKET TS-111 Kit」は、レンズのフォーカスリング後部のゴム製のプロテクティブカバーをまっすぐに引き抜いて外し、三脚座リングをレンズのリア側から被せ入れ、レンズ側の4箇所の凸部と三脚座リング内側の凹部を嵌合し、ロックダイヤルで締め付けると、簡単に装着できます。なお、三脚座「TRIPOD SOCKET TS-111 Kit」はアルカスイス互換となっています。
暗い林の中で、サンコウチョウの給餌を精密なピントで撮影するため「TRIPOD SOCKET TS-111 Kit」をレンズに取り付け、三脚撮影を行いました。
蚊に集られながらの撮影でしたが、三脚を使用したので、手持ちでは集中力が切れてしまうような場面でも、神経を研ぎ澄まし、給餌シーンを撮影することができました。動画やスローシャッターで撮影する際にも三脚座は必須になるので、準備しておきたいアイテムです。
妥協のない高画質
田園が広がる草原に佇むエゾシカの赤ちゃんを柔らかい光の中、美しく鮮明に捉えてくれました。
暑い夏の日差しを避け、木陰で涼む子ザルを捉えた1枚。高い光学性能を彷彿とさせる、シャープでキレのある写真を撮ることができました。
水面に浮上するゴマフアザラシに対しても素早いAFでノンストレスで撮影することができました。混雑する動物園も、コンパクトになる「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は、機動力を発揮して展示施設をテンポよく回ることができました。
上を見上げるワシミミズクの繊細な羽毛や模様を忠実に描画してくれました。動物園では、超望遠レンズを使用して撮影すると、被写体に被っている檻や金網が目立ちにくくなり、スッキリ撮影することができるのでオススメです。
約5段相当の強力な手ブレ補正機構を搭載
低照度で雨模様の中でしたが、強力な手ブレ補正のお陰で、1/25秒のシャッター速度でも、手持ちでブラさず撮影することができました。
沢山の人で賑わう動物園での撮影は、人々のすき間を縫って撮影することも珍しくありません。賑わいで身体が動くような中でも、強力な手ブレ補正が一瞬のシャッターチャンスを正確に捉えてくれます。
日が陰り光が弱まる時間帯に、シンリンオオカミが動き出すのを狙い、カメラの感度を抑えてテレ端いっぱいで撮影しました。
富士フイルムXマウント用には約5段相当の強力な手ブレ補正が搭載されているので、多少シャッター速度が落ちてきても、安心感のある撮影が継続して行えるのが頼もしいです。
まとめ
今回はシグマ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」富士フイルムXマウント、そして「TRIPOD SOCKET TS-111 Kit」をレンズに装着して撮影した写真を交え、高い光学性能や同製品の魅力について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。望遠域から超望遠域を網羅するズームレンズでありながら、軽量さとコンパクトさを兼ね備えた「ライトバズーカ」の素晴らしい描画力を存分に味わって頂けたかと思います。
また、魅力ある「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」が富士フイルムXマウントに対応し、色調豊かな「記憶色」に変換して表現することが可能になったことも大きな魅力です。遠距離からも被写体を大きく切り抜け、近距離でも精細な描画力を誇る「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」とともに、秋の行楽地に出掛けてみてはいかがでしょうか。
■撮影協力:旭川市 旭山動物園
■自然写真家:高橋忠照
1982年北海道札幌市生まれ・山形県育ち。上富良野町在住。陸上自衛隊勤務を経て、2019年自然写真家に転向。自衛隊時代に培ったスナイパー(狙撃手)の技能を生かし、自然の中に同化して野生動物を探し出す独自のスタイルでの撮影を得意とする。作品は小学館、チャイルド本社、フレーベル館等の児童書や雑誌、カレンダーなど掲載多数。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員・富士フイルムアカデミーX講師