シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|私たちの最初のレンズ
はじめに
こんにちは、FPS24です。みなさんは、45mmという焦点距離のレンズはお使いになられたことはあるでしょうか? 実は45mmはSIGMA fpのキットレンズの焦点距離でもあり、SIGMA fpをお使いの方であれば馴染みのあるレンズだと思います 。
このレンズの正式名称は「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。SIGMA fpと同時に発表され、2019年7月26日に発売となりました。持ち運びしやすいサイズと光学性能との両立はもちろんのこと、外観デザインには並々ならぬこだわりを感じられるシグマらしいレンズです。
まさに、このようなデザインのレンズを待ち望んでいた、と言ってしまえば大袈裟に聞こえるかもしれませんが、所有する喜びと使用する楽しみを兼ね備えた素晴らしいレンズの一つです。小さいけれど高品質なレンズという意味で、「交換レンズ界のバンデンプラ・プリンセス」という愛称も発表会の中で紹介されました。このレンズに相応しい愛称だと感じていて、私達も積極的に推し進めていきたいと考えています。
今回は、軽量コンパクトで普段使いにもピッタリなレンズ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力を、じっくりご紹介していきたいと思います。
レンズの質感と焦点距離について
先ほどお伝えしたように、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はSIGMA fpのキットレンズとして、最初に触れる方も多いのではないでしょうか。
私もそのうちの一人でした。そして触って一番に感じるのが、レンズの完成度と質感の高さです。このレンズは後に、シグマが近年打ち出した「Iシリーズ」と呼ばれるシリーズに分類されることになりました。SIGMA fpのような洗練されたデザインのカメラや、小型のミラーレスカメラと非常に相性が良く、カメラと組み合わせただけで心が満たされるような感覚に陥ります。
外観を見てみると、フォーカスリングと絞りリング、AF/MF切り替えスイッチがあり、丁寧な塗装が施されています。リングはそれぞれ気持ちよく滑らかに回ります。
筐体とレンズフードには金属が使用されており、少しひんやりとした感触がします。この質感の高さは、手にして初めて感じられたポイントでした。この触り心地が、より所有欲を満たしてくれる決め手となっています。マウント部のゴムのシーリングによって、簡易防塵防滴構造も採用されています。
Iシリーズには2021年8月現在、他に「35mm F2 DG DN | Contemporary」、「65mm F2 DG DN | Contemporary」、「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」の3本がありますが、どれもコンセプトが同じくデザインが統一されており、非常に質感が高い為にシリーズで揃えたくなってしまいます。
45mmという焦点距離とコンパクトさの利点
このレンズ一番のメリットは、なによりこのコンパクトさだと思います。フードを外すと手のひらに収まってしまうのではないかと感じられるほど、非常にコンパクトです。それだけで撮影の幅や使える場面が多くなるのは間違いありません。
また45mmという焦点距離は、私達にとってはこれまであまり馴染みのない焦点距離でもありました。しかし実際に使ってみると、ふとした日常を気軽に切り取るのに絶妙的なバランスであり、さらに小型軽量であるという点からも、普段使いに欠かせないレンズの一つになっています。
45mm F2.8 DG DN | Contemporaryで写す世界
レンズキットとして発売中のSIGMA fpと「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の組み合わせで、ふらっと街中を撮影してみました。コンパクトなカメラボディとレンズなので、撮影時にはとても軽快に動くことができます。この身軽さは一度味わうと癖になります。
撮り歩いているシーンの裏側を動画で撮影してみました。動画でももちろん使いやすく、他のレンズに引けを取らない美しい映像を撮ることができます。軽量さを生かした機動力、カバンからさっと出してすぐ撮影できる気軽さはとにかく素晴らしいです。
とある日に大雨が降って、近所の公園が水浸しになりました。すぐに止んだものの、道に大きな水たまりがいくつも出来ていて、いつもと違う公園を楽しめました。思い立った時に迷うことなくカメラを持って出かけられるのは「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の気に入っているポイントの一つです。
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■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
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■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
温室の中で美しく咲いていた植物を撮影しました。赤い葉脈が光に照らされて、蛍光色のように鮮やかな赤色になっています。空間における光の当たり方を確実に捉えて、見事に表現してくれています。
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■撮影環境:ISO125 F2.8 SS1/200
フルサイズセンサーならではの背景ボケが、被写体である植物をより際立たせていて、鮮やかな色に引き込まれます。「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は特にボケの表現を重視して設計されたそうです。上品かつ柔らかな印象のボケからは、シグマがこれまで培ってきた技術力の高さが伺えます。
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■撮影環境:ISO200 F2.8 SS1/200
最近は、SIGMA fpに追加されたカラーモード「パウダーブルー」で撮影することが多いです。特に夏の晴れた日との相性は抜群です。照りつける太陽の光と合わさって、ますます夏を感じさせる写真になる気がしています。
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■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/1600
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■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/640
浅草で撮影した一枚です。妙に下町っぽさを感じるのは私だけでしょうか。生まれも育ちも東京ではないですが、この辺りの街並みや自転車に乗るお巡りさん、行き交う人々を見ていると、ほっこりします。
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■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
だんだんと街中は暑くなる季節でしたが、隅田川のほとりに降りてみると風が吹いてとても気持ちよかったのを覚えています。隅田川と、橋と、ボートと、佇む男性と。見ている風景を気持ちよくフレームに収めてくれます。
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■撮影環境:ISO500 F8 SS1/200
ビル群を背景に、神田川を挟んで電車が行き交います。地下鉄丸ノ内線の赤色がとても映えていました。電車が来るまで待とうとしたのですが、矢継ぎ早に電車が来ていて、東京の規模の大きさを感じました。
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■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/1600
近くにあったカフェで食事をしました。色とりどりの野菜が乗ったサラダが食欲をそそります。こじんまりとしたカフェでもカメラを取り出しやすく、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使っていると食事の撮影機会が増えたような気がします。机の上に置いていてもコンパクトなので、料理の邪魔にはなりません。レンズのコンパクトさは、こういった日常の細かなところでも活きてくるのだと思います。
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■撮影環境:ISO12800 F2.8 SS1/200
さらに「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は最短撮影距離が24cmです。寄って撮影したいことが少なくない日常使いでも、安心してこのレンズを使うことができます。
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■撮影環境:ISO5000 F2.8 SS1/125
夏空と海に黄色いバスが映えていました。運転手の方たちは潮風に吹かれながら休憩しています。この日のような暑い日は荷物を減らして身軽に歩きたいので、身軽さという意味では、今のシーズンにはもってこいのレンズなのかもしれません。
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■撮影環境:ISO100 F6.3 SS1/400
おわりに
「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、日常を自然体で切り取るのにとても扱いやすいレンズだと思います。45mmという焦点距離と、ボケの表現が自慢の光学性能、小型軽量なコンパクトさが合わさって、それを実現しているのだと感じました。
加えて、レンズの小ささからは想像できないような質感の高さがとても気に入っています。日常生活の中で普段から使うことを前提としているからこそ、質感の高さが重要になってきますよね。
最後に、私たちのYouTubeチャンネルでも「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使った映像を公開しております。映像にも興味をお持ちの方は、ぜひこちらもご覧いただけると嬉しいです。
■執筆者:FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ
https://www.kitamura.jp/shasha/sigma/45mm-f2-8-dg-dn-contemporary-2-20210309/