ソニー α6600 レビュー|写真も動画もこの1台で!Eマウントのハイエンドモデル!

ShaSha編集部

木を撮影した写真.JPG

α6000シリーズの最新モデル

レンズを装着した写真.JPG

 α6600は2016年に発売されたα6500の後継機種として、2019年11月に発売されたα6000シリーズ最新モデルのミラーレスカメラです。

 α6000シリーズはAPS-Cのセンサーを搭載しており、シリーズ内でも棲み分けがされています。2020年1月現在では、エントリーモデルのα6100、ミドルクラスモデルのα6400、そしてハイエンドモデルが今回ご紹介するα6600です。
 
 写真撮影の性能が高いことはもちろん、動画撮影の性能も高いことから動画クリエイターやビデオブロガーの方からも高い評価を得ています。
 同シリーズのα6400も同様に高い評価を得ていることから、どちらを選べばよいか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
 今回はα6400との比較も含め、作例を交えてレビューしました。ぜひご覧ください。

より撮影しやすく進化したボディ

ボディを正面から撮影した写真.JPG

 正面から見た形は、α6000シリーズ特有の長方形です。ボディサイズはコンパクトながらも、グリップがしっかりしているため、ホールド性は非常に高いと感じました。
 連写性能が高いため、動物やスポーツの撮影に望遠レンズを付けて運用する方もいらっしゃるかと思います。
 比較的大きな望遠レンズを使用する場合にグリップが握りにくいと、撮影に集中しづらいだけでなく疲れやすくもなります。しかし、これだけしっかり握ることが出来れば、より楽に撮影に臨めることでしょう。

 グリップの握りやすさは、手の大きさや指の長さなど個人差も大きい部分なので、実機をぜひ触ってみてください!

ボディ左側は端子類

ボディ左側を撮影した写真.JPG

 本体の左側には、microUSBとmicroHDMI、マイクとイヤホンの端子が挿せるようになっています。MicroUSBはUSB-TypeBに対応しており、本体にバッテリーを入れたまま充電することが可能です。
 
 ただ充電できるだけでなく、充電中でも撮影できる給電撮影も可能です。
 動画の撮影では、長時間使用することもあるため、写真の撮影と比べるとすぐにバッテリーがなくなってしまうこともあります。
 もしバッテリー残量が切れていることに気付かず撮影を続けてしまうと、せっかく撮影しても「撮影データが残っていない」という恐ろしい事態も起こりえます。

 予備バッテリーがない場合は、撮影と充電を繰り返す必要がありますが、そうすると待機時間ができてしまいテンポが悪くなってしまいます。給電撮影ができれば本体の電池残量を気にすることなく、効率的に撮影ができるのは嬉しいですよね。

ボディ背面

ボディを背面から撮影した写真.JPG

 ボディ背面を見ていると左上にファインダーがあり、右側にはボタン類がまとまっています。ボタン類が右側にあると、カメラを構えた時に右手だけで操作ができるので、嬉しいポイントです!

 左側にボタンがあると、重量のあるレンズを手持ちで使用して撮影をする時に、ファインダーを覗きながらボタンを押すことが困難な場合もあります。レンズを下に向けて設定しなおすこともできますが、被写体を見失うリスクも考えられます。右手だけでボタンの操作ができれば被写体を確認しながら設定の変更がしやすいため、より撮影しやすくなります。

ボディ天面

ボディ天面を撮影した写真.JPG

 ボディ天面にあるC1、C2ボタンの配置は、ボディ背面にある再生ボタンや削除ボタン、Fnボタンと同様にフルサイズミラーレスカメラのα9 IIα7R IVα7 IIIとほぼ同じです。
 これらの機種を普段使いのカメラとして使用されている方が、サブ機として使っても似た操作感で撮影できるので良いと思いました。

セルフィーもしやすい!背面モニター

チルトモニターを正面から撮影した写真.JPG

 背面モニターは3インチのタッチパネルを採用しており、上方向に約180度、下方向へ約74度動かすことができるチルト可動式のモニターです。

 前モデルのα6500では、ファインダーが出ていることから上方向へ約90度しか向かず、Eマウントのエントリークラスのα5000シリーズのカメラが上方向に約180度チルトできるモニターを搭載していました。

落ちていた葉を撮影した写真.JPG
■使用したレンズ:E16-55mm F2.8 G
■撮影環境:1/2500秒 F2.8 ISO640

 しかし、昨年発売されたα6400では上方向へ約180度向くモニターに大進化。使い勝手が格段に上がり、本機種でも採用されました。
 上方向へ約180度向くようになったことで、セルフィーやローアングルの撮影がしやすくなります。

 例えば旅行先で家族や友人と一緒に撮影したいシーンでは、近くの方に撮影をお願いしなくても、写りを確認しながらのセルフィーができるので便利です。
 また、セルフィーのために三脚を持っていかなくてもよいので、荷物も減らせられるのも嬉しいポイントです!

チルトモニターを横から撮影した写真.JPG

 動画の撮影では、撮影状況を確認するために外部モニターを使用することがあります。
 外部モニターにはモニター内のバッテリーを使用するものと、カメラボディから電源を供給して使用するものがあります。前者のタイプを使用するとカメラ本体だけでなく、モニターの電池を気にしながら撮影しなければいけないため注意が必要です。

 本機種のようにモニターが自分の方を向けば、少ないシステムでありながら撮影状況を確認できるので、楽に撮影することが可能になります。
 1点気を付けておきたいのはホットシューがボディ天面にあるため、マイクをホットシューに乗せるとモニターが見えにくくなります。その際はブラケットを使用しましょう。

長持ちなバッテリー

バッテリーのオモテを撮影した写真.JPG

 α6600はα6400や前モデルのα6500とボディサイズが変わらないものの、使用するバッテリーがNP-FW50からNP-FW100になりました。

 NP-FW100はソニーフルサイズミラーレスカメラのα7IIIやα7RIII、α9でも使用されているバッテリーです。従来のα6000シリーズで使用されているNP-FW50と比べると容量は約2.2倍に増えたもので、よりバッテリーの持ちが良くなります。

 バッテリーの持ちが良くなったことで、旅行時や運動会の撮影など1日中撮影するようなシーンでも電池切れのリスクを減らせられますし、予備を持っていかなくても撮影できるシーンが増えれば荷物も減らせられます。
 特に動画の撮影や、充電できるシーンが限られている屋外の撮影でも、より安心して撮影に臨めそうです。

バッテリーの裏を撮影した写真.JPG

 また、同じバッテリーを使用しているα7IIIやα7RIIIなどをすでにお持ちの方であれば、α6600をサブ機として購入しても、別種類のバッテリーを追加購入せずとも共有できるので嬉しいですよね。

APS-Cセンサーによる豊かな描写

木を撮影した写真.JPG
■使用したレンズ:E16-55mm F2.8 G
■撮影環境:1/2500秒 F2.8 ISO640

 動画の撮影がしやすいことで注目を浴びているα6600ですが、もちろん写真を撮影する性能も非常に高いです。

 作例は公園に行った際に撮影したもので、レンズはEマウント用F2.8通しの標準ズームレンズ、E16-55mm F2.8 Gを使用しました。
 高性能なGレンズで撮影したということもありますが、ピント面の解像感と背景のボケ感が良く、レンズが持つ描写性能の高さをしっかり引き出しています。

 

公園のベンチを撮影した写真.JPG
■使用したレンズ:E16-55mm F2.8 G
■撮影環境:1/60秒 F5.6 ISO100

 こちらは同じ公園内で撮影したものです。奥にある木々の描写も良いのですが、シャドー部の階調も良く表現されています。

さらに進化した動体撮影性能

 ピントを合わせる速さや連写性能、動く被写体を捉える性能はα6000の頃から高い評判を得ていますが、α6600ではさらに進化しています。

 α6600の連写性能はα6400やα6100と同じく、最高約11コマ/秒です。最高約11コマ/秒は同クラスの一眼レフカメラと比較しても遜色ない速さで、動く被写体でも撮り逃しにくくなります。

 キタムラYouTubeチャンネルでもご紹介をしているのですが、動く被写体を捉える性能の進化が分かります。

 それだけでも凄いのですが、α6600にはソニーフルサイズミラーレスカメラの最高モデルα9にも入っている、リアルタイムトラッキング機能を搭載しています。
 リアルタイムトラッキングは、AIを使用して被写体を自動で検知、ピントを合わせ続けてくれる機能です。

 設定で「顔優先」を選択すると、人物を検出した際に顔や瞳を追いかけてくれるのですが、これが本当に凄い!!
 特に、動いているためピント合わせが難しいスポーツや、動くお子さんの撮影でもスムーズにピントが合うので、ピントが合っていない失敗を少なくできそうです。

動物瞳AF.JPG
検出範囲.JPG

 対象は限られますが、検出対象を動物に設定すれば動物の瞳でも自動でピントを合わせてくれます。
 動物は人物よりも動きが読みづらいため、ピントを合わせるのも一苦労ですよね。α6600であれば、楽に撮影ができます。

手ブレ補正内蔵

手ブレ補正参考図.jpg

(引用:ソニー公式HP

 α6600はコンパクトでありながらボディ内に手ブレ補正が付いており、撮影時に起こりやすい5軸の手ブレを補正してくれます。

 私はポートレート撮影で単焦点レンズを使用することが多いのですが、手ブレ補正機能がない中望遠の単焦点レンズを使用することもあるので、手ブレ補正があると助かります。
 ソニーEマウント用のレンズはもちろん、オールドレンズや他社製で手ブレ補正がないレンズでも手ブレ補正の恩恵を受けられるため、使用できるレンズの選択肢が増えるのも嬉しいですよね。

 広角レンズを使用することが多い風景撮影では、一見手ブレ補正が無くても良いように思えますが、スローシャッターに設定した撮影では非常に助かります。
 川や滝、夜間で車のヘッドライトを流すような意図的にシャッター速度を落とすときはもちろん、手持ちでの夜景撮影のようなシャッター速度を遅くせざるを得ないシーンでも、より撮影しやすくなります。

コスモスを撮影した写真.JPG
■使用したレンズ:ソニー Sonnar T* FE55mm F1.8 ZA
■撮影環境:1/60秒 F2.8 ISO100

 また、動画の撮影は写真の撮影と比較すると、手ブレが目立ってしまうこともあります。特に旅行先のVlogなどで、歩きながら撮影するシーンでは、顕著に手ブレが目立ってしまう場合もあります。
 手ブレを軽減するジンバルがあれば手ブレを抑えやすいですが、ミラーレスカメラ用のジンバルは大きく重い場合もあるため、旅行に行くときはできるだけ荷物を少なくしたいですよね。
 α6600は、少ない機材でも手ブレが少ない映像の撮影もしやすいので、旅行先のVlogの撮影にもピッタリだと思います。

撮影後記

DSC00025.JPG

 私は普段α7IIIを使用していますが、α6600は見た目がコンパクトながらも、中身はフルサイズミラーレスのα7IIIにも匹敵するほどの性能を持っていると感じました。
 特に動く被写体を捉える性能が非常に高いので、メイン機種としての使用はもちろん、「風景やポートレートはα7IIやα7RIIで、動く被写体や動画を撮影するときはα6600」として使い分けるのも良いかもしれません。

 比較対象としてα6400がありますが、バッテリーの持ちと手ブレ補正の有無が検討の材料になると思います。
 バッテリーは予備を持つことで補えるのですが、ジンバルを使用しない撮影で手ブレを起こさないための対策は難しいです。もちろんα6400も素晴らしいカメラなので、ご自身の撮影環境に合わせて選ぶと良いでしょう。
 手ブレ補正の効き具合に関しては個人差があるため、ぜひ店頭のデモ機でご自身が使っているレンズや、効き目が分かりやすい望遠レンズを付けてお試ししてみてください!

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