【オールドコンデジ】ラグジュアリーでスリムなコンデジ ソニー Cyber-shot DSC-T99D
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はじめに
今回紹介するのは2010年に発売されていたコンパクトデジカメ、ソニー Cyber-shot DSC-T99Dです。大掃除で整理していたところ発掘されたカメラの内の1点になります。2010年ぐらいまではデジカメのセンサーの主力はCCDセンサーで、現在の主力であるCMOSセンサーとは異なるセンサーを使用していますが、今回紹介するCyber-shot DSC-T99DもCCDセンサーを採用しているモデルになります。
最近ではCCDセンサー搭載の古いコンパクトデジカメが若い世代に人気なのですが、スタイリッシュなコンパクトデジカメCyber-shot DSC-T99Dがどのような写りをするのかご紹介します。
基本スペックと特徴
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Cyber-shot DSC-T99Dは、Cyber-shot「DSC-T99」にデザインを施したモデルで、ラインストーンやデザインパターンで彩られたラグジュアリーなボディが特徴のスリムタイプのコンパクトデジカメです。
とてもスリムなコンパクトなボディには、カールツァイス「バリオ・テッサー」レンズが採用されておりデザインだけでなく、その写りも期待できるコンパクトデジカメです。このレンズは折り曲げレンズ機構が採用されており、スリムなボディながらも広角25mm~望遠100mm(35mm換算)の光学4倍ズームのスペックを有する、魅力的で使い勝手の良いコンパクトデジカメです。
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Cyber-shot DSC-T99D の基本スペック
発売日 | 2010年8月 |
センサーサイズ | 1/2.3型 |
センサー | ソニーSuper HAD CCD |
有効画素数 | 1,410万画素 |
レンズタイプ | カールツァイスバリオ・テッサー光学式4倍ズームレンズ |
F値(開放) | F3.5(ワイド端時) -4.6(テレ端時) |
焦点距離 | f=4.43mm~17.7mm(35mm換算:25mm~100mm相当) |
フォーカスモード | マルチポイントAF(9点自動測距)/中央重点AF/スポットAF/フレキシブルスポットAF |
ISO感度 | 自動/80/100/200/400/800/1600/3200 |
シャッタースピード | 自動(2-1/1,600秒) |
プログラムオート | (1-1/1,600秒) |
撮影モード | おまかせオート/スマイルシャッター/かんたん撮影/プログラムオート/スイングパノラマ/シーンセレクション(夜景/夜景&人物/風景/スノー/ビーチ/高速シャッター/打ち上げ花火/ソフトスナップ/高感度/水中/料理/ペット/美肌) |
モニター | 16:9(ワイド)/3.0型、230,400ドット(TFT)/クリアフォト液晶プラス/タッチパネル |
出力形式 | 静止画:JPEG 動画:MP4(MPEG-4 Visual) |
記録メディア | メモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオ/メモリースティック PRO-HG、デュオ/SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/SDXCメモリーカード |
内蔵メモリー | 約32MB |
バッテリー | リチウムイオンNタイプ(NP-BN1) |
質量(g)(本体のみ) | 109g |
ボディサイズ (幅×高さ×奥行) | 93 x 55.6 x 17 mm |
古いデジカメを使用する際に気になるのがバッテリーや使用可能な記録メディアですが、Cyber-shot DSC-T99Dのバッテリー「NP-BN1」はすでに生産完了品の為、注意が必要です。記録メディアに関しては現行品のSDカードが利用できるので安心です。
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主にボディデザインに目が行くソニーCyber-shot DSC-T99Dですが、機能面の特徴としてはワイド端で約1cmの迫力の接写がオートで楽しめる「拡大鏡モード」/「オートマクロ」モードを搭載しており、メニューなどの設定切り替え無しでカメラを近づけるだけで自動的に接写ができる便利なカメラです。
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■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF3.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※拡大鏡モード
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■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF4.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※拡大鏡モード
もう一つ特徴的な機能として「スイングパノラマ」機能があります。カメラを一定方向に振るだけで、最大265度の壮大なパノラマ写真を撮影可能。カメラをひとふりする間に、手ブレ補正を行いながら最大100枚の静止画を高速連写。その連写画像の各画像間のズレを検出し、高精度につなぎ合わせることでパノラマ画角を実現しています。
パノラマ撮影の方向もタテ・ヨコあり、標準・ワイドの設定により撮影できる範囲も異なってきます。
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■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF9 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(標準)
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■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF6.3 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(ワイド)
実際に撮影してみるとこれがなかなか面白いのですが、手持ちで撮影してみると水平を維持するのが案外難しく、筆者が撮影するとだいたい右下がりの感じになることが多くありました。縦位置のスイングパノラマの方が簡単に撮影できる感じです。
また分割して撮影した画像をカメラ内で合成処理しているため、動く被写体は合わない撮影モードです。
ソニー Cyber-shot DSC-T99D でスナップ撮影
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■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF4.6 ISO320 焦点距離 17.7mm (35mm換算 100mm相当)
とてもスリムデザインのCyber-shot DSC-T99Dは、カメラで撮影しているというよりもスマホで撮影している感覚に近い感じです。小さなカバンにいれても邪魔にならないサイズ、ジーンズのポケットにスマートに入るスリムさは魅力的です。
基本的な撮影モードは、「おまかせオート撮影」モードで撮影をしています。「おまかせオート撮影」を選択すれば、撮影シーンごとに最適な設定を自動調整する「おまかせシーン認識」や、人物の顔がキレイに撮れる顔検出機能「顔キメ」などが同時に起動します。各機能を1つ1つ設定する手間がなく、さまざまなシーンで簡単に撮影することができます。
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■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF3.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF4 ISO125 焦点距離 11mm (35mm換算 62mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF4.6 ISO80 焦点距離 17.7mm (35mm換算 100mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF4.6 ISO80 焦点距離 17.7mm (35mm換算 100mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF3.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF.6 ISO400 焦点距離 17.6mm (35mm換算 100mm相当)
ソニー Cyber-shot DSC-T99D でスイングパノラマ撮影
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■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF9 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(標準)
Cyber-shot DSC-T99Dの特徴の一つにある「スイングパノラマ」を楽しんでみました。スイングパノラマモードは、カメラに表示される指示にしたがってカメラを振るだけの手軽さでパノラマ写真を撮影する事ができます。
実際に通常撮影とどう違いがあるのか、同じ場所で違いを撮影してみました。下の3枚の写真は、「通常」・「スイングパノラマ(標準)」・「スイングパノラマ(ワイド)」になります。場所は東京駅です。通常撮影では駅舎全景が入りませんが、スイングパノラマで撮影すれば駅舎全体を撮影することができます。「スイングパノラマ(標準)」で約180度、「スイングパノラマ(ワイド)」では最大265度の範囲まで撮影が可能ですが、横位置で撮影する際に正面を中心に左右均等に撮影するのは意外に難しかったりします。
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■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF4.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF9 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(標準)
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■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF9 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(ワイド)
横位置撮影できた画像の大きさは、下記のようなサイズになりタテのピクセル数が通常の3分の1になるので、結果通常撮影で撮れる画素数よりも小さいサイズでの撮影データになります。
撮影方法(ヨコ)撮影サイズ | |
通常撮影 | 4320×3240ピクセル(約1400画素) |
スイングパノラマ(標準) | 4912×1080ピクセル(約530万画素) |
スイングパノラマ(ワイド) | 7152×1080ピクセル(約772画素) |
撮影の際の注意点としては、スイングする速さによっては撮影できない場合があるので、カメラのガイドに沿ったスピードでカメラを振る必要があります。少し慣れが必要かもしれません。
下の写真2枚は、通常縦位置撮影と縦振りスイングパノラマ(標準)撮影の比較です。スイングパノラマではカメラを振る方向を4パターン設定する事が可能です。ヨコ振りで左から・右から、タテ振りで下から・上からとカメラに振る方向と、スタート地点を切り替えることが可能になっています。
またヨコ振りのスイングパノラマとタテ振りのスイングパノラマでは、撮影できる範囲が異なりタテ振りの方が撮影できる範囲が少し狭くなります。
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■撮影環境:シャッター速度1/500 絞りF4.5 ISO80 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当)
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■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF9 ISO250 焦点距離 4.43mm (35mm換算 25mm相当) ※スイングパノラマ(標準)
上の写真はタテ振りで下からスタートして撮った写真です。カメラは横位置に構え、下から上に向かってスイングしています。タテ振りのスイングパノラマで撮影されたデータは、ヨコ振りでのパノラマ撮影データとは撮影できるピクセル数が異なります。
撮影方法(タテ)撮影サイズ | |
通常撮影 | 3240×4320ピクセル(約1400画素) |
スイングパノラマ(標準) | 3424×1920ピクセル(約657万画素) |
スイングパノラマ(ワイド) | 4912×1920ピクセル(約943画素) |
パノラマ写真としては、縦横比率が少し物足りないと感じるタテ振りのスイングパノラマ(標準)撮影ですが、撮影のしやすさや構図の安定性などを考えると、このぐらいの撮影が一番気楽にどんなシーンでも対応できるような感じがします。
まとめ
若い世代でCCDセンサーのオールドコンデジが人気ですが、2010年頃のコンパクトデジカメで撮影された落ち着いた色合いが好まれている感じです。実際に撮影してみると、現在のデジカメで鮮やかに撮れるもの(設定にもよりますが)と違い、非常に落ち着いた深みのある写りをしているように感じます。
ソニー「Cyber-shot DSC-T99D」のデザインは、現在でも十分に通用するおしゃれなスリムデザインで携帯性に優れています。CCDセンサーのおしゃれなコンデジを探している方におすすめのカメラです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師