ソニー FE 16-25mm F2.8 G レビュー|ペトグラファー 小川晃代

小川晃代
ソニー FE 16-25mm F2.8 G レビュー|ペトグラファー 小川晃代

はじめに

いつもと違った写真を撮りたい!脱マンネリ!を考えているあなたにもおすすめの、ソニー FE 16-25mm F2.8 G。質量約409gで軽量コンパクトなのにF2.8の明るさをキープしたレンズなので、はじめて広角レンズを使う方にもおすすめです。

レンズの特性を生かした作品

広角レンズは、広い画角で広範囲を写すことができるレンズです。

遠近感が強調されるので、普段私たちが見ている世界とまた違う印象的な作品表現が可能です。
被写体に近寄って撮ると被写体は大きく、そして背景は広く写るのでダイナミックな作品になります。

こちらは地面すれすれにカメラを構えて見上げるようにして撮った写真。
背後の木々が写真の中にぎゅぎゅっと入り、1枚の中に様々な要素が凝縮されています。
主役が手前にドンと配置されているため、広大な自然の中で力強く壮大な印象に写ります。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 +0.7補正 ISO100 AWB 16mm
たんぽぽが一番キレイにたくさん写るポイントを探り、さらに背景の木々のカーブと青空のバランスを見ながら撮影しました。

こちらは海での1枚。
広角レンズで撮影をすると遠近感を強調できるので、カメラから近い物は大きく、遠い物は小さく写ります

ここでは遠くにある大きなヤシの木が、写真の中では小さくポンポンと配置されていて何だか可愛らしいです。
わんこのいろいろな表情を撮影していましたが、全体的に夏イメージのPOPな感じに仕上げたかったので、あくびシーンを採用しました。

青空も多く入れこんだので雲の表情もよく分かりますね。
このようにわんこを手前に配置して、背景との対比を使うことでより印象的な作品になります。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 +1補正 ISO100 AWB 16mm
海は青空が一番!ということで曇り予報の一日でしたが、一瞬晴れ間になったその時にシャッターを切りました。

室内でも1枚。
窓から顔を出した瞬間を撮影しました。

にゃんこの下から撮影することで少し覗きこむようなイメージで撮っています。
かなり大きな窓に佇むにゃんこを撮影したので、標準レンズで撮るとポツンとなりがちなシーンでしたが、広角レンズを使って構図やアングルを上手く考えれば、にゃんこと窓が絶妙なバランスの印象的な1枚に仕上がります。

にゃんこの瞳や毛の描写が美しいのはさることながら、窓ガラスの素材や模様の繊細な描写力にも驚かされます。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/1600秒 ISO500 AWB 16mm
覗き込むようなポーズを撮りたかったので、にゃんこの気を引かせながら撮影しました。

ズームレンズの可能性

超広角~広角をカバーしているズームレンズなので、撮りたいシチュエーションに合わせて好きな焦点距離での撮影が可能です。

にゃんこを撮影するならこんな感じ。
ふわふわのクッションのくぼみを利用して、にゃんこの可愛さを最大限に引き出して撮影しています。

この時猫じゃらしを使うため片手持ち撮影になりましたが、小型軽量だから楽々。
可愛いポーズで見上げるショットも、ズームレンズで好きな画角に合わせパパっとバッチリ撮影!

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/200秒 ISO250 AWB 19mm
身体がすっぽり沈み込むようなクッションを使って撮影。

寝室で16mmで撮影。
コンパクトなお部屋空間でも、広角レンズを使えば広く解放感を感じる写真に。
写真で見るよりも実際はかなり暗い環境だったので、画質やピント合わせに少し不安がありましたが、全く問題なし!

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO400 AWB 16mm
殺風景になりすぎないように窓を2つ入れた構図で撮影。

広い空間にポツンとわんこは25mmで撮影。
アクセントにピッタリな観葉植物があったので、こちらを前ボケに葉っぱのフレームを作って撮りました。
素敵な空間ではこのように被写体を小さく配置して撮ってもおもしろいですね。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO640 AWB 25mm
濃い緑とレザーのソファーのコラボでクールな1枚に。

ポートレート撮影

ポートレート撮影というと中望遠や望遠レンズで撮ることが多いですが、今回はFE 16-25mm F2.8 Gレンズを使ってポートレート撮影。

まずは25mmでにゃんこをアップ目に撮影。
背景のアイアン模様がキレイにぼけて美しい空間を作りだしています。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO80 AWB 25mm
にゃんこの背後から少し光が差し込んでいるので、ふんわり柔らかな毛並みを表現をすることができました。

こちらは16mmで撮った1枚。
広角側の最短撮影距離0.18mの高い近接撮影能力で、ぐっと近寄って撮ることができます。
砂浜もどこまでも続く青空も、美しくナチュラルなボケ味で被写体が際立ちます。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/1250秒 +1補正 ISO100 AWB 16mm
さずがGレンズ!砂浜と青空の柔らかなボケ味が美しい作品に。

広角レンズを使って広い空間の中に被写体を捉えると、遠近感も加わってより一層被写体を引き立たせることができます。

■撮影機材:ソニー α7R V + FE 16-25mm F2.8 G
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 AWB 16mm
白と淡いグリーンを基調としたバスルームが、にゃんこの瞳のカラーともマッチしていて統一感のある作品に。

普段は50mm以上のレンズでポートレート撮影を楽しむことが多い私にとって、広角レンズでのポートレート撮影はとても新鮮でした。

まとめ

広角レンズを使えば壮大な背景の中のペット写真も、ボケ味を生かしたポートレート写真もより印象的な写真になります。
しかもレンズが軽量コンパクトでF2.8というのが何とも魅力的!
遠近感や構図の工夫次第で作品の幅も広がりますので、広角レンズの特性を生かした撮影を楽しんでみてはいかがですか?

 

 

■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。

 

 

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