ソニー FE 24-70mm F2.8 GM レビュー|葛原よしひろ
はじめに
今回のレビューはSONYのGMレンズFE 24-70mm F2.8 GMです。このレンズはSONY GMレンズシリーズの初期に発売開始されましたので発売から約7年が経過していますが、今回改めてレビューさせて頂きますので宜しくお願いします。使用ボディには比較的最近のαシリーズボディを使用しておりますのでそういった点でも参考にして下さい。
FE 24-70mm F2.8 GMの魅力をご紹介
まずは私の地元の滋賀県高島市にある湖上鳥居の写真ですが、びわ湖の水平線を歪まず真直ぐに描写出来るのは流石に高性能なGMレンズですね。標準ズームは便利なのですが風景撮影に使用する場合に気になるのが水平垂直をキッチリ出せるかという点なのですが、このレンズの場合そういった心配が無く安心して使用出来るのは嬉しいですね。
春の高島市は桜に包まれる街なので、このような美しい場所が沢山有ります。このレンズは発色性能も良いので桜並木に春の青空と新緑が映えます。
桜だけでなく春の高島市の、びわ湖畔には水仙やノウルシが咲いて賑わしてくれます。被写体の水仙に標準域50mmで最短撮影距離近くまで寄って撮影してみたのですが、ピント面の白い花びらの表面に付く水分の煌めきまで描写出来ている事には驚きました。
次にノウルシに広角端24mmで最短撮影距離近くまで寄って撮影してみました。こちらも申し分のない解像感で、拡大すると葉の部分に止まる小さな虫まで写っていることが確認出来ました。先程の水仙の写真と背景を比較すると広角と標準で、背景の写る範囲の違いは勿論ありますがボケ感の違いもおもしろいですね。もう一点このような被写体の場合、特に葉の重なり部分にフリンジが発生することが多いのですが、このレンズでは全くと言って良い程フリンジは出ませんでした。
α7Cに装着してステージ撮影に使用してみました。暗い中での撮影でも瞳AFが高速かつ正確に作動してくれます。飛び跳ねながら踊る演者さんが笑顔になる瞬間ではシャッターを切る事だけに集中出来ますので、とても撮影しやすい印象でした。
こちらの写真は被写体が二人なので、AF-C(動体追尾AF)モードでフォーカスポイントを二人の中央部に設定して絞りを少し絞って撮影しています。
ギターをアップにして躍動感を出す為にシャッタースピードを1/20に設定して撮影。焦点距離70mm絞りF2.8で最短撮影距離付近での撮影。大きなボケが躍動感をより演出してくれます。
私の場合、このレンズは発売当初からポートレート撮影に使用することが多いです。理由は太陽光下での撮影の場合に、このレンズの表現してくれる、透き通るような肌色の発色が凄く私の好みだからです。
画角比較してみました。
まとめ
FE 24-70mm F2.8 GMは、大口径の開放F2.8通しの明るい高性能なレンズです。長さ136mm、最大径87.6mm、フィルター径82mm、重さ886gと少し大きく重いレンズではあるものの、どの焦点距離でも単焦点レンズ並の性能を誇っており、この1本だけで、24mm、35mm、50mm、70mmの単焦点レンズを合計4本を持ち歩くことを思えば、随分と軽い装備で済むという考え方もできます。
今回α1、α7 IV、α7Cと3機種の現行モデルのボディを使用しましたが、どのボディに装着してもバランスが良くしっかりとホールド出来るので撮影もしやすかったです。撮影した写真を見返すと、解像感と抜けの良さは発売からの年月を感じさせない写りで、流石のSONY GMシリーズという印象でした。風景、スナップ、ポートレート、夜景やステージ等、あらゆるジャンルで活躍できるレンズとしてオススメの1本です。
2022年4月28日に発表された新型のFE 24-70mm F2.8 GM IIは勿論、軽くて良い性能だと推測しますが、このレンズも性能的には非常に優れておりますので、価格面なども合わせて比較検討されることをオススメします。
■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザーJPS(日本写真家協会)正会員