ソニー FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS レビュー|とにかく軽い超望遠レンズで迫力ある動物写真を撮る

山本まりこ
ソニー FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS レビュー|とにかく軽い超望遠レンズで迫力ある動物写真を撮る

まずはじめに

いろいろ語る前に、とりあえずFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSで撮影した野毛山動物園の動物たちを見て欲しい。
後ほどゆっくり書きたいと思う。

今回使用しているカメラはα7 IV。
望遠側300mmの迫力と、柔らかなボケ表現。
Gレンズならではの表現力。

はじめに

ソニー FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSは、2016年4月に発売になったGレンズ。もう、発売されてから6年も経っているけれど、根強いファンが多いレンズだ。筆者はソニーαアカデミーなどで講師をすることもあるが、動物園での撮影の時には、このレンズで参加する方も多い。また、望遠側300mmという超望遠撮影可能にして854gという軽さから、女性ファンも多い。気軽に持ち運び出来る超望遠レンズ。実は筆者、このレンズを使うのは今回が初めて。普段は、G Master FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを愛用している。

今回、なぜこのレンズを使用してみたいと思ったかと言うと、一つは根強いファンが多いその魅力を知りたいということ、そして、先日新しくパワーアップしたFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと同じ被写体を撮影したときに、写り方や使用感の違いを体感してみたいと思ったからだ。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIについてのレビューも併せてぜひ見て欲しい。

今回レビューするFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSと、上記でレビューしたFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの写真は、全て同じ日に撮影したものだ。順番で言えば、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIで撮影した後に、FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSで撮影した。撮影した場所は、野毛山動物園。同じ動物を撮影したりもした。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは2021年11月に発売されたのに対し、FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSは6年以上前の発売だ。先に使ったFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの感触を覚えている中でのFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSの使用感をレポートしたいと思う。

さあ、快晴の秋の日、野毛山動物園へ。

AF感と望遠感を確かめる

まずは、キリンに会いに行こう。

秋といえども昼間は太陽が強く照り付けてとても暑かったけれど、夕方が近くなってきて気温が少し下がってきたからか、お昼時よりも活発にキリンが動いている。

AFはスムーズに被写体を追い続けている。
使用しているカメラはα7 IVなので、トラッキング機能で被写体を追って撮影している。

見つめていると、キリンが近づいてきてくれて、遊ぶように近くに顔を見せてくれた。
何度も何度も近づいてきてくれて、その度にググっと望遠にして撮影した。

キリンって、目がくりくりとしていて可愛い。
まつ毛も長い。口ひげもたくさん生えている。
顔の下から見るとこんな形をしているんだなあ。

先述したが、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIで撮影した後に、今回レポートしているFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSで撮影した。
望遠200mmでは物足りなく感じた望遠感も、300mmあるとやはり迫力が出る。さらに、APS-Cサイズにクロップして撮影すると、大迫力だ。AFは、最新のFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと比べるとやっぱり劣るが、それでも予想を超えて俊敏に被写体を追っていた。

キリンの黒い下がにゅるんと出てきて枝を捉える瞬間、ファインダーを覗いている私の目はまんまるく見開いた。撮る瞬間も、大迫力だ。

それにしても、キリンが何度も近づいてきてくれるので嬉しくて、撮っている間ずっと笑っていた。
無条件に笑顔になる時間って、素晴らしいなと思う。
動物って、すごい。
カメラも、レンズも、すごい。
そう思いながらシャッターを切った。

70mm側と300mm側の画角の違いを楽しむ

さあ、次はレッサーパンダに会いに行こう。
70mm側、300mm側など、いろいろな焦点距離で撮影した。

舌をペロリと出して、愛くるしい表情を見せてくれる。
とにかく可愛い。
ちなみに。
レッサーパンダは、パンダがそう名付けられる前にパンダと言う言葉が使われて名付けられたそうだ。
ふむふむ。

レッサーパンダの背景が柔らかくボケた写真はとても美しい。ただ、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと比較すると、被写体が遠い分、やはりG Masterレンズほどの圧倒的なトロける背景にはならない。被写体が近ければ、もっと美しいボケがでるはず。そう思い、植物を撮影してみる。

焦点距離70mmで撮影

焦点距離300mmで撮影

焦点距離300mm+APSCサイズにクロップして450mm相当で撮影

近い距離にある被写体を、最大望遠で撮影すると、とても美しい背景ボケを描くことが出来る。
この軽さにしてこの描写力。Gレンズの実力を感じる瞬間。
レンズには、それぞれの魅力の引き出し方がある。それを知っているか知らないか。知っていれば、それだけ魅力的な作品作りが出来る。

いろいろな撮影を楽しむ

動物園という場所は、撮影者と動物との間に柵があったり檻があったりする。被写体までの距離も遠いことが多い。
その中で、焦点距離300mmで撮れるということは、かなり強みだと思う。焦点距離200mmでは味わえない、迫力、が撮れる。

おわりに

今回初めてFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSで撮影してみて、その根強い人気の魅力を探り、実感することが出来た。
人気の理由は何より、854gという軽さにして焦点距離300mmの大迫力の作品作りができるということだろう。気軽にこの迫力を撮ることが出来るのは、爽快だ。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIで撮影した後に、FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSで撮影した分、その200mmと300mmの違いを痛感した。200mmであと少し大きく撮りたいと思う願望を、このレンズの時は全て満たすことが出来た。ただやはり、少し離れた被写体の背景ボケの描写力などはG Master FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIには適わないところは否めない。

まとめると、
「とにかくフットワーク軽く、超望遠レンズで楽しみたい」と言う方におススメのレンズだ。
特に、動物園の動物やペット、お子さんの運動会などを撮影したい方にもおススメのレンズだ。
気軽に望遠を楽しみたいという女性にもおススメだ。
フォトセミナーなどをしていて実感しているのは、カメラやレンズを購入する際に、男性はスペック重視、女性はフィーリング重視という方が多いということ。男性は、スペックを見て発売前にカメラやレンズを予約する方が多い一方、女性は、セミナーなどで実際に使用してからその時の感覚で購入する方が多い。

もし、スペックを重視するのなら、ソニーには、超望遠レンズにFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSがある。
筆者は普段G Master FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを愛用している。圧倒的な描写力に惹かれ、撮影の際はほとんどの割合で持って行くレンズだ。
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSは、以前レビューしている。気になる方はぜひ読んで欲しい。

これから秋が深まっていく。
日本には、四季がある。もうすぐ紅葉も美しい季節に。
広角レンズだけではなく、望遠レンズで季節を表現する作品をとってみて欲しい。
そのときに、ぜひFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSを手にとってみて欲しい。

 

■撮影協力
野毛山動物園

■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。

 

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