【レビュー】ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7はB.LEAGUEも撮影できる!|坂井田富三
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF4 ISO3200
焦点距離60mm(35mm換算)
■モデル:横浜ビー・コルセアーズ#9ホール百音アレックス
はじめに
今回、ご縁があって筆者の地元、神奈川県横浜市をホームタウンとするB.LEAGUE B1・中地区に所属するプロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ(ビーコル)」のプレシーズンゲームを特別に撮影させて頂く機会を得ました。レギュラーシーズンでは横浜国際プールがビーコルのホームアリーナですが、今回のプレシーズンゲームはスカイアリーナ座間(座間市)での開催でした。バスケットボールの試合は、選手と観客席の距離がとても近く迫力のあるプレーを見る事ができるスポーツです。
スポーツ写真を撮る上での重要なポイントは事前準備です。その事前準備については、以前の記事【撮影テクニック】スポーツ撮影が更に上手くなる5つの準備に記載させて頂いているので、一度ご参照くださいね。
バスケットボールを撮るために選んだカメラ
室内スポーツのバスケットボールですが、プレーするコートと観客席との距離が近いため、おススメのレンズ焦点距離は広角24mmから望遠200mmで、とても撮影しやすい焦点距離です。もちろん2階席などから撮影する場合などは、もっと望遠側のレンズが欲しくなりますが、今回は選手に一番近いポジションからの撮影とあって、チョイスしたカメラは2019年8月末に発売されたばかりのソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7です。
このソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7は、新開発のイメージセンサーが搭載されたソニーのフラッグシップミラーレスのα9並のスピードとAF性能を持ったプレミアムコンパクトデジカメ。
焦点距離も筆者のイメージする領域と完全一致しており、広角から望遠までカバーする24-200mm(35mm判換算) F2.8-4.5のツァイス バリオ・ゾナーT*レンズを搭載。
センサーサイズは1インチセンサーの為、APS-Cサイズやフルサイズよりも被写界深度も稼げて撮影しやすいのでは?と考えた為、このチョイスとなりました。
撮影の際のカメラ側の基本的な設定は、AFは動く被写体のピントを追い続けてくれるコンティニュアンスAFモードで。AFエリアは前モデルより多分割化され、検出精度が大幅に向上されているワイドエリアを選択。そして最高約20コマ/秒の連続撮影が可能な連写撮影モードで撮影しました
ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7で撮るバスケットボール
そもそもバスケットボールのプレーを撮影するのはスポーツの中でも非常に難しいです。試合会場にもよりますが、室内競技なので野外に比べて暗くなる場合が多くなり、シャッター速度をある程度維持するために、どうしてもISO感度を上げる必要がでてきます。今回も試合会場が少し暗い感じがしたのでISOを1600~6400で撮影していますが、選手の速いプレーによっては被写体ブレをした撮影も多くありました。
#46生原秀将選手がドリブルで相手陣営に切り込むシーンですが、シャッター速度1/160秒が被写体を止める限界ギリギリのスピードです。連写して撮影したシーンですが、前後のカットは選手全体がブレてしまっていた。このカットも上半身は止まっているが下半身はブレています。
被写体の一部をブラして動きを表現できていると言えば聞こえは良いが、ブレ写真を量産するリスクが非常に高く、可能であれば1/320秒以上のシャッター速度を確保して撮影したいですね。
■使用機材:ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF4.5 ISO3200
焦点距離71mm(35mm換算)
■モデル:横浜ビー・コルセアーズ #46生原秀将
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF4.5 ISO3200
焦点距離200mm(35mm換算)
■モデル:横浜ビー・コルセアーズ #21田渡 凌
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF4 ISO3200
焦点距離84mm(35mm換算)
■モデル:横浜ビー・コルセアーズ #14ジョルジー・ゴロマン
バスケットボールはローアングルの撮影もおすすめ。可能であれば広角レンズを使って、ぜひローアングルからの撮影にトライして欲しいです。長身の選手がジャンプするシーンではよりダイナミックな表現が可能になります。
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF3.2 ISO3200
焦点距離24mm(35mm換算)
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF5 ISO3200
焦点距離31mm(35mm換算)
ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M6との違いは?
前モデルのRX100M6との違いは、外観やレンズや記録画素数などは全く変わっていないため、見た目では判断が難しいです。
しかし新開発のメモリー一体1.0型積層型CMOSイメージセンサーと最新の画像処理技術で、RXシリーズ最速のスピード性能を実現し、α9でも採用されている最高20コマ/秒の連続撮影時、最大60回/秒のAF/AE演算処理を行うことで、動きが複雑で速さに緩急のある動体にも、高精度なAF/AE追随が可能な状態に大幅にスペックアップしています
また、電子ビューファインダー・液晶モニターの表示更新を60回/秒の頻度で行ってタイムラグを抑制し、「ブラックアウト」のない連続撮影を可能にしているのが大きな特徴です。そしてフォーカスエリアの検出ポイントが増えて像面位相差検出AFで315点から357点、コントラスト検出AF枠で25点から425点と大幅に増えてAF性能が飛躍的にアップしています。
見た目の変化はほとんど見られないが、中身は別物と言っていいくらいに進化している、そんなRX100M7ですが、動画が凄いんです!
ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7で動画を撮影
RX100M7は動画撮影時のAF精度・速度・追随性が向上し、RXシリーズ初となる高精度のリアルタイムトラッキングやリアルタイム瞳AF(人物のみ)に対応しました。4K動画撮影時もアクティブモードでの手ブレ補正で、手持ちで歩き撮りをしてもブレの少ない安定した映像を撮影できるようになっています。
動画撮影に関しては、RX100M6とRX100M7で外見の違いが1点あります。RX100M7には外部マイクを接続できる端子が追加されています。
シューティンググリップのセットがあるこのRX100M7に外部マイクを装着して動画撮影。シューティンググリップは、小さな三脚にもなるのでローアングルでの撮影に威力を発揮します。
シューティングリップには、シャッターボタン、ズームコントロール、録画ボタンがあり静止画・動画のどちらにも対応できる便利なアイテムです。特に動画撮影時のズームコントロールはスムーズな動きに対応しており、ビデオカメラで撮影しているのと遜色ない撮影が可能になっています。
■DSC-RX100M7Gシューティンググリップキット+ステレオマイクロホンECM-XYST1Mで撮影
バスケットボールの試合のもう一つの魅力的な被写体はチアリーダーズ!試合を盛り上げてくれるチアリーダーズのダンスはとても魅力です。
横浜ビー・コルセアーズ 公式チアリーディングチーム「B-ROSE」のハーフタイムのダンスをDSC-RX100M7で動画撮影してみました。
■DSC-RX100M7Gシューティンググリップキット+ステレオマイクロホンECM-XYST1Mで撮影
まとめ
DSC-RX100シリーズはM7になって飛躍的に進化したと言い切れるくらいの性能です。M6の24-200mmという高倍率のズームに無敵のAF性能を搭載して、スポーツ撮影に耐えれるプレミアムコンパクトになりました。
動画撮影も強化された事によって、ビデオカメラの替わりにもなる魅力的なカメラです。スポーツを撮影する人以外にも、動物瞳AFが搭載されたM7は、ペットを飼っている方にも是非おすすめしたいカメラです。